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J2第12節(8月25日)、今季10度目の“ウノゼロ”で札幌が熊本を下す

16・08・26
 8月25日、首位の北海道コンサドーレ札幌は、熊本地震により順延となっていた未開催分(J2第12節)のロアッソ熊本戦を札幌ドームで開催。前半は互いに積極的に攻め合うも得点は入らず、後半、札幌が熊本の一瞬の隙を突きオウンゴールながら得点を奪う。その後は札幌自慢の堅守で逃げ切り、ホームで勝ち点3を得ることに成功した。

 試合前には熊本支援チャリティナイトとして自衛隊第11音楽隊の鮮やかな演奏も行われたこの1戦。札幌は直近の京都サンガ戦を引き分けたため、この未開催分の試合で勝利し2位以下との勝ち点を開きたいところ。一方の熊本は直近の北九州戦で大量6失点を喫した後だけに守備の立て直しが急務だった。

 試合は前半、北九州戦から7人もの先発を入れ替えた熊本が積極的にシュートを放てば、札幌も負けじと応戦するアグレッシブな展開でスタートした。まずは前半10分、熊本MF上原がセンターサークルあたりからのロングシュートでゴールをうかがう。札幌は前半13分、MF堀米が左サイドからアーリークロス。これに勢いよく飛び込んできたFW内村が体をひねり右足アウトサイドで触るも枠を捉えきれず。

 熊本は前半26分、ロングボールをFW巻が落としてDF藏川へ。藏川がペナルティーエリア右から中央へクロス。これを札幌MFマセードのクリアーミスがありボールは熊本MF岡本へ転がる。一瞬フリーとなった岡本は、左足でグラウンダーシュートを放つもわずかにゴールの右。内村は前半27分にもペナルティーエリア内でFW都倉のヒールぎみのうまいパスから抜け出し、ループシュートを放つも仕留めきれなかった。

 前半終了間際にはまたも熊本にビックチャンス。ペナルティーエリア左手前からのFKを熊本上原が左足でゴール前へ精度の高いクロスボールを供給。これに反応したFW若杉がフリーでドンピシャのヘディング。札幌GKク・ソンユンも反応出来ないタイミングだったがボールはゴール左へ外れ、スコアレスドローで前半を終了する。

 折り返した後半22分、ついに試合が動く。札幌がセンターサークルあたりで早いリスタート。札幌MF宮澤が敵陣中央右からゴール前へするどいアーリークロスを送る。これに頭から飛び込んだ都倉はわずかに触ることはできなかったが、奥につめていたDF福森がゴールライン際で拾って中央へ折り返す。このボールが熊本GK佐藤に当たりゴールに向かったところを熊本DF小谷が必死にクリアー。しかしボールをかきだすことはできず結果的にはオウンゴールで札幌が先制。

 直後にはMF小野を投入し、攻撃を活性化させると、終盤にはFW上原、MF石井も入れ前線からの守備とハードワークでチームを助けた。札幌得意の1−0のスコアにしてからは、集中力の高い安定した守備をみせ、そのままタイムアップ。

 前半は押され気味の札幌だったが、隙をみてワンチャンスをものにし、最少得点差でも逃げ切れるのが今季の札幌の強さ。これで、札幌は20勝6分け4敗の勝ち点66とし、2位で勝ち点57の松本山雅FCと9ポイント差に広げる盤石の態勢に入った。

 次節札幌はホームの札幌厚別公園競技場で15位のザスパクサツ群馬(勝ち点33)と対戦する。

 (写真はいずれも8月25日、札幌ドーム、撮影・石井一弘)


 上写真/前半27分、札幌FW内村が左サイドを駆け上がり、熊本DF小谷(15番)のマークをかわしながら突進、惜しくもゴールならず。左札幌MFジュリーニョ


 上写真/前半31分、元札幌の熊本MF岡本(17番)がシュートするも、札幌DFのスライディングタックルもあり、ゴールをはずす。右札幌MF堀米(31番)、その後方熊本FW巻


 上写真/前半36分、札幌左CKからの攻撃を元札幌の熊本MF岡本(17番)が札幌FW都倉(その右)と競り合いながらクリアーする


 上写真/前半43分、熊本FW若杉の左からのシュートを札幌GKク・ソンユンが好捕して先制を許さず


 上写真/後半22分、札幌DF福森のクロスは相手DFに当たってボールはゴールの中に入りオウンゴールとなった。両手を広げる熊本GK佐藤(30番)とFW巻(36番)はぼう然、札幌のFW都倉(9番)とDF増川は喜ぶ


 上写真/後半22分、札幌はオウンゴールで先制、最初DF福森(24番)のゴールとアナウンスがあり、MF堀米(31番)、FW都倉、MFジュリーニョ(7番)らが祝福。後になってオウンゴールと訂正された


 上写真/敗戦が決まり体を折ってガックリの熊本の選手たち。右端は途中出場してゲームをコントロールした札幌MF小野(44番)


 上写真/熊本に苦しみながらも勝利しゴール裏サポーターの声援に応える札幌の選手たち。マセードの子どもも一緒にジャンプしていた


 上写真/前半9分、ゲーム開始早々から大きなジェスチャーで選手を鼓舞する熊本の清川浩行監督(左)と札幌の四方田修平監督

※北海道コンサドーレ札幌の四方田修平監督のコメントは、本サイト左にある「コンサドーレ公式ホームページ」バナーから、「エンタメ」ページの「試合レポート」でご覧いただけます。

■ロアッソ熊本の清川浩行監督のコメント
 「直近の試合(8月21日ホームでギラヴァンツ北九州に1−6の大敗)で、本当に寂しいゲームをしてしまったので、なんとか、このゲームで勝ち点を持ち帰りたいところでした。
 前半は選手の頑張りでいい戦いが出来て―。後半はオウンゴールで失点をしてしまったのですが、次につながる試合をやってくれたと思います。
 メンバーを入れ替えた理由としては、直近の試合に敗れていましたし、試合に出たくてギラギラしている選手が何人もいました。代わって入った選手がしっかり力を出してくれたと思います」。

(注=清川監督は函館有斗高出身で、財前恵一ヘッドコーチ(室蘭大谷高出身・前コンサド監督)とは高校時代に一戦を交えた仲。小野剛監督の後を今年から引き継いだ。JFL時代の日立でプレー、94年Jリーグ昇格の柏レイソルで選手を引退して、コーチの道を歩む。14年にS級のライセンスを取得した)

編集部 写真はいずれも石井一弘撮影