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J1第10節(4月25日)、札幌が横浜に2−1の逆転勝利で7戦負けなし

18・04・27
 北海道コンサドーレ札幌は4月25日にホームの札幌厚別公園競技場で横浜F・マリノスと対戦。札幌は前半の終了間際、セットプレーから横浜DF金井に決められ1点を追いかける展開に。後半、札幌はFW都倉のゴールで追い付くとさらにDF進藤のヘディングシュートで逆転に成功。そのまま聖地厚別の風に乗った札幌が2−1の逆転勝利をあげた。

 前節から中3日で行われたこの一戦。連戦の真っただ中だったが、札幌が1人、横浜が2人を入れ替えるのみと、両チーム共に前節のドローゲームから大きな変更は無くキックオフ。

 試合は前半、小雨で濡れたピッチを生かすように早いパスをつなぎ、互いにボールポゼッションを大事にする姿勢が見られる。先手を取ろうとしたのは横浜、前半3分に横浜のFWウーゴヴィエイラが頭でファーストシュート。これは札幌GKクが防いだが、前節でハットトリックを決めているこのポルトガル人FWをどう対処するかも重要なタスクとなる。

 札幌の攻撃は前半8分、左サイド敵陣深くからMF菅がクロスを入れるとボールは大外で待っていたMF三好まで流れる。三好はペナルティーエリア内でふわりとしたボールをあげ、MF宮澤がヘディングで合わせるもボールは枠の外。
 
 どちらに転ぶか分からない展開だったが、前半終了間際の44分に試合が動く。横浜の左からのCKをMF天野が左足でゴールから逃げていくボールを送る。これをDF中澤がペナルティーエリア中央から外へ大きく逃げてフリーとなり頭でボールを中へ折り返す。ぽっかりと空いたスペースに金井が頭から飛び込み角度を変える先制点。札幌はゴール前で相手選手を2度もフリーとしてしまう連携ミスが響き、1点ビハインドで試合を折り返す。

 前半嫌な時間帯の失点だったが、ハーフタイムでしっかりと気持ちを切り替えた札幌が、後半開始早々に同点とする。後半4分、敵陣中央からDF福森が左足で鋭いアーリークロスを都倉へ送る。都倉はペナルティーエリア内でボールを収めると、寄せてきた相手DFを切り返しでうまくかわし、最後は右足でシュート。これがゴールネットを揺らし試合を振り出しに戻した。

 勢いに乗ったホームの札幌は後半21分、菅が激しいプレスから高い位置でボールを奪い、一気に左サイドを突破しクロスを供給。すると後方から勢い良く走り込んできた進藤が、相手DFをものともしない豪快なダイビングヘッドで叩き込む逆転ゴール。進藤はDFながら今季3得点目と、サポーターを湧かせてみせた。

 その後は横浜の時間帯が続くも、札幌はその上をいく集中した粘り強い守備で得点までは許さない。後半アディショナルタイムには、ペナルティーエリア手前から横浜直接FKからのシュートもGKクが体を伸ばし切って間一髪セーブ。ボールはスピード、コース共に申し分なかったがクのスーパーセーブで乗り切り、聖地厚別で2−1の逆転勝利を収めた。これで札幌は7戦負けなしと好調を維持し、勝ち点18で順位は4位をキープしている。

 次節札幌は4月28日にアウエーのユアテックスタジアム仙台で7位のベガルタ仙台(勝ち点15)と対戦する。

 (写真はいずれも4月25日、札幌厚別公園競技場、撮影・石井一弘)


 上写真/前半44分、横浜MF天野の左CKから、DF中澤がヘディングで折り返したボールをDF金井(右端)にヘッドで押し込まれ先制される。左へ札幌GKク・ソンユン(25番)、MF菅(38番)、FW都倉、DF福森(5番)、キム・ミンテ(20番)、左端横浜MF扇原(6番)。この写真で見てもぽっかりと空いたスペースとマークのずれがはっきりと分かる


 上写真/後半4分、札幌FW都倉の同点ゴールを呼ぶクロスを得意の左足で蹴り込むDF福森(5番)。左横浜FW仲川(19番)


 上写真/後半4分、札幌FW都倉(9番)がDF福森のクロスを受け、この後、左足の切り替えしから体を反転させ、右足で同点ゴールを決める。その左横浜DF山中(24番)、左端札幌MF駒井(14番)


 上写真/後半4分、同点ゴールを決め得意満面の札幌FW都倉(9番)


 上写真/後半21分、札幌MF菅(38番)が相手ボールをカットし左サイドを駆け上がり、DF進藤の逆転ゴールを呼ぶクロスを入れる。左横浜MF大津(9番)


 上写真/後半21分、札幌DF進藤(35番)が逆転ゴールを決めベンチ方向へ走る、その右MF三好(41番)、右端MF宮澤(10番)、左端チャナティップ(18番)


 上写真/後半21分、札幌DF進藤(35番)が逆転ゴールを決め、大騒ぎするベンチを横目にゴール裏サポーターに両手を広げてアピール


 上写真/後半追加タイム3分、横浜左CKからの攻撃、GK飯倉(21番)も上がって攻撃に参加するが、札幌の選手が懸命に守る。左からMFチャナティップ(18番)、駒井(14番)、DF石川(32番)、進藤(35番)、GKク・ソンユン(25番)、DFキム・ミンテ


 上:左側写真/後半4分、同点ゴールを決めたFW都倉を満面の笑みで迎える札幌のペトロビッチ監督
 上:右側写真/試合中、どっかとベンチに腰を下ろしたままだった横浜のアンジェ・ポステコグルー監督が先制点が決まった前半44分、飛び出して「どうだ!」と言わんばかりの表情

■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメント
 「今日の試合は難しくなると思っていました。相手は非常に危険なパスサッカーをするチームですし、実際に難しい試合になりました。(前節)浦和戦が終わってから翌日の練習後に残っている選手たちとこの試合へのプランに向けて話し合いました。理由は横浜(FM)が特別な戦い方をするチームだからです。そうした話し合いの中で二つのバリエーションを用意することにしました。

 今日の後半のやり方で90分を通して戦うのは難しいと私は思っています。試合前のプランでは0−0で後半に勝負をかけようと思っていました。ですが、後半は勝負に出なければいけなくなり、前からプレッシャーを掛けにいきました。1対1で対峙する場面が増えましたが、その中で逆転できたのは狙いどおりでした。

 私自身はチームや選手を褒めることに慎重なタイプの監督ではないが、開幕からの選手たちが見せてくれている頑張りには称賛を送りたいですし、サポーターを含めクラブ全体の頑張りが現在の成績につながっていると思います。中2日で仙台戦が待っています。今日は喜んでは良いが、明日からは切り替えていく必要があります」

―具体的に称賛を送りたい部分は。
 「私たちのトレーニングは非常に高いインテンシティーで行われています。頭も使います。それを毎日続けていくことは簡単ではないと思います。キャンプからも非常にハードなトレーニングをやってきました。連戦も想定に入れながらやってきました。選手が疲労をしているときのパフォーマンスもキャンプから見極めてきました。チーム全員が疲れている中でも、選手がやるべきことをやってくれているということ。どんな練習、試合でも100%でやってくれていることが、現在のチームの強さであり、それに対し敬意を示したいと思います。今日も劣勢でしたが、選手たちは信じてプレーをしてくれました」


■横浜F・マリノスのアンジェ・ポステコグルー監督のコメント
 「非常に残念な結果でしたが、選手たちは頑張ってくれたし、主導権を握れたし、チャンスもわれわれが多く作っていたと思います。ただ、クロスやカウンターのところなどで札幌の良さが出て、負けてしまったと思います」

―前半と後半で内容が変わった印象だが。
 「全体的には相手のファインセーブなどもありましたが、コントロールはできていたと思っています」

―5試合勝ちなしだが。
 「非常に残念な結果ですが、やり方を変えるつもりはありません。なかなか結果は出ていませんが、やり続けていきます。いまのサッカーを変えるつもりはありません」

編集部 写真はいずれも石井一弘撮影