北海道コンサドーレ札幌は４月８日にホームの札幌ドームでＦＣ東京と対戦。試合はアウエーの東京ペースで始まり、東京ＭＦ東に先制される。慌てなかった札幌は前半４２分、ＣＫからＦＷジュリーニョが頭で合わせ同点。後半も札幌ペースとなり、ＦＷ都倉が決勝点をあげ、２−１で逃げ切りに成功。ホームで粘り強く戦い、見事な逆転劇でサポーターを喜ばせた。

　前節甲府との試合に敗れ、勝ち点４で１５位となっていた札幌が、勝ち点１０で５位につける東京をホームで迎え撃った。

　試合は、予想通り東京ペースで始まると、前半８分にスコアが動く。東京が右サイド深くから攻め込みＦＷ大久保が低いクロスを入れる。ニアサイドで東京ＭＦ中島が札幌ＤＦを引き付けながら頭でうまくボールを擦らすと、ゴール前で完全にフリーになった東へ渡る。東は落ち着いたトラップから右足で蹴り込み東京が先制。

　その後反撃に出る札幌は前半２９分、敵陣中央左サイドからＤＦ福森が得意の左足で正確なアーリークロス。これに都倉が打点の高いヘディングで枠ギリギリへ飛ばすも東京の日本代表ＧＫ林に右手一本ではじかれ惜しくも得点にはならず。ゴールの匂いを感じさせる札幌の攻撃が続く中、ついに前半４２分に同点に追い付くことに成功する。右ＣＫを福森がカーブのかかった早いボールを蹴り込むと、混戦の中ジュリーニョが頭ひとつ抜け出すヘディングシュート。東京ＧＫ林も飛び出してきたが、福森の早く鋭い球質に間に合わず、ボールは無人のゴールへと吸い込まれた。

　良い形で試合を折り返した札幌が後半も勢いを見せる。後半３分、右サイドからＭＦ早坂が低めのクロスを入れると相手にあたり軌道が変わったボールはゴール前に向かう。ゴール正面で一瞬フリーとなったジュリーニョがヘディングシュートを放つと東京ＧＫ林がなんとかはじく。こぼれたボールをＭＦ兵藤が詰めるも角度がなくＣＫに逃げられた。

　ホームで押せ押せの雰囲気の中、後半１４分に札幌が待望の逆転弾を奪う。札幌が右サイド深くのパス交換からＭＦ荒野が戻りながら左足でアーリークロスを入れる。都倉と縦関係となっていたジュリーニョが一度スルーし、都倉が落としたボールをジュリーニョが左足でシュート。これは東京ＤＦにブロックされるもこぼれ球を兵藤が拾い、ゴール正面でフリーになっていた都倉へ絶妙なパス。都倉はトラップから左足で冷静にゴールへ流し込み逆転に成功。ゴール後のパフォーマンスは指で８の数字を表現し、ひざのけがで長期離脱になってしまったＭＦ深井にエールを送った。

　その後東京は長いボールやクロスを多用するパワープレーに近い攻撃を展開。対する札幌は交代カードを使いながら、高い集中力と強固な守備ブロックで追加点を許さず試合終了。守りだけではなくシュートも計２０本放ち強豪相手に逆転と、勢いに乗る勝ち点３を手に入れた。

　Ｊ１昇格後、アウエーではまだ勝利がない札幌だが、ホームでは２勝１分けの負けなしと強さを誇る。これで札幌は２勝１分け３敗で勝ち点７、順位も１４位に上げた。

　次節札幌はホームの札幌ドームで、勝ち点１１で５位の川崎フロンターレと対戦する。

　（写真はいずれも４月８日、札幌ドーム、撮影・石井一弘）

　上写真／前半８分、東京ＭＦ東（左から４人目、おんぶされている）の先制ゴールが決まり喜ぶＦＷ大久保ら東京の選手たちを横目に、ぼうぜんとする札幌ＦＷ都倉（９番）とＧＫク・ソンユン（２５番）

　上写真／前半３９分、東京のエースＦＷ大久保（１３番）に前を向かせないようマークする札幌ＭＦ宮澤（１０番）と兵藤（６番）、左端ＤＦ横山（２番）

　上写真／前半追加タイム１分、ボールをキープした札幌ＭＦ荒野（２７番）の横を追い越すように、「ボールを出せ」と大声で叫びながら走るＦＷ都倉（９番）

　上写真／後半１４分、札幌ＦＷジュリーニョ（７番）のシュートが東京ＤＦ陣にあたりこぼれたボールをＭＦ兵藤（６番）が冷静にゴール前のＦＷ都倉へ逆転弾を呼ぶパスを出す。東京ＤＦ森重（３番）、ＭＦ梶山（１０番）

　上写真／後半１４分、札幌ＦＷ都倉（９番）がＭＦ兵藤のパスを受け、東京ＤＦ室屋（２番）をかわして逆転のゴールを決める

　上写真／後半１４分、逆転弾を決めた札幌ＦＷ都倉（９番）は、ＤＦキム・ミンテ（２０番）、ＦＷジュリーニョ（７番）、ＭＦ早坂（後方）の祝福を受けながら、中継のテレビカメラに向かって手で８をしめし、負傷したＭＦ深井にエールを送る

　上写真／後半１７分、札幌右ＣＫからの攻撃で、こぼれたボールをＭＦ早坂（２６番）が倒れながら押し込もうとするが、東京ＦＷウタカ（９番）が一瞬早くクリアする、札幌ＦＷ都倉（９番）がゴールをアピール

　上：左側写真／試合後、１人ゴール裏サポーターにあいさつする札幌ＧＫク・ソンユン（２５番）
　上：右側写真／同じく試合後に札幌のＧＫク・ソンユンは負傷したＭＦ深井のユニホームを着てサポーターにあいさつした

　上：左側写真／後半追加タイム３分、札幌が東京のゴール前に迫る攻撃で、ＭＦ田中のスローインの時に選手に立ち位置を指示する四方田修平監督
　上：右側写真／前半４１分、札幌の右ＣＫの攻撃前に大声で選手を鼓舞する東京の篠田善之監督

※北海道コンサドーレ札幌の四方田修平監督のコメントは、本サイト左にある「コンサドーレ公式ホームページ」バナーから、「エンタメ」ページの「試合レポート」でご覧いただけます。

■ＦＣ東京篠田善之監督のコメント
　「まずこの敗戦を、しっかりと自分たちの負けを受け止めて、どうやって立ち向かっていくか考えたい。この負けを招いた責任は非常に大きいと自分でも感じている。戦う部分、距離間、セカンドボール、いろんなところでノッキングしたのは事実。そこに立ち向かうためのトレーニングを積んでいきたい」