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J2第24節(7月20日)、 熱気に包まれた首位決戦は札幌が制す!

16・07・23
 7月20日、ホーム札幌ドームで行われた、首位北海道コンサドーレ札幌対2位松本山雅FCのJ2第24節。前半、アウエーの松本がクラブ新記録となる5連勝中の勢いを見せ試合を優位に進める中、札幌FW都倉が強烈なヘディングで先制に成功。後半、松本に決定機を作られるも何とか逃げ切りタイムアップ。札幌が得意のウノゼロ(1−0)で松本を退け、首位の座をがっちりと守った。

 前節までは、札幌が1試合未消化で松本と勝ち点47で並び、得失点差はわずかに1。まさに頂上決戦となった今節の最注目カードは、平日開催にもかかわらず約1万3千人もの人であふれた。

 試合は前半、松本がセカンドボールへの素早い対応を見せ、厚みのある攻撃で札幌陣地に侵入した。対する札幌は、相手の勢いをいなしながら、反撃のチャンスをうかがっていく。

 すると前半15分、札幌が中盤で細かくつなぎMF荒野へボールが渡る。荒野はペナルティエリアやや左外から中央へ浮き球のクロスを供給。そこに待っていたのは都倉。ペナルティエリアのライン上の辺りにポジションを取っており、ヘディングで狙うには距離があった。しかし、都倉は思いっきり体をひねり強烈なヘディングシュート。ボールはゴール左上隅に一直線に飛び、虚をつかれた松本GKシュミット・ダニエルの頭上を越えてゴール。「俺たちが首位だ!」と言わんばかりの表情で喜び爆発。都倉は今シーズン11ゴール目を決めた。

 しかしその後は松本が猛攻に出る。前半25分にはMF安藤のクロスにFW高崎がヘディングシュート。続く27分にはMF石原もミドルシュートを放つがいずれも枠を外した。さらに決定的だったのは同31分、松本MF工藤の右ゴールライン際からのクロスをペナルティエリア内で高崎が札幌DFに競り勝ち胸トラップで完璧なコントロール。フリーでシュートを放ったがこれも枠の外。札幌はヒヤリとしたが、なんとかしのいで1点リードのまま後半へ。

 後半に入り、先にチャンスを作ったのは札幌。後半7分、MF上里のくさびのパスを受けたFW内村がペナルティエリア外からドリブルでスルスルと2人をかわしゴールに迫る。最後は右足を振り抜くが惜しくも枠をとらえきれず。

 札幌が追加点をあげられずにいると、松本が同点を狙い反撃を仕掛ける。後半18分には長いフリーキックからペナルティエリアにボールが入り、頭ですらすフリックパスでつなぐ。最後は上がって来た松本DF後藤が完全にフリーとなり左足で合わせたが、ボールは大きく上に外れた。その後も同30分、松本MF宮阪の右からのアーリークロスに途中出場の山本が頭で合わせるが、GK金山が好セーブでゴールの外にかき出した。連続して同32分の松本の攻撃。右からのCKをDF喜山がフリーでボレーシュートを放つがまたしても金山がスーパーセーブ。オリンピック韓国代表でチームを離れている札幌GKクに代わって先発中の金山がチームを救う。

 さらにあきらめない松本は、試合終了間際のアディショナルタイム。左サイドからの放り込みを味方が頭でペナルティエリアにそらし、高崎がヘディングシュートを放つが枠の外。見応えある首位攻防戦はホーム札幌に軍配があがった。

 特に後半はいつ同点とされてもおかしくない場面もあったが、結局は札幌が虎の子の1点を堅く守る得意のスタイルで首位の座をキープしてみせた。これで札幌は3試合連続の無失点で勝利。ホーム16戦負けなしのクラブタイ記録とし、15勝5分け3敗で勝ち点を50に積み上げた。

 次節札幌は7月25日、ホームの札幌ドームで18位のFC岐阜(勝ち点24)と対戦する。

 (試合の写真はいずれも7月20日、札幌ドーム、撮影・石井一弘)


 上:左側写真/前半15分、FW都倉の先制点をアシストするクロスを上げる札幌MF荒野(27番)、左MF深井
 上:右側写真/同じく前半15分、先制ゴールをアシストしたクロスを上げた直後のMF荒野。視線の先には、FW都倉の動き出しがとらえられていたはずだ


 上写真/前半15分、札幌FW都倉(9番)が先制ゴールを決め、ピッチにひざを付けて祈るようなポーズをするところに抱きついて喜ぶFW内村(右)とMF上里(20番)


 上写真/前半24分、ロングボールを奪い合う札幌DF増川(18番)と松本FW高崎(29番)。高崎は今季松本に移籍、好調松本の得点源だが、札幌は増川を中心に高崎を押え込み、得点を与えなかった


 上写真/後半32分、松本右CKからの猛攻、最後は後ろから上がってきたDF喜山(左の11番)がフリーでヘディングシュートしたが、札幌GK金山(1番)が左足でクリアする好守備を見せた。ゴール裏を埋めた札幌サポーターは肝を冷やした。金山の右へDF櫛引(5番)、MF深井(8番)、FW都倉、ヘイス


 上写真/後半43分、札幌MF深井(8番)がドリブルでゴール前に迫るが、松本のMF岩間(5番)の猛タックルに阻まれる


 上写真/後半追加タイム2分、途中出場した松本のMFパウリーニョ(14番)がミドルシュートを放つが、その左、札幌のMF上里が体を張って止める。右に途中出場した札幌のDF櫛引(5番)、河合(4番)、松本の選手は左からFW高崎(29番)、山本(19番)、右端DF飯田(4番)


 上写真/上位決戦で松本山雅を1−0と下した瞬間、ゴール付近で喜ぶGK金山、DF増川、ゲ―ムキャプテンのMF荒野、左手前では精根つきたか?MF深井がピッチに仰向け、中央では松本FW高崎が無念の表情。スタンドのサポーターは、ハイタッチやバンザイで喜びを爆発させた


 上写真/スポーツ庁の鈴木大地長官が札幌―松本山雅戦を視察、試合後、このゲームのMVP賞を受けた札幌FW都倉(9番)に花束を贈呈した(右)。左は秋元克広札幌市長


 上写真/後半42分、札幌のFWヘイスが動けなくなり、交代するDF河合(4番)に入念に指示を与える四方田修平監督(左)とCKに対する指示を大きなジェスチャーで出す松本山雅の反町康治監督(右)

※北海道コンサドーレ札幌の四方田修平監督のコメントは、本サイト左にある「コンサドーレ公式ホームページ」バナーから、「エンタメ」ページの「試合レポート」でご覧いただけます。

■松本山雅FCの反町康治司監督のコメント
 「試合には負けましたけど、まったく悲観するような内容でもないですし、自分たちが目指しているサッカーをやり切ったという意味では、すがすがしい気持ちでいます。
 もちろん勝ち点ゼロに終わったことは悔しくてしょうがないんですが、1−0という札幌のお家芸にはまってしまったかなと感じています。もう少し違った見方をすると、後半35分くらいででも1点取れば、逆転できるような試合だったと思います。
 ただ、そこで取れないのが今のわれわれの力かもしれません。そして、やはり1−0で終わることができるのが、今の札幌の力なのかなと感じました」。 
 
(注=6月8日のアウエー戦は、松本が2点先行、後半に札幌が都倉の連続ゴールで同点。81分に岩間に決められて2−3で敗れた。この試合、札幌のGKは金山だったが、7月20日は好捕を見せリベンジに成功した)

編集部 写真はいずれも石井一弘撮影