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J1第2節(3月2日)、昨季2冠のC大阪相手に壮絶な打ち合いでドロー

18・03・06
 北海道コンサドーレ札幌は3月2日、アウエーのキンチョウスタジアムでセレッソ大阪と対戦。前半、C大阪に2点を奪われる苦しい展開も、後半、札幌が反撃開始。タイ代表MFチャナティップとMF深井の連続ゴールで同点。振出しとなったゲームはC大阪FW柿谷のゴールで突き放されるも、最後はセットプレーからDF進藤が決めて3−3の引き分け。札幌の3発はすべてヘディングで、決めた3選手そろってJ初ゴールという珍しいおまけ付きに、遠路駆け付けたサポーターもよろこんだ。

 今季より新たな試みとして導入された「フライデーナイトJリーグ」。平日夜に開催されたこの日は10,415人が集まり、札幌は昨季ルヴァンカップと天皇杯を獲得した強豪相手にアウエーで挑んだ。

 試合は開始からホームのC大阪が主導権を握る。ボールポゼッションを試みる札幌に対し、途切れないプレスをかける厳しいディフェンスを見せる。ボール奪取後は、個の能力を生かした鋭い攻撃で札幌ゴールを脅かし続けた。

 すると前半27分、勢いそのままにC大阪が試合を動かす。左サイドからC大阪FW高木が低い弾道のクロスを送ると、中央で待っていたC大阪FW杉本がボールを収め、うまく反転しながら右足でシュートを放ち先制。

 流れに乗ったC大阪は前半43分、札幌陣地でボールを奪うと一気にショートカウンター発動。ボールを受けた柿谷がドリブルでペナルティエリアに侵入、札幌DFを引き付け、交差する形で走りこんできた高木に足の裏バックパスでアシスト。これを高木が右足で蹴りこみ追加点。札幌はリードを2点に広げられ前半を終える。

 札幌は後半開始からMF宮澤に代えてMF兵藤を入れ、攻撃的な姿勢で入る。流れが徐々に札幌に傾いた後半17分、ついに反撃ののろしを上げる。右サイド深くでボールを持ったMF三好が左足でゴールに向かう鋭いセンタリングを送ると、GKとDFの間にタイミングよく走りこんできたチャナティップが頭で合わせ1点差に。

 余裕の無くなったC大阪は交代カードを切るなど体制を整えようとするが、札幌の勢いは止まらない。後半24分、フリーキックの流れから右サイドでバックパスを受けたMF駒井が右足ワンタッチでアーリークロス。これを中央で待っていた深井が打点の高いヘディングでC大阪ゴールに流し込み同点に追いつく。

 しかし札幌が喜んだのも束の間、直後の後半27分に、今度はロングカウンターから失点を許す。C大阪陣内へ攻め込んでいた札幌がC大阪MFソウザにボールを奪われ、前線のC大阪杉本に長いスルーパスが入る。杉本は広大なスペースを確認しワンタッチで反対サイドでフリーとなっていた柿谷へラストパス。柿谷は札幌GKク・ソンユンの股下を抜く冷静なシュートで追加点。札幌は再びリードを奪われた。

 それでも諦めない札幌はボールを保持しながら粘り強く攻撃を繰り返す。すると後半34分、右サイドからのコーナーキック獲得。蹴るのはもちろんDF福森。精度の高い左足から放たれたボールに、相手DFより頭一つ飛び出した進藤がヘディングシュート。地面に叩きつけたボールはC大阪GKキム・ジンヒョンの手をかすめゴールに吸い込まれ、3−3の同点。

 ホームのC大阪は、最後まで勝ち点3を奪いにかかるが、札幌は一歩も引かずに攻撃的に対抗。終盤に向け、互いにチャンスはあったもののそのままタイムアップ。動きの激しい試合となったが、今季の札幌の戦い方と方向性が示された価値あるドローゲームだった。

 札幌の次の試合は、ルヴァンカップグループステージ第1節(3月7日、山梨中銀スタジアム)ヴァンフォーレ甲府戦を挟み、3月10日に札幌ドームでホーム開幕戦となる清水エスパルスとJ1リーグ第3節を戦う。

 (写真はいずれも3月2日、キンチョウスタジアム、撮影・石井一弘)


 上写真/前半27分、C大阪のFW杉本に先制ゴールを決められガックリの選手たち。顔を覆うDFキム・ミンテ(20番)、両手を広げて嘆くGKク・ソンユン(25番)、手を頭にやるキャプテンMF宮澤(10番)。C大阪の選手は左端FW柿谷(8番)、ガッツポーズのDF木本(15番)、右端キャプテンMF山口


 上写真/前半30分、札幌に新加入のMF三好(41番)はC大阪MFソウザ(11番)、DF丸橋(14番)の間をドリブルで突破していく。後方は同じく新加入のMF駒井


 上写真/後半24分、札幌MF深井(右端の8番)が駒井のクロスに、C大阪DFマテイ・ヨニッチ(22番)と競りながら頭で合わせて、自身リーグ戦初ゴールとなる同点弾を決める。左端DFキム・ミンテ(20番)、中央進藤(35番)


 上写真/札幌が同点としたわずか3分後の後半27分、C大阪のエース柿谷に追加点を決められ肩を落とす札幌GKク・ソンユン(左端)、頭をかかえるMFチャナティップ(18番)、深井(8番)、ピッチに大の字となっているDFキム・ミンテ(右端)。ゴール裏のC大阪サポーターは大喜びだ


 上写真/後半34分、札幌右CKからDF福森がいれたボールに、進藤が高い打点のヘディングシュートを決め再び同点に持ち込む、進藤もリーグ戦初ゴール。進藤の左MF菅(38番)、左、C大阪MF山口(6番)


 上写真/後半34分、札幌DF進藤(35番)が同点ゴールを決めベンチ方向へ走り出す、同時にMF深井(8番)、チャナティップ(左端)も笑顔で追いかける。リーグ戦初得点の3選手がそろった


 上写真/後半38分、札幌右CKからの攻撃でC大阪GKキム・ジンヒョン(21番)がファンブルしたボールに札幌DFキム・ミンテ(20番)が押し込もうとするが、ゴールには届かず。ミンテの左C大阪MF水沼(7番)


 上写真/強豪C大阪にアウエーで3−3と引き分け、サポーターにあいさつする札幌の選手たち


 上:左側写真/後半20分、大きなジェスチャーで選手に指示を出す札幌のペトロビッチ監督、後方にC大阪の尹晶煥監督
 上:右側写真/前半40分、大声で選手たちを鼓舞するC大阪の尹晶煥監督

※北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメントは、本サイト左にある「コンサドーレ公式ホームページ」バナーから、「エンタメ」ページの「試合レポート」でご覧いただけます。

■セレッソ大阪の尹晶煥監督のコメント
 「大勢の方々に足を運んでいただきましたけど、良い結果で終わることができなくて、申し訳なく思います、前半は良い試合を見せることができたと思いますが、後半は違うチームになってしまう姿が見られました。

 後半に入る前に、「2−0は危ないスコアだ」という話をしましたけど、それが現実になったと思います。後半に入ってから相手が強く出てくるのは予想しましたけども、前線でのキープがうまくいかなくて、試合運びもうまくいきませんでした。もちろん、意欲を持ってやろうとする姿は見せたのですが、相手に試合の流れを奪われたことは僕らが反省しないといけないところです。

 こんなに大量失点してしまったのは久しぶりですが、失点した部分を見直して、修正しないといけません。90分間サッカーをやらないといけないのですが、良くて派手なプレーは45分しかなかったと思います。それを90分間できる力をつけることが大事だと思います。引き分けで満足できるような試合ではなかったと思いますし、勝つ努力をしないといけません。精神的にも体的にもキツくなってくると思いますが、僕らは勝ち抜いていかないといけません。これを乗り越えることで、良いチームに変貌することができるのではないかと思います」

編集部 写真はいずれも石井一弘撮影