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J1第31節(10月29日)、ホームで健闘するも首位鹿島に1−2で敗れる

17・11・02
 北海道コンサドーレ札幌は10月29日にホームの札幌ドームで鹿島アントラーズと対戦。試合は前半スコアレスも、後半開始早々に鹿島のMF三竿が先制点をあげる。札幌は途中出場のMF兵藤のゴールで同点としたが、最後は鹿島のMF金崎に決勝点を決められ、1−2で惜敗した。

 札幌は直近の柏戦とF東京戦で連勝。チームが上向きで、ホームの約2万8千のサポーターと共に首位の鹿島を迎え撃つ形となった。リーグ終盤戦、他チームの状況にもよるが札幌は勝利で残留確定を狙い、対する鹿島は勝ち点2差で2位に付ける川崎フロンターレをにらんでの一戦となった。

 試合は、立ち上がりから首位の鹿島がアグレッシブなプレーを見せる。中盤のMFレオ・シルバを中心に攻撃の起点を作り、MFレアンドロ、金崎が札幌ゴールを脅かす。札幌はハードワークと組織的な守備で鹿島の個の力に対応していく。

 前半29分には、鹿島MF土居がハーフウェーライン付近で札幌の最終ラインDFからボールを奪取しドリブルで独走。ペナルティーエリア内でのパス交換から、最後はレアンドロが切り返しでDFをかわし右足でシュートを放つも、札幌GKクが必死にはじく。これがゴールエリア内の混戦となりあわや失点という場面も、札幌MF宮澤が倒れ込みながら、なんとか足でかき出し間一髪で防いだ。札幌は攻め込まれながらも前半0−0で粘る展開に。

 しかし札幌は後半開始早々に鹿島に先制点を許す。後半2分、鹿島が中央やや右から左サイドへロングボールで大きく展開。敵陣深くに入り込んだDF山本がヘディングでペナルティーエリア内へボールを折り返す。待っていた金崎はボールを受けると粘り強くキープし、ボールがこぼれる。このこぼれ球にいち早く反応した三竿がワンタッチシュートでゴールをこじ開けた。

 後半12分も鹿島の攻撃、スルーパスに反応した金崎が右サイドを駆け上がりペナルティーエリア右から中央へ走り込んできた土居へパスを送る。土居はワンタッチでシュートを放つもクがビッグセーブを見せピンチを救う。

 ピンチを防いだ直後の後半15分、札幌に待望の同点ゴールが生まれる。左CKをDF福森が得意の左足で蹴り込む。ボールはニアサイドでクリアにあうも、こぼれ球を交代で入ったばかりの兵藤がショートバウンドのボールを右足のボレーで見事なゴール。兵藤はこれがファーストタッチと、四方田采配がズバリ当たった。

 このまま勝ち点1でもと、頭をよぎりかけた後半25分、鹿島に決定的な追加点を奪われる。鹿島山本がペナルティーエリア手前からスルーパスを送ると、反応した金崎は左の角度がない場所からつま先で触るスライディングシュート。ボールはクの横をすり抜けゴール、札幌は1点ビハインドとなる。

 その後は4分のアディショナルタイムを含め、再度同点を目指した札幌は攻勢を強めるも、鹿島にうまく試合を運ばれ1−2のままタイムアップ。首位相手にホームで奮闘したが、5戦ぶりの黒星となった。

 これにより札幌は勝ち点34のままで順位も13位変わらず。最下位新潟(勝ち点19)が勝利したものの、16位広島(同27)、17位大宮(同24)が負けのため降格圏との勝ち点7差は縮まらずに済んだ。

 次節札幌は11月18日にアウエーのIAIスタジアム日本平で14位の清水エスパルス(勝ち点31)と対戦する。

 (写真はいずれも10月29日、札幌ドーム、撮影・石井一弘)


 上写真/前半29分、鹿島MFレアンドロのシュートを札幌GKク・ソンユン(左から3人目)がはじき、こぼれたボールをMF宮澤がオーバーヘッド気味に足で蹴り出してクリア。札幌の選手はDF横山(2番)、菊地(15番)、MFチャナティップ(18番)、石川(32番)、鹿島の選手は中央FW金崎(33番)、MF三竿(20番)


 上写真/前半32分、右サイドをドリブルで駆け上がった札幌FW都倉(9番)がペナルティーエリアの中に攻め込むが、鹿島MFレオ・シルバ(4番)に阻まれ、最後はGK曽ヶ端(21番)がキャッチ。鹿島DF植田(5番)、昌子(3番)は強力で、左端札幌FWジェイ(48番)も封じ込まれた


 上写真/前半35分、GKからのロングボールをジャンプして競り合う札幌MF荒野(27番)と元札幌で鹿島DF西(22番)、共に札幌U−18の出身選手


 上写真/後半2分、鹿島MF三竿の先制ゴールに喜ぶFW金崎(33番)、MFレオ・シルバ(左から2人目)、右端DF植田。札幌の選手GKク・ソンユン(25番)、DF横山(2番)、MF宮澤(10番)はガックリ


 上写真/後半15分、札幌の左CKからの攻撃で鹿島FW金崎のクリアしたボールを札幌MF兵藤がファーストタッチで決め同点とし、両手を広げてベンチ方向へ走り出す。鹿島MF遠藤(25番)は天を仰ぎ、FWレアンドロ(11番)はうなだれる


 上写真/後半25分、鹿島DF山本の縦パスをFW金崎(33番)が滑り込みながらシュートを決める。結果的にこれが決勝点となった。札幌DF横山(2番)、菊地(15番)も完全に裏を取られている


 上写真/鹿島に敗れて、この日でのJ1残留決定ならずでガックリの札幌の選手たち。左からFWジェイ(48番)、MFチャナティップ(18番)、FW金園(22番)、その後方にMF早坂(26番)、キャプテンMF宮澤(10番)、小野(44番)、石川(32番)、DF横山(2番)、福森(24番)、GKク・ソンユン(25番)。ジェイは「負けたのは自分のせい」といった感じで終始うつむいていた


 上写真/試合終了後、札幌MF小野(44番)のところにやってきた鹿島MF小笠原が元日本代表同士の握手をしていた


 上:左側写真/後半22分、「あれはないんじゃないの?」とばかりに第4の審判に抗議する札幌の四方田修平監督
 上:右側写真/前半42分、副審に笑顔で何事か話しかける鹿島の大岩剛監督

※北海道コンサドーレ札幌の四方田修平監督のコメントは、本サイト左にある「コンサドーレ公式ホームページ」バナーから、「エンタメ」ページの「試合レポート」でご覧いただけます。

■鹿島アントラーズの大岩剛監督のコメント
 「試合を通じて、非常にゲームコントロールできた90分だったんじゃないかと評価しています。札幌さんが前半からタイトに、アグレッシブにやってきたので、そこを受けてしまった部分はありますけど、うまく自分たちでコントロールできて、自分たちの流れに引き戻したんじゃないかと感じています」
編集部 写真はいずれも石井一弘撮影