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J2第42節(11月20日)、札幌が3万の大歓声を背に、優勝決める!

16・11・23
 11月20日、ホームの札幌ドームで行われた1位北海道コンサドーレ札幌対22位ツエーゲン金沢のJ2リーグ最終戦。ここまで首位を守ってきた札幌の命運を決める重要な一戦は、引き分け以上でJ2リーグ優勝と自動昇格が確定。しかし、負けると松本山雅FC、清水エスパルスの結果次第では入れ替え戦にまわる可能性もあり、他会場の経過をうかがいながらの試合となった。

 対する金沢もJ2残留が賭かった非常に大事なゲーム。こちらは勝ち点を得なければJ3自動降格圏から抜け出すことができず、勝利すればFC岐阜、ギラヴァンツ北九州の結果次第ではJ2残留の可能性が高まる(最下位22位は自動降格。21位は入れ替え戦)。

 札幌ドームに駆け付けた3万3千697人のサポーターが見守る中、J1昇格とJ2残留とそれぞれの思惑が交錯する中、今季の全てを賭けてキックオフ。

 試合は前半、自動昇格へ絶対に負けられない札幌がリスクマネジメントを徹底しながら、ボールを奪いにかかる。金沢も負けじと球際では激しくあたり、互いに中盤でのつぶし合いという形で進む。

 「引き分けを意識し過ぎると消極的になる。バランスを大切にしたい」と札幌の四方田監督が試合前に話していたように、相手の出方を見ながら慎重に展開していく。その流れが続き、互いに決定機は少なくミドルシュートやセットプレーでゴールを狙うシーンがあるもスコアレスで折り返す。

 後半に入り、札幌はFWヘイスのドリブルやミドルシュートで相手ゴールに迫ったが、ゴールは遠い。攻撃のスイッチを入れようと、後半23分にヘイスに代えFW内村を投入。前への推進力が出てきたが、人数はかけず大きなリスクは冒さない。

 その後、ベンチから他会場の情報が入ったか、残り10分からは両チーム共に意図的にドローゲームを狙い、自軍でノープレッシャーのパス交換を続ける。アディショナルタイムを含め動きの無い時間の経過は、一見異様な光景にも見えたが、これはここまで41節を戦ってきての結果であり、札幌の9年ぶりの優勝を祝うセレモニーとも言えた。

 静かな展開の中、時計の針は進み、札幌がJ1昇格、金沢は入れ替え戦が確定する思惑通りの引き分けでタイムアップ。その瞬間、札幌ドームに歓喜の輪が広がった。

 この結果、札幌の最終戦績は、25勝10分7敗、勝ち点85で、2位清水に勝ち点1差をつけ優勝。四方田監督の下、したたかな戦い方を身に付けた「赤黒の勇者」は、来季5年ぶりとなるJ1の舞台へ挑む。

 (写真はいずれも11月20日、札幌ドーム、撮影・石井一弘)


 上写真/前半12分、金沢の右FKからの攻撃をはね返す札幌FWヘイス(11番)とMF石井(19番)。左端DF河合(4番)がベテランの味を発揮してチームを統率した。後ろはGKク・ソンユン


 上写真/前半35分、札幌FW都倉(9番)が金沢DF太田(5番)のプレッシャーを受けながらシュートを放つがGK正面となる。今季都倉の好守にわたる奮闘が、優勝と昇格を手繰り寄せた


 上写真/後半7分、GKからのロングボールに札幌DF進藤(35番)が金沢のMF熊谷アンドリュー(10番)とヘッドで競り合う。進藤はシーズン初め、先発を勝ち取っていたが、途中けがで出場できず、終盤に復活し活躍した。後方DF河合(4番)、右端GKク・ソンユン(25番)


 上写真/後半19分、金沢の右CKからの攻撃をクリアする札幌DF河合(4番)とFW都倉(9番)。この日、優勝と昇格を見届けようと詰めかけた33,697人の観客の後押しを受けた


 上写真/途中出場した札幌FW内村(13番)が後半34分、金沢FW中美(左)、MF熊谷のマークをかわしながら前線にパスを出す。内村はチーム唯一、全42試合に出場するなどシーズンを通して貢献した


 上写真/スコアレスドローとなりお互いをねぎらう札幌FW都倉(9番)と金沢DF太田(5番)。札幌FW内村(13番)と金沢DF廣井(27番)の後方スタンドで旗が打ち振られ、サポーターが喜び合った


 上写真/後半30分、札幌MF石井(19番)のスローインの時、選手に指示を出す金沢の森下仁之監督。中央奥札幌の四方田修平監督が石井の方を見ている

※両監督コメントは、関連記事「コンサドの王道『賛否両論』金沢と0−0 勝ち点1でJ1昇格」に掲載
編集部 写真はいずれも石井一弘撮影