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J1第10節(5月6日)、ホームで大宮に勝利。上位浮上のきっかけに

17・05・11
 北海道コンサドーレ札幌は5月6日にホームの札幌ドームで大宮アルディージャと対戦。試合は手堅く守りから入る両チームだけに均衡した状態で進む。後半、堅い展開の中、試合を動かしたのは札幌。CKからこぼれたボールを最後はMF宮澤が押し込み決勝点。自慢の守備組織も機能し1−0で完封勝利と、ホームでは負けない札幌の真骨頂を発揮した一戦となった。

 4月26日に行われたルヴァンカップでもホームで対戦していた札幌と大宮。その時は終了間際に追い付かれ勝ちを逃していた札幌は、今回はきっちりと勝利したいゲームだった。またリーグ戦でも札幌15位、大宮18位と、今後の残留争いでも重要な意味を持っていた。

 試合の立ち上がりは、大宮が前節で浦和とのダービーマッチを制した好影響もあってかセカンドボール奪取や球際での強さを見せていく。対する札幌は武器の一つでもあるセットプレーからチャンスを演出。前半23分には、札幌が得た敵陣中央右サイドからFK。キッカーのDF福森が左足でゴールに向かって行くボールを蹴る。キーパーが出られない絶妙なところに落とすと、札幌FW金園が飛び込み伸ばした足に当てるもこれは枠の外。

 大宮の決定機は前半28分。ハーフウエーライン付近から前線へ浮き球の縦パスから始まり、大宮FW江坂が頭で後ろへそらす。ボールはタイミング良く裏へ抜け出したFW瀬川へ渡り、ペナルティーエリア内で強烈な左足ワンタッチシュートを放つ。至近距離だったが札幌の守護神ク・ソンユンが両手ではじき、こぼれ球をMF早坂がクリアー、ピンチをしのいだ。

 惜しかった札幌の攻撃は前半41分。ペナルティーエリア手前でパスを受けた宮澤がうまいターンで時間を作り、斜めに走り込んできたFW都倉へスルーパス。都倉は深い切り返しでDFをかわして得意の左足でシュートを放つもサイドネットの外でノーゴール。スコアが動かないまま試合を折り返す。

 後半に入り先手を取ったのは札幌。後半13分、札幌の左CKを福森がゴールから逃げていくカーブのかかったボールを送ると、FW金園が打点の高い頭で合わせる。強烈なヘディングシュートは左ポストを直撃しゴールとはならなかったが、跳ね返ったこぼれ球を宮澤が素早く押し込み先制、1−0とする。

 追加点を狙う札幌は後半24分、MF荒野が敵陣右サイド奥深くからペナルティーエリア内で待ち構えていた都倉へふわりと高いクロスを入れる。合わないかと思ったボールだったが都倉は抜群のジャンプ力でヘディング。GKの頭上を越えるループ気味のシュートはゴールバーを直撃し得点には至らない。

 なんとか同点としたい大宮は攻撃的な交代で終盤に向け圧力を強める。後半43分、途中出場の大宮FWネイツペチュニクが右CKからのヘディングシュートはひやりとしたがバーの上。1点を守り切った札幌が完封勝利で貴重な勝ち点3を手にした。これで順位は15位変わらずだが、16位に勝ち点6差をつける12ポイントとしている。

 札幌は今季ホームゲーム無敗と相変わらずの勝負強さを見せつけ、リーグ戦では初の無失点ゲームとなる“ウノゼロ”( 1−0)で上位浮上へのきっかけをつかんだ。

 次節札幌は5月14日にホームの札幌ドームで3位のガンバ大阪(勝ち点19)と対戦する。

 (写真はいずれも5月6日、札幌ドーム、撮影・石井一弘)


 上写真/前半23分、札幌右サイドのFKからDF福森のゴール前に蹴ったボールに勢い良く飛び込む。左からMF荒野(27番)、FW金園、都倉(9番)、DFキム・ミンテ(20番)。金園のシュートは惜しくもバーの上を越える。大宮の選手は左からDF高山(25番)、金澤(23番)


 上写真/後半13分、札幌左CKからFW金園(22番)がヘディングシュート。これが、左ゴールポストに当たり跳ね返り、こぼれたボールに反応した宮澤(右から2人目)の先制点につながる


 上写真/後半13分、先制ゴールを決めた札幌MF宮澤(10番)がベンチ方向に走り出そうとしている。その後方MF菅、右端FW都倉(9番)は歓喜の雄叫びを上げる。大宮の選手はぼう然、左MF茨田(40番)、FW江坂(7番)、DF和田(22番)


 上写真/後半13分、先制点を決めた札幌MF宮澤(10番)を笑顔で迎え祝福するMFジュリーニョと石井(19番)、左からDF進藤(35番)、MF小野、右端MF前(16番)


 上写真/後半39分、札幌左CKからのボールをFW都倉(9番)がヘディングシュートしようとするが、一瞬早く大宮GK塩田にクリアされる


 上写真/後半追加タイム4分、大宮の猛攻をパンチングではね返す札幌GKク・ソンユン(25番)、中央DFキム・ミンテ(20番)、右へDF進藤、河合(4番)、左端FW都倉(9番)


 上写真/大宮を1−0で破りあいさつする札幌の選手たち。左から決勝ゴールを決めたキャプテンMF宮澤(10番)、後ろにDFキム・ミンテと進藤、MF前(16番)、その奥にDF河合(4番)、右へGKク・ソンユン(25番)、けがから復帰して途中出場したMFジュリーニョ(7番)、都倉(9番)、その後方MF早坂、荒野(27番)、DF福森


 上写真/大宮に1−0の完封勝利しあいさつに来た選手たちに熱烈な祝福を送るスタンドの札幌サポーターたち


 上:左側写真/後半13分、札幌MF宮澤の先制点の直後、気を引き締めるかのように厳しい表情を見せる四方田修平監督、左は水をとったMF兵藤
 上:右側写真/前半22分、水をとる札幌FW都倉(左)とMF宮澤(右)の間で「どうもいかんなあ!」といった感じで渋い表情の大宮・渋谷洋樹監督。渋谷監督と札幌の宮澤は室蘭大谷高校の先輩後輩の関係

※北海道コンサドーレ札幌の四方田修平監督のコメントは、本サイト左にある「コンサドーレ公式ホームページ」バナーから、「エンタメ」ページの「試合レポート」でご覧いただけます。

■大宮アルディージャの渋谷洋樹監督のコメント
 「ゴールデンウイークの中、われわれのファン・サポーター、札幌のファン・サポーターを含めてこのゲームをしっかり盛り上げてもらっていました。われわれが勝利を収められれば一番良かったんですが、今日も来てくれたファン・サポーターには本当に申し訳ない気持ちです。
 今日、札幌さんに勝点3を与えたことは非常に大きなダメージがありますが、リーグ戦3分の1が終わってまだ勝点4しかない。自分たちの思っていた勝点にも届かず、順位も届いていないが、ゲームは続きます。しっかりまた準備して、次に向かっていかなければいけないかなと思います。選手は必死にやってくれましたので、勝たせてあげられない私の監督としての責任はすごく感じています」

編集部 写真はいずれも石井一弘撮影