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J1第11節(5月14日)、札幌がガンバに敗れ、ホーム無敗途切れる

17・05・16
 北海道コンサドーレ札幌は5月14日にホームの札幌ドームでガンバ大阪と対戦。試合は前半終了間際にG大阪MF藤本に鮮やかなループシュートを決められ0−1で折り返す。後半、札幌が同点のチャンスを逃していると、終了間際にG大阪MF泉澤がダメ押しゴール。0−2で敗れた札幌は、これで3勝3分け5敗の勝ち点12、順位は15位変わらずとなっている。

 今節の注目ポイントは、今季ホームで負けなしの札幌と、アウエーで負けなしの大阪という、内弁慶と外弁慶のどちらに土が付くかに耳目が集まり、札幌ドームには2万人以上もの観客がつめかけた。

 北海道に乗り込んで来た大阪は、5月9日にACLを戦ったため中4日のタイトなスケジュール。一方の札幌は10日のルヴァンカップグループステージ第5節が空き日となっていたため、コンディションをしっかりと整えてキックオフを迎えた。

 試合は、札幌の守備が整う前の前半1分にいきなりG大阪が仕掛ける。後方からのロングフィードをG大阪FW長沢が頭で落とすと走り込んで来たFW赤崎がうまいファーストタッチでペナルティーエリア内に侵入。左足でシュートを放つもこれは大きく枠の上。

 その後は、札幌がハードワークを軸に素早いプレスと球際の激しさを見せれば、対するG大阪はMF遠藤を起点に、札幌守備組織の網をかいくぐるように攻撃していく展開に。
 
 一進一退の攻防の中、先に試合を動かしたのはG大阪。前半終了間際の45分、遠藤から始まった攻撃はMF井手口にボールが渡り、ワンタッチで赤崎への縦パスで一気にスピードアップ。赤崎は走り込んで来た藤本へ落とすと、藤本は前線の長沢へ早い楔を入れトップスピードで裏へ抜け出す。壁パスの形でリターンを受けた藤本はGKの位置を確認しワンタッチの左足ループシュートを選択。ボールは名手ク・ソンユンも見送るしかない美しい軌道でゴールに吸い込まれた。時間の止まったような見事な得点シーンは相手を褒めたいところだが、失点の時間帯が悪く0−1で折り返す。

 ハーフタイムで気を取り直した札幌は後半6分に決定機を迎える。都倉がFW金園とワンツーでペナルティーエリア内右へ侵入しクロスを供給。このクロスボールは相手DFに渡るも札幌MF菅がペナルティーエリア内で取返しそのままシュートを放つ。GKを抜けたボールはカバーに入っていたG大阪DFファビオが体に当ててはじき出した。

 後半11分、札幌に再度決定機。右サイドからのクロスを都倉がヘディングシュートにいこうとするもG大阪GK東口が飛び出してパンチングでクリアー。こぼれ球を菅がうまくボレーシュートで枠内に飛ばすがまたもゴール内にカバーリングしていた井手口にクリアーされ得点ならず。

 後半32分にも惜しい札幌の攻撃。敵陣中央左からFKを福森が蹴ると、一度は跳ね返されるもこぼれ球を途中出場の札幌MFマセードが今度は右からクロスを入れる。これはドンピシャで都倉の頭に合いゴールか、と思われたがオフサイドの判定。

 札幌が同点の機会を逃していると、試合巧者のG大阪に終了間際に引導を渡される。後半44分、大阪が中盤でボールを奪うと遠藤から途中出場のFWアデミウソンへ。ドリブルでボールを運んだアデミウソンは、同じく途中出場の泉澤へラストパス。泉澤はこのGKとの1対1を冷静にゴールへ流し込み、0−2のスコアでタイムアップ。札幌はホームで今季初の敗戦を喫した。

 ホーム無敗が途切れてしまった札幌だが、首位争いをしているG大阪相手にチャンスも作り、シュートも互いに11本を打ち合った。特に後半はゴール寸前の場面もあり、いつ同点となってもおかしくない互角の展開で、敗戦ながらも次につながる内容だったと言っていいだろう。

 次節札幌は5月20日にアウエーのデンカビッグスワンスタジアムで勝ち点5で最下位のアルビレックス新潟と対戦する。

 (写真はいずれも5月14日、札幌ドーム、撮影・石井一弘)


 上写真/前半11分、札幌GKからのロングボールがG大阪の選手と競ってタッチに出たが、相手ボールとの判定に抗議する札幌FW都倉(9番)、左MF早坂(26番)。都倉はこの日、自分のゴールも決まらず、イライラが目立った


 上写真/前半41分、G大阪の右クロスにMF藤本(25番)と競りながらクリアーする札幌MF菅(38番)、左GKク・ソンユン(25番)。藤本にはこの後、絶妙のループシュートを決められ先制される


 上写真/前半終了直前の45分、G大阪MF藤本に先制ゴールを決められぼう然とする札幌GKク・ソンユン。右へMF宮澤、DF横山、キム・ミンテ、MF荒野


 上写真/後半9分、FKを得た札幌は、ボールの所にいたDF福森(24番)とMF兵藤(右)のふたりに走り寄ったFW都倉(9番)が何事か話しかける


 上写真/後半37分、ボールをキープしようとするG大阪MF遠藤(7番)、倉田(10番)、FW長沢(20番)ら。その後ろに見えるのは、応援するG大阪サポーター陣営なのだが、制裁措置のためにドーム壁面には、垂れ幕などが一切なかった


 上写真/途中出場したG大阪MF泉澤(左端39番)に、後半44分追加点を決められる、札幌GKク・ソンユン。右手前にいるMF遠藤(7番)とFWアデミウソン(9番)につながれた失点だった


 上写真/後半44分、G大阪MF泉澤に追加点を決められ天を仰ぐ札幌DF横山(左端)、泉澤を止められずゴールを決められピッチに伏せるDFキム・ミンテ、ガックリと尻をつけるGKク・ソンユン


 上写真/G大阪戦で0−2と敗れ今季札幌ドームでの無敗記録が途切れ、ゴール裏サポーターにあいさつする札幌の選手たち。DFキム・ミンテがこの時になっても、まるで敗戦が自分の責任のように目頭を押さえていた


 上写真/試合終了直前の後半追加タイム4分、2点リードの余裕ながら時計をチラッと見るG大阪の長谷川健太監督(左)と戦況を見つめる札幌の四方田修平監督

※北海道コンサドーレ札幌の四方田修平監督のコメントは、本サイト左にある「コンサドーレ公式ホームページ」バナーから、「エンタメ」ページの「試合レポート」でご覧いただけます。

■ガンバ大阪の長谷川健太監督のコメント
 「予想していたとおり、非常にタフな試合になりました。そういう中で最後まで集中力を切らさず、全員がよく戦ってくれた。その結果が勝利につながったと思っています。サポーターもたくさん応援に来てくれましたし、そういう意味でも勝利ができて良かったです。5月に入ってまだ勝星がなかったので、勝利をプレゼントできて本当に良かったですし、これを次節にもつなげていきたいです」

編集部 写真はいずれも石井一弘撮影