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J2第37節(10月22日)、東京Vに敗れ、札幌ホーム無敗記録止まる

16・10・26
 10月22日、ホームの札幌ドームで1位の北海道コンサドーレ札幌対18位の東京ヴェルディが対戦。序盤から優位に試合を進める札幌だったが守備陣の隙を突かれ失点。後半も、集中力を欠いたプレーで追加点を許し2点ビハインド。札幌は約3倍のシュートを放ち1点返すも1−2で敗戦。8月11日(第28節)の横浜FC戦以来の黒星を喫した。

 前回の対戦は開幕戦で東京Vが1−0の勝利。「同じ相手に2度負けるわけにはいかない」と札幌の四方田監督が語るように自動昇格と優勝を目指す札幌がモチベーション高く試合に臨んだ。

 試合は前半、ショートパスでリズムを作ろうとする東京Vと、FW都倉と内村へのロングボールやアーリークロスなどシンプルな攻撃でゴールを目指す札幌という構図。

 ホームで圧倒的な強さを誇る札幌がペースをつかみだした前半9分、ペナルティーエリア内で福森から絶妙なパスを受けた都倉が左足でシュートを放つが惜しくもポスト直撃。跳ね返ったボールを札幌MFマセードがシュート、さらにゴール前で混戦となりこぼれたボールを今度はMF堀米がシュート。これに反応した都倉がワンタッチで軌道を変え一瞬ゴールかと思われたがオフサイドの判定。ゴールにはならなかったが札幌が迫力ある波状攻撃を見せた。

 しかし先制点は東京V。前半30分札幌DFラインのわずかな隙を見逃さず東京FW高木大輔が絶妙なタイミングで右サイドを抜け出す。角度は狭まっていたが札幌GKクとの1対1を見極めクのニアサイドをすり抜けるゴール。前半は0−1と東京Vリードで折り返す。

 早く同点に追いつきたい札幌は、後半3分、右サイドのマセードからのクロスを都倉がヘディング。惜しいシーンだったがゴールにはならず。後半10分には、左サイドから福森があげたクロスをファーサイドに流れた内村が収め、DFをはがしシュートを放つも枠外へ。

 札幌優位に進む中ゴールが生まれたのはまたも東京Vだった。後半15分、ペナルティーエリア手前の右サイドから東京MF高木善朗がクロスをあげる。札幌DF菊地が対応を誤り、スルーで流したところに後ろで待ち構えていたのは東京FWドウグラス・ヴィエイラ。落ち着いたトラップから札幌GKクとの1対1を制しシュートを放つと、カバーにきていた札幌DF増川に当たるも、ゴール内にこぼれ0−2。

 リードを広げられ攻めるしかなくなった札幌は、後半24分、右サイドからのアーリークロスに内村がボレーシュートを放つもゴールラインぎりぎりのところで東京DF安在が懸命のクリアー。あと一歩で得点をあげることができない。しかし後半32分、ついに札幌が1点返すことに成功する。ペナルティーエリア外の距離のあるところで獲得した直接FK。蹴るのは福森。絶対の自信を持つ左足から放たれたボールは、糸を引く芸術的な弾道でゴールに吸い込まれ、1点差。

 同点が見えてきた札幌は猛攻を見せる。後半37分には、堀米の強烈なロングシュートがゴールバーを直撃。さらには終盤にかけ、増川を前線にあげ、都倉とのツインタワーで押し込むが得点までは至らず1−2のままタイムアップ。勝利を疑わなかったホームサポーターのため息がもれた。

 札幌は開幕戦に続きまたも東京Vに敗戦、今季ホームでの初黒星となり、ホーム負けなしの記録も23でストップした。しかし2位の松本が引き分けたため、勝ち点差は6離れており優勢は変わらない。切り替えて次の試合に向かってほしいところだ。

 次節札幌は10月30日にアウエーのうまかな・よかなスタジアムで18位(勝ち点40)のロアッソ熊本と対戦する。

 (写真はいずれも10月22日、札幌ドーム、撮影・石井一弘)


 上写真/前半9分、札幌FW都倉(9番)がDF福森(24番)のパスを受けて、シュートするも右のゴールポストに跳ね返され先制ならず。中央は東京VのDF平(5番)と安西(2番)


 上写真/前半16分、札幌MF中原(32番)と東京VのMF澤井(14番)がマッチアップ。中原は前節、途中出場してJリーグ初ゴールを決め、この試合先発に起用されたが、後半10分FW上原と交代させられた。右はFW内村(13番)


 上写真/前半44分、札幌MF前寛(16番)がシュートするが惜しくもゴール右にはずれる。右東京VのDF平(5番)


 上写真/前半追加タイム1分、札幌右CKからの攻撃は東京VのFWドウグラス・ヴィエイラ(17番)にクリアーされる。札幌FW都倉(9番)が東京VのDF安在にユニホームをつかまれている。ドウグラス・ヴィエイラには後半15分に手痛い追加点を決められた


 上写真/後半3分、札幌FW都倉(9番)がMFマセードからの右クロスにヘッドで合わせるが、惜しくもゴール上に外れて天を仰ぐ。この日の試合を象徴している。左13番は内村


 上写真/後半32分、札幌DF福森(24番)がFKを直接ゴールして一矢報いる


 上写真/後半41分、札幌左CKからの攻撃でタイミングが合わず、「しまったー!」の表情を見せるFW都倉(左から3人目)。左端DF増川(18番)、右端東京VのFW高木大(18番)、都倉の右は高木善


 上写真/東京Vに敗れサポーターにあいさつする札幌の選手たちは厳しい表情、右からFW都倉(9番)、MFマセード、DF福森(24番)、MF前寛、DF増川(18番)ら


 上:左側写真/後半14分、珍しく大きなジェスチャーで選手を鼓舞する札幌の四方田修平監督
 上:右側写真/1点リードの前半35分、東京Vの冨樫剛一監督(左)がボードを示しながらFW高木(18番)に指示を出す。中央後方に札幌の四方田修平監督が戦況を見守る

※北海道コンサドーレ札幌の四方田修平監督のコメントは、本サイト左にある「コンサドーレ公式ホームページ」バナーから、「エンタメ」ページの「試合レポート」でご覧いただけます。

■東京ヴェルディの冨樫剛一監督のコメント
「自分たちが置かれている立場と札幌の立場は正反対だったとは思いますが、自分たちは先週のふがいない敗戦からもう一度立ち返る試合をしようとトレーニングをしてきました。けが人がいる中で、チャンスを得た選手が思い切って力を出せるようにしてきた結果だと思います。
 試合の中では、ある意味自分たちが割り切って、相手に合せてストロングポイントを押さえ、前線の選手の力を生かした戦いがうまく行ったと思います。この1週間、サポーターの方々も含めてクラブ全体がいい仕事をしてこの試合に挑めて、いい結果を出すことができたと思もいます。ただし、まだ残り試合がありますので、またチーム一丸となって、全員で強い気持ちを持って戦って行きたいと思います」。

 注=コンサドーレと東京ヴェルディは、これまでに33試合を戦い、11勝11引き分け11敗のまったく五分になった。

編集部 写真はいずれも石井一弘撮影