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J2第16節(6月4日)、好調千葉相手に2点差を追い付き、意地のドロー

16・06・07
 北海道コンサドーレ札幌は、6月4日、ホーム連戦となる札幌ドームで8位のジェフユナイテッド千葉と対戦。共に5月を無敗で終えた両チームによる一戦は、前半20分までに千葉が2点をリード。しかし札幌も前半のうちにFW内村が1点を返すと、後半には交代で入ったFWヘイスのゴールで追いつき2−2の引き分けに持ち込んだ。

 試合は前半、千葉が全体をコンパクトに保ち、鋭いプレスで札幌の攻撃を封じる。セカンドボールをことごとく拾い、ホームチームを圧倒する展開に。その中、札幌は前半14分に痛いアクシデントが起きる。5試合ぶりの先発となったMF稲本が膝をねじり負傷退場してしまう。交代選手投入まで10人となっていた札幌の隙を逃さず千葉が先制する。前半16分、右サイド深くに侵入した千葉MFアランダが早いクロスを入れる。札幌DFがヘディングでクリアーするも中途半端になり、千葉MF町田にボレーで叩き込まれた。

 さらには前半20分、千葉FWエウトンが右サイドを強引にこじ開け、マイナスのクロスを入れる。ボールはペナルティーエリア外まで転がり、後ろから走り込んで来た千葉DF阿部が豪快なミドルシュートで追加点。札幌はここ8戦合計で2失点のみと堅守を誇っていたがこの試合では前半のうちに早くも2失点を喫した。
 
 しかし、ここから札幌はリーグ首位の地力を見せる。前半38分、札幌MFマセードからアーリー気味のクロス。これをペナルティーエリア内でボールを収めた内村は、うまい切り返しから冷静にキーパーをかわしゴール。これで内村は4試合連続得点となる6点目と、好調を維持している。

 このゴールで流れを引き戻した札幌が1点ビハインドで折り返した後半、開始早々から勢いに乗って仕掛ける。後半1分、MF石井の左サイドからのアーリークロスにFW都倉が頭でゴール前に折り返す。そこに内村が頭から飛び込むが惜しくもゴールならず。

 逆に、後半21分には千葉にビッグチャンス。千葉FW船山のクロスからこぼれたボールをMF長澤がシュートするも右ポスト直撃。札幌はゴールポストに助けられる形となった。ピンチをしのぎ同点を狙う札幌は、後半25分内村に代えFWヘイスを投入。するとこの采配がピタリと当たる。直後の後半27分、都倉が左サイドの深い位置からグラウンダーのクロスを入れると、ヘイスが千葉DFと競り合いながらも左足で押し込み同点ゴール。ヘイスはうれしいJリーグ初得点となった。

 逆転を狙う札幌は後半アディショナルタイム、DF福森のFKに再びヘイスが頭で合わせるがわずかに枠の外。結局、好調な両チームの試合は2−2の引き分けで幕を閉じた。

 札幌は2007年以来の7連勝とはならなかったが、2点ビハインドから追い付くという価値ある勝ち点1を積み上げ、9試合負けなしと勝負強さを見せつけた。

 これで札幌は10勝3分け2敗の勝ち点33とし、2位のFC町田ゼルビアには勝ち点差2までつめられたが1試合少ない状況で首位をキープしている。

 次節は6月8日にアウエーの松本平広域公園総合球技場で3位の松本山雅FC(勝ち点29)と対戦する。

 (試合の写真はいずれも6月4日、札幌ドーム、撮影・石井一弘)


 上写真/前半15分、負傷しタンカで退場を余儀なくされた札幌MF稲本は無念さと痛さで顔をゆがめる(後の検査で右ひざ前十字じん帯断裂で全治8か月と診断された)


 上写真/前半16分、千葉MF町田(左から二人目)が先制ゴールを決める。直前札幌MF稲本が負傷退場していて1人少ない一瞬の隙だった。久し振りにセンターバックで先発したDF河合(4番)、ク・ソンユンが韓国の代表で不在のため出場したGK金山にとっては屈辱のゴールだ


 上写真/前半38分、札幌FW内村(13番)が4試合連続のゴールを決めMF石井(19番)とともに走り出す。右後方にガッツポーズをするアシストしたMFマセードが見える


 上写真/後半2分、札幌DF進藤(35番)が千葉FWエウトン(9番)と競り合う。進藤は10代の選手で開幕から15試合連続先発した奈良の記録に並んだ。右は千葉FW船山(11番)


 上写真/途中出場した札幌FWヘイス(11番)が後半27分、自らのゴールの起点となるパスを、前に走り出すFW都倉に出す。千葉DF近藤(3番)、多々良(5番)


 上写真/後半27分、値千金の同点ゴールを決めた札幌FWヘイス(11番)がFW都倉(右)とMFジュリーニョ(7番)に走り寄る。このゴールがチームにもヘイス自身にとっても、どんなに大事かは都倉とジュリーニョの表情が物語っている


 上写真/後半追加タイム2分、札幌は左FKからFWヘイス(11番)がヘッドで合わせるが、バ―の上を越えてゴールならず、その左MFジュリーニョ(7番)。右端、元札幌にいた千葉GK佐藤(23番)


 上写真/後半追加タイム2分、北海道コンサドーレ札幌は左FKからFWヘイス(11番)がヘディングシュートしたが、惜しくもバーの上を越えてゴールならず、その右はMFジュリーニョ(7番)。二人が苦笑いしながら、顔を見合わせる。左端、残念がる札幌FW都倉。ジェフユナイテッド千葉の選手たちはほっとした表情を見せた


 上:左側写真/後半37分、札幌四方田修平監督(左端)はベンチから飛び出す間もなく大声で指示を出す

 上:右側写真/後半追加タイム4分、千葉の面目にかけて勝利をと、懸命に選手を鼓舞する関塚隆監督、右後方に札幌の四方田修平監督

※北海道コンサドーレ札幌の四方田修平監督のコメントは、本サイト左にある「コンサドーレ公式ホームページ」バナーから、「エンタメ」ページの「試合レポート」でご覧いただけます。

■ジェフユナイテッド千葉の関塚隆監督のコメント
 「札幌ドームでまだ勝ち点を取れていない状況だった。今日はなんとかサポーターとともに、勝ち点3を取って喜びたかったのですが、それがかなわず非常に残念です。相手の堅守からの、前線の3人の攻撃力を抑えながら、どう仕留めるか、というところがカギでした。予想以上にというか、想定以上に主導権が握れて得点を奪えた。
 ただ、2点を取って、逆に足が止まってしまい、どうしても近いところにパスを出して、それを奪われて相手にリズムを与えてしまった。この辺がまだ90分戦う上で修正しなくてはいけない点です。
 ただ7失点しかしていない札幌に対して2得点を取る、いい時間帯も作れた。成長の跡がしっかりと見られたので、これをより勝ちきれるチームにしていきたいと思います」。

編集部 写真はいずれも石井一弘撮影