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J1第25節(9月9日)、札幌ヘイスの3戦連続弾で磐田に逆転勝利

17・09・11
 北海道コンサドーレ札幌は9月9日にホームの札幌ドームでジュビロ磐田と対戦。前半にPKから先制点を許した札幌はFW都倉のゴールで追いつく。後半にはFWヘイスが3試合連続ゴールで逆転に成功、そのまま2−1で今季初の連勝を決めた。

 札幌は前節の仙台戦を1−0と勝利。昨年のJ2リーグ優勝を思い出させるような堅い守備からのウノゼロで、サポーターからは連勝への期待が高まった。注目はFWのジェイとヘイス。ジェイはベンチスタートとなったが古巣戦であり、ヘイスは好調を維持し2試合連続のゴール中。また、代表戦から帰ってきたMFチャナティップも今や札幌の攻撃の中心と言って良い程の活躍を見せている。対する磐田は、ここ4試合負けなし(2勝2分け)で順位を6位に上げており、自信を持ってドームに乗り込んできた。

 試合は前半、札幌の守備の組織、ハードワークが光る。前節を体調不良で欠場していた磐田MF中村を中心としたパス交換にもしっかりと対応。磐田にリズムを作らせずに札幌ペースで試合が進む。

 前半15分、札幌の右CK。DF福森が入れたボールはクリアにあい高々とファーサイドに流れる。これに反応したのがDF横山、難しいボールだったが最後はうまく体をひねってワンタッチシュートを放つも枠の外。

 前半23分は磐田の攻撃。中村がペナルティーエリア手前左から右足であげたクロスが競り合いの中、札幌DFに当たりボールはゴールへ一直線。これをGKク・ソンユンは逆をつかれながも体と右手を目一杯伸ばしライン上でボールをかき出す。直後、こぼれ球から今度はグラウンダーのクロスを入れられ、MFムサエフにフリーのシュートを打たれるも、またもクがビッグセーブで得点を許さない。

 しかし前半26分、磐田FW川又からのパスがMFアダイウトンに渡り、ペナルティーエリア内で宮澤と接触し、これがPKの判定。このPKを前半28分に川又に決められ1点ビハインド。

 ホームで負けられない札幌は前半40分、MF早坂が右サイド深くに侵入しクロスを供給。DFに当たって少し変化したボールはファーサイドまで流れ、予期したかのように走り込んできた都倉が左足で冷静に合わせ同点。振出しで試合を折り返す。

 後半に入ってからは、互いに勝ち点3を目指し、より一層チームの特徴が見えるゲームとなる。磐田はラインを高く保ち中盤に厚みを持たせボールを保持しようとする一方、札幌はその高いラインの背後をシンプルに狙うという展開に。スコアが動かずにいると札幌は注目のジェイを投入。さらには終盤に向けMF小野を投入し、より攻撃的に磐田ゴールを目指す。

 するとこの采配がズバリと当たる。後半39分、磐田陣内中央でチャナティップが鋭い縦パスを小野へ入れる。小野はワンタッチで2列目から走り込んだMF石川へパス。ペナルティーエリア左から石川がグラウンダーのクロスを入れると最後はヘイスが倒れ込みながら右足で合わせゴール。ゴールに至るまでワンタッチが続く、流れるような逆転弾にドームも大いに沸いた。その後、集中力が増した札幌は、1点リードを守り切り2−1のままタイムアップ。ヘイスの3試合連続ゴールで勢いづいた札幌がJ1で2001年ぶりとなる連勝を飾った。

 これで札幌は勝ち点を26に伸ばし、下位4チームに勝利がなかったため勝ち点を引き離すことに成功している(降格ライン16位のサンフレッチェ広島は勝ち点20。2勝分開いた)。

 次節札幌は9月16日にアウエーの神戸総合運動公園ユニバー記念競技場で11位のヴィッセル神戸(勝ち点33)と対戦する。

 (写真はいずれも9月9日、札幌ドーム、撮影・石井一弘)


 上写真/前半26分、磐田MFアダイウトン(左下)の突進を札幌MF宮澤(10番)が止めるも、ファールと判定されPKとなる。GKク・ソンユン(25番)、MF兵藤(6番)、DF河合(4番)


 上写真/前半28分、磐田MF川又のPKを止められず勢い余ってデングリ返る札幌GKク・ソンユン(25番)、磐田MF中村(10番)はガッツポーズ。左札幌MF早坂(26番)、右DF河合(4番)


 上写真/前半40分、札幌FW都倉(中央)が右からMF早坂が入れたクロスを押し込み同点とする。磐田GKカミンスキー(21番)、左DF櫻内(5番)


 上写真/前半40分、同点ゴールを決めた札幌FW都倉(右)がアシストしたMF早坂とともに、先月末に誕生した第一子、長女を祝ってゆりかごダンスを披露

 上写真/後半24分、磐田MF中村(右から4人目の10番)のFKを札幌GKク・ソンユン(右奥)がはじき出してピンチをしのぐ。左から札幌DF河合(4番)、磐田FW川又(20番)、札幌DF福森、磐田DF小川、札幌FWジェイ、磐田DF櫻内(5番)、キッカー中村、札幌FWヘイス(11番)、MF石川(32番)


 上写真/後半39分、札幌FWヘイス(11番)が逆転ゴールを決め、起点となったMF小野(44番)と笑顔で走り出す、左端FWジェイ(48番)、ヘイスと小野の間はMFチャナティップ(18番)。右端磐田DF高橋(41番)


 上写真/後半43分、日本サッカーの一時期を担った札幌MF小野(44番)と磐田MF中村(10番)が同じピッチで顔をそろえた。交代出場の小野が起点となり、この日のヒーローは、逆転ゴールを決めた札幌FWヘイス(11番)となった


 上写真/後半45分、札幌FWヘイス(11番)が磐田MF川辺(40番)と激しくマッチアップ、右MF兵藤(6番)。ヘイスは逆転ゴールを決めるなど躍動し、この試合のMVPを獲得した


 上:左側写真/後半追加タイム4分、終了時間が過ぎていることをアピールする札幌の四方田修平監督
 上:右側写真/前半13分、大きな声で選手に指示を出す磐田の名波浩監督

※北海道コンサドーレ札幌の四方田修平監督のコメントは、本サイト左にある「コンサドーレ公式ホームページ」バナーから、「エンタメ」ページの「試合レポート」でご覧いただけます。

■ジュビロ磐田の名波浩監督のコメント
 「戦術、作戦という意味では、札幌のほうがシンプルに前に運んでサイド攻撃という、やりたいことができていたのではないかと思います。その結果、こうなったと。われわれも選手の意思の疎通はできていたのですが、パスの出し手のほうに問題があって、パスの出し直し、持ち直しがあって、コネているうちに相手にしっかり守備をされてしまった。その回数がこの数試合では一番多かったと思います。われわれもシンプルに攻めていれば、もっと効果的な攻撃ができていたのではないかなと思いますし、シュートも少なくなってしまいました。そこが反省点です」

編集部 写真はいずれも石井一弘撮影