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J1第4節(3月18日)、広島相手に5シーズンぶりJ1での勝利をあげる

17・03・21
 北海道コンサドーレ札幌は3月18日にホームの札幌ドームでサンフレッチェ広島と対戦。試合は広島の細かいパスワークとポゼッションで押し込まれるが、札幌FW都倉が公式戦3戦連発弾で先制。その後、CKから広島に同点にされるも前半終了間際にはリスタートから広島にオウンゴールが生まれ札幌が勝ち越す。後半、札幌は追加点こそ奪えなかったものの2−1で逃げ切りに成功。今季J1初勝利をあげた。

 ここまでリーグ戦では未勝利同士の試合は、互いのスタイルが色濃く見える展開となる。3月15日のルヴァンカップで今季公式戦初白星をあげた札幌は良い流れでリーグ戦を迎え、堅い守備からの素早いカウンターで挑むという形がはっきりとしていた。対する広島は直近のルヴァンカップを持ち前のパスワークを発揮するものの引き分け。この試合でも自分たちのスタイルを崩さず、ボールを出し入れしながら札幌陣内に攻め込んできた。

 前半6分、広島がMFフェリペシウバのカットから決定的なスルーパスを通し決定機。広島FW工藤と札幌GKクの1対1となるが、クは工藤のシュートを大きく構えた右足にギリギリで当ててファインセーブで逃れる。

 押し込まれていた札幌だったが頼れる男が一気に流れを変える。前半12分、札幌が自陣深くからパス交換し、MF宮澤、MF深井とつないでボールはハーフウエーライン左に流れたMF兵藤へ。受けた兵藤は相手DFラインの裏へロングパス。抜け出そうとした都倉が相手の最終DFをはじき飛ばし、完全にキーパーと1対1の状況になる。これを確実に左足でゴールに流し込み先制点。相手をなぎ倒した都倉の強さが生み出した1発だった。

 しかし喜びもつかの間、前半21分に同点とされる。広島の左CK、フェリペが入れたボールをニアサイドにタイミング良く走り込んだDF水本にうまく頭で合わされ失点。札幌守備陣の一瞬の油断か水本への寄せが甘かった。

 ホームで負けるわけにはいかない札幌は前半終了間際の44分、広島陣内左に入ったところのFKを札幌DF福森が左足でファーサイドへ入れる。これを札幌DFキムが走り込み相手DFを振りきり中央へ折り返す。この処理のむずかしいボールが広島MF稲垣の足に当たりオウンゴール。札幌が1点リードで試合を折り返す。

 後半に入り、同点を狙う広島がボールを保持しながら攻勢を強めるも、札幌も堅守からのカウンターで追加点を狙う。札幌の決定的なチャンスは後半28分。広島陣内中央で宮澤が味方からのパスをうまく反転して前を向き、ペナルティーエリア手前の金園にパス。金園はドリブルで左へ運び最後は体を捻りながらファーサイドへクロスを送る。これに後ろから走り込んできた福森がフリーでボレーシュートを放つもGKにはじき出された。

 対する広島は後半30分に、広島MFミキッチがドリブルで右サイド奥深くまで侵入し絶妙なクロス。工藤がさわればゴールというシーンだったが、札幌キムが伸ばした足の先になんとか当ててCKへ逃げるファインプレー。

 その後広島は交代カードを使いさらに攻勢を強めるがこの耐える状況は札幌のお得意のもの。ベテランのMF河合投入しシステムも5−4−1へ可変させ守備ブロックを強化。約5分ものアディショナルタイムがあったが広島の猛攻を跳ね返し続けタイムアップ。2012年10月6日以来となるJ1での勝利となり、1万3千人近いサポーターと共に喜びを分かち合った。

 リーグ4戦目で勝ち点3をつかんだこの試合、データで振り返ると広島にシュートを23本も許しているが数字ほど大きなピンチばかりではなく、札幌のショートカウンターがうまくはまった試合に見えた。

 次節札幌は4月2日にアウエーの山梨中銀スタジアムでヴァンフォーレ甲府と対戦する。

※北海道コンサドーレ札幌の四方田修平監督のコメントは、本サイト左にある「コンサドーレ公式ホームページ」バナーから、「エンタメ」ページの「試合レポート」でご覧いただけます。

■サンフレッチェ広島の森保一監督のコメント
 「私はいつも、勝った方が強いと思っているので、今日は札幌さんが強かったということだと思いますし、われわれが力不足だったということだと思います。選手は本当によく戦ってくれました。結果に結び付けてあげられなかった自分の力不足を感じています。試合の方は、前半に関しては今季間違いなく一番良かったというところです。毎試合、毎試合、右肩上がりに成長しているというところを今日の戦いでも選手たちは見せてくれたと思っています。ただ、勝っていくために決定力をしっかりと持って仕留められるようにというところと、試合を勝っていくためには相手のやりたいことをやらせてはいけない、というところ。今日の試合で、最初我々が攻め切れず、そこからカウンターという形で失点。2失点目もファウルで相手にFKを与えた。相手がワンチャンスをものにしてくるという狙いを持ってきている中、ファウルをしてしまって失点。そういう部分で流れをつかめなかったと思っています」

−−最前線の工藤 壮人選手のプレーについてはどう見ているか。
「彼も徐々にコンディションが上がってきて、チームにフィットしていく中で彼の良さが出てきていると思います。今日も前半、裏に抜け出して決定的なシュートを放ったりだとか、体を張る、起点になるという部分など、彼の良さが出てきていると思います。昨年はケガがあったり、今季新加入ということでもありますし、最初からパーフェクトを求めるのは酷だと思います。少しずつフィットしてきてくれればと思います」
編集部