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J1第3節(3月10日)、ジェイ先制も、清水に3ゴール奪われ逆転負け

18・03・11
 3月10日、待ちに待ったホーム戦開幕。北海道コンサドーレ札幌は、清水エスパルスを札幌ドームに迎えるも、攻守にちぐはぐ。FWジェイの先制ゴールを生かせず、連続の3失点。屋外には雪が残る中、駆けつけた19,390人の見守る前で、札幌が1−3の完敗を喫した。

 札幌は、前節C大阪戦で肉離れをおこしたキャプテンMF宮澤のところにMF兵藤を入れ、これまでのスターティングメンバーを基本に今季初勝利をかけた。対する清水は、1勝1分けのリーグ5位、直前のルヴァンカップでも勝利と今季負けなしで札幌ドームに乗り込んできた。

 試合は前半、札幌の狙い通りの展開に見えた。ボールポゼッション率を高めながら、相手の隙をうかがい、ワイドな展開でゴールを目指す。狙い通りの攻撃が実ったのは、前半15分。左サイドから一気に右サイドへの大きな展開から、ウイングバックに入ったMF駒井にボールが入る。トラップをした駒井は、落ち着いて中の状況を見ながら、ファーサイドにピンポイントクロスを送る。ジェイは一瞬、中に入るフェイクからファーでフリーとなり、ドンピシャの豪快ヘッドでゴールに突き刺した。

 一気にドームのボルテージが上がり、勝利への期待も高まったが、清水は慌てなかった。徐々に流れを引き戻すと前半26分、札幌の左サイドを崩し、縦へ抜けた清水MF金子がワンタッチでクロスボールを入れる。中央に走り込んだFWクリスランはうまいターンで札幌DFと入れ替わり、左足でゴールに流し同点。1−1の振り出しで試合を折り返す。

 後半、追加点を狙う札幌だったが、開始早々の3分に清水に突き放される。清水DF松原に札幌右サイド深くまでドリブル突破を許し、グラウンダーのクロスが入る。この瞬間ゴールエリア内でノーマークとなった金子が左足ワンタッチで楽々ゴールに押し込んだ。

 リードされた札幌は、後半21分にMF深井に代え、FWヘイスと攻撃のスイッチを入れにかかる。しかし直後の22分、清水MF河井に右足アウトサイドにかけたスーパーなミドルシュートを決められ、2点ビハインド。

 終盤に向け札幌は、MF荒野、FW都倉の2枚を一気に投入。高さのあるジェイ、ヘイス、都倉の3トップとするも、前線に効果的なボールは入らない。低い位置でボールを回すが、中盤、前線との距離感も悪く、簡単にボールを失うシーンが目立つまま1−3でタイムアップ。ホームでも今季初勝利とはならなかった。

 試合を通して見ると、先制するまでは良かったが、じっくりと攻める遅攻か、前線の高さを生かす早い攻撃なのか、はっきりとしない時間が多かった。しかし、昨季つかんだ堅守速攻型から、ミシャ流攻撃的サッカーへの変貌は簡単ではないのは当然のこと。今は雪解けと暖かい春を待つように我慢しながらチームの成長と勝ち点3の桜を待とう。

 札幌の次の試合は、ルヴァンカップグループステージ第2節(3月14日、札幌ドーム)ジュビロ磐田戦を挟み、3月18日に札幌ドームでV・ファーレン長崎とJ1リーグ第4節を戦う。

 (写真はいずれも3月10日、札幌ドーム、撮影・石井一弘)


 上写真/前半15分、清水DFフレイレ(4番)のマークをかわし、札幌FWジェイ(48番)がMF駒井の右からのクロスに合わせてヘディングシュートを決め先制


 上写真/前半15分、先制ゴールを決めた札幌FWジェイ(48番)が指を突き上げて得意げ。後ろはMF三好(41番)


 上写真/前半15分、先制点を決めた札幌FWジェイ(48番)に跳びついて喜ぶアシストしたMF駒井、左に三好、菅(38番)、チャナティップ(18番)、進藤(35番)も駆け寄る


 上写真/前半26分、清水FWクリスラン(右から2人目)に巧みな反転から同点ゴールを決められる。札幌の選手は左からMF深井(8番)、三好(41番)、GKク・ソンユン(25番)、DFキム・ミンテ(20番)、進藤。清水の選手はFW北川(23番)、MF竹内(6番)


 上写真/前半39分、札幌MF駒井(14番)が清水DF松原(25番)をかわしてドリブルで駆け上がる、左はMFミッチェル・デューク(19番)


 上写真/後半14分、清水のFKを壁を作って守る札幌の選手たち、左2人目からFWジェイ(48番)、DFキム・ミンテ、進藤(35番)、下にMF菅(38番)、キャプテンマークを付けた兵藤、右端に駒井(14番)。清水の選手はDFファン・ソッコ(3番)、MF河井(17番)、竹内(6番)、金子


 上写真/後半22分、清水MF河井の追加点にガックリする札幌の選手、左からDF福森(5番)、MF兵藤(6番)、GKク・ソンユン(25番)、MFチャナティップ(18番)。清水のMFデューク(19番)とFWクリスラン(20番)は喜んでベンチ方向に走り出す


 上写真/後半途中から出場した札幌FW都倉(9番)、ヘイス(右端)が後半44分、清水のゴール前に迫るもシュートまではいけず


 上:左側写真/終始大きなジェスチャーで選手を鼓舞する札幌のペトロビッチ監督、後半27分の時は踊っているかのようにも見えた
 上:右側写真/後半3分の金子の逆転ゴールに大騒ぎの清水ベンチで、皆を静めようとするヤン・ヨンソン監督(中央)

※北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメントは、本サイト左にある「コンサドーレ公式ホームページ」バナーから、「エンタメ」ページの「試合レポート」でご覧いただけます。

■清水エスパルスのヤン・ヨンソン監督のコメント
 「札幌はさすがにつないでくるサッカーをうまくやってくるという印象を受けました。私たちも前半はそれに戸惑うところもありましたが、15分ほど経ってからは距離感も良く、うまく対応できていたと思っています。試合が流れるにつれて、後半は修正もでき、選手たちも献身的にプレーしてくれたと思います。前半は追いかける展開でしたが、徐々に試合のペースがこちらにきたと思いますし、相手も次第に疲れていったと感じました。札幌が良いサッカーをしてくる中で、守備をうまく立て直すことができたのが勝因になったと思います」

編集部 写真はいずれも石井一弘撮影