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J1第13節(5月5日)、深井、都倉のゴール炸裂。札幌が大阪に快勝

18・05・07
 北海道コンサドーレ札幌は5月5日にホームの札幌厚別公園競技場でガンバ大阪と対戦。札幌が前半にMF深井のゴールで先制すると、後半、大阪に押し込まれるもFW都倉が技ありのオーバーヘッドで追加点。2−0の完封勝利で10戦無敗のクラブ記録を更新した。

 大型連休の連戦で疲労がかなり蓄積されている中、札幌はACL出場圏内の3位と好調を維持。対する大阪は15位と下位に沈むも、リーグ戦直近では2連勝と、チーム状態はやや上向きの様子で厚別に乗り込んできた。

 試合は前半、小雨の影響もあり、パスワークに重きを置く両チームのサッカーが展開されていく。

 一進一退で進み、札幌のビッグチャンスは前半22分。センターサークルでこぼれ球を拾い、ショートパスでMFチャナティップへボールが渡る。チャナティップは敵陣中央から都倉へスルーパス。ペナルティーエリアに侵入した都倉は切り返しでDFをかわし中央へパス。フリーで待っていたMF宮澤が左足でシュートを放つも大阪GK林に阻まれ、先制点とはならず。

 サイド攻撃を意識しながら徐々に相手ゴールに迫る札幌は、前半39分に先制点を奪うことに成功する。MF三好が敵陣中央から左サイドへスルーパスを送る。これにコーナーエリアギリギリで追い付いたMF菅がバックパスでDF福森へ。福森は左足ワンタッチで早いアーリークロスを供給。ボールはゴール前で相手DFがクリアしきれず、真上へ上がるこぼれ球になる。この落ちてくるボールを深井が冷静に左足ボレーでゴールに叩き込んだ。

 大阪の決定機は前半アディショナルタイム6分。DFファビオがハーフウェーラインから縦パスを入れる。走り込んだFWファン・ウィジョは振り向きざまの左足シュートを放つも札幌GKクがビッグセーブ。1−0のまま試合を折り返す。

 後半に入り、同点を狙う大阪が攻撃的な選手の投入をきっかけに流れをつかむ。後半15分には、大阪が高い位置でボールを奪取し、ショートカウンター発動。一気に前へ進み、ペナルティーエリア手前右から中央のファン・ウィジョへパス。左からオーバーラップしてきたFW倉田へボールが渡ると、鋭いステップから最後は右足でシュート。ボールはGKクの手の横を通っていくもカバーに入っていたDFキム・ミンテが体勢を崩しながらも間一髪クリア。最後の所で踏ん張り失点は回避する。

 大阪ペースだったが試合を決めるゴールは札幌に生まれる。後半27分、途中出場のMF荒野がチャナティップとのワンツーでペナルティーエリア内へ侵入。ボールが少しずれるも荒野はなんとかGKの前でさわり、ボールをキープ。荒野は後ろにいたMF駒井へバックパスを送り、駒井はワンタッチシュート。これはGKにはじかれるもセカンドボールを自ら拾って中央へクロスを入れる。これに反応したのがエース都倉。難しい体勢も体をうまくひねったオーバーヘッドを繰り出すと、ボールはループ気味にゴールに吸い込まれた。都倉の代名詞でもある身体能力を生かした今季5点目で、2点リードとする。

 札幌はその後追加点には至らなかったが、集中した守備で大阪の攻撃を最後までシャットアウト。聖地厚別に集まった12,382人の前で2−0の快勝を飾った。これで札幌は、7勝4分け2敗、勝ち点を25に伸ばし、順位は3位をキープしている。
 
 札幌の次の試合は5月9日に行われるJリーグYBCルヴァンカップ第5節。ホームの札幌厚別公園競技場でJ2のヴァンフォーレ甲府と対戦する。

 (写真はいずれも5月5日、札幌厚別公園競技場、撮影・石井一弘)


 上写真/前半10分、札幌MF三好のクロスにFW都倉(9番)が飛びこんでG大阪のGK林(23番)と接触、林が頭部を負傷し治療のため試合が7分近く中断となる。中央G大阪DFファビオ(3番)、左端札幌MFチャナティップ(18番)


 上写真/前半39分、先制ゴールを決めて喜ぶ札幌MF深井(右)、中央FW都倉(9番)、左にチャナティップ。左端G大阪DFファビオ(3番)、右下頭部の包帯も痛々しく、ゴールに吸い込まれたボールを悔しそうに見つめるGK林


 上写真/前半追加タイム6分、G大阪FWファン・ウィジョ(11番)のシュートをクリアする札幌GKク・ソンユン(25番)、ボールは後ろのゴールポストに当たりピッチに戻ってきてゴールならず。左から札幌DF福森(5番)、進藤(35番)、キム・ミンテ(20番)、右端FW都倉(9番)、25番はG大阪FW藤本


 上写真/後半13分、G大阪DF三浦(5番)と競ってキープした札幌FW都倉(9番)からのボールを受け、前線に駆け上がるMF深井(8番)。こういったコンビネーションの良さが、現在の札幌の強さか? 左端MF宮澤(10番)、右後方DF福森(5番)


 上写真/後半27分、札幌MF駒井の右からのシュートのこぼれ球を再び駒井が拾ってクロスを上げ、FW都倉(9番)がG大阪DFオ・ジェソク(中央奥)と競りながらオーバーヘッドで追加点を決める。右MF深井(8番)


 上写真/後半27分、追加点を決め背中に飛び乗ったDF進藤(35番)を背負ったままスタンドに近寄ったFW都倉に対しサポーターたちは歓喜、祝福した


 上写真/後半36分、札幌左CKからMF宮澤(10番)、DFキム・ミンテ(20番)らが怒涛の攻撃、左MF深井(8番)


 上写真/後半追加タイム3分、G大阪の左クロスからの攻撃に、DF三浦(5番)と競りながら守る札幌GKク・ソンユン(25番)とDFキム・ミンテ(20番)。右端カバーするDF福森、左端途中出場のG大阪FW長沢(20番)


 上:左側写真/後半36分、札幌左CKからの攻撃に「行け、行け!」とばかりにゲキをとばすペトロビッチ監督
 上:右側写真/前半14分、札幌FW都倉と接触して負傷し、治療中のGK林の様子を心配しながら控えの17歳GK谷(左)に指示を与えるG大阪のレヴィー・クルピ監督(右)

■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメント
 「今日のゲームは相手も含め素晴らしいゲームになったと思います。前半、我々は前からプレスを仕掛けることを強調し、それがよく出来ていたと思います。そういう中で先制点を取れて折り返しましたが、そういう意味でも前半は良かったと思います。後半は相手が高さのあるFWを入れて2トップにしてきた。その中で向かい風もあったが、押し込まれる展開が続きました。中盤でなかなか捕まえ切れない選手がでてきたので、2トップ3ボランチのような形にして、その中で追加点が取れて良かったと思います。

 やはり今日のゲームも選手たちは気持ちを前面に出してくれましたし、サポーターが後押しをしてくれました。チームの一体感が我々の強さだと思いますし、最後まで声援をしてくれたサポーターに感謝したいですし、頑張った選手にも感謝しています」

―ホームゲームだから前からプレスを仕掛けたのか?
 「毎試合、状況は異なります。相手も異なります。(前節)鳥栖戦とガンバ戦はやはり内容は違います。我々の状況も違います。今日は相手が後ろからビルドアップをしてきますから、自分たちのゴールから遠ざけていくことを考えてプレーをしました。今日に関してはそういう戦い方を選択しました」


■ガンバ大阪のレヴィー・クルピ監督のコメント
 「両チームともにフィジカル的にタフに戦い抜いた試合だったと思います。その中で札幌がチャンスをしっかり決めたということで、札幌が勝つにふさわしい内容の試合をしたと思います」

―札幌のクロスに苦しんだ印象だが?
 「札幌が非常にクロス攻撃が多いことは分析していた。指示もしていたし、対応も出来ていたと思っています。ただし、やはりチャンスを決め切るというところで、札幌に力があったということになると思います」
編集部 写真はいずれも石井一弘撮影