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J2第15節(5月28日)、3発快勝の札幌。山口を下し6連勝で首位固め

16・06・01
 約1か月ぶりとなるホームの地に首位で帰ってきた北海道コンサドーレ札幌。5月28日に札幌ドームで、5位のレノファ山口FCとの上位対決に挑んだ。前半は互いにスコアレスも、後半、札幌が3ゴールを奪いリード。試合終盤に山口に1点返されるが3−1で勝利。これで札幌は連勝を6に伸ばし、首位をひた走っている。

 試合は前半、山口が得意のパスワークでしっかりとボールを動かし様子をうかがう。対する札幌は前線からの連動したプレスでショートカウンターを仕掛ける展開に。前半15分には札幌FW内村が裏へ抜け出しゴール前へクロス。そこへMF石井が勢いよく飛び込んでヘディングシュートを放つが枠を捉えきれず。山口は前半20分に、右サイドからのクロスに山口MF島屋がヘディングシュートを放つが、こちらは札幌GKク・ソンユンがセーブ。内容的には互角の中、こう着した状態で前半を終える。

 後半は一転、試合が大きく動き出す。後半開始早々の3分、札幌MFジュリーニョが個人技で打開する。ク・ソンユンの蹴った自軍からの長いFKをジュリーニョが競り合い、内村とワンツーの形でペナルティエリアに侵入。その後ジュリーニョが軽やかなステップで仕掛けたところを倒されPKを獲得。キッカーはエースFW都倉。得意の左足を振り抜くとボールはゴールポスト内側にあたるもネットを揺らし、今シーズン7点目となる先制点を決めた。

 勢いに乗った札幌は5分後に追加点を奪う。後半8分、MF宮澤が中央から右サイドのMFマセードへ展開。マセードが絶妙なアーリークロスをあげると、相手DF2人の間にうまく入り込んだ内村がヘディングシュートを叩き込み2−0。これで内村は3試合連続ゴールと勝利を呼び込む活躍が光る。
 
 これで、完全に流れをつかんでいた札幌は、余裕があったはずだが、後半20分にMF深井がイエローカードをもらう。さらにはファウル後にボールを蹴り遅延行為を取られ2枚目のイエローカードをもらい退場。2度目のイエローは余計だった。

 1人少なくなり嫌な流れも予想されたが、またもジュリーニョが個の力で札幌を救う。後半34分、ク・ソンユンのロングボールを競り合った後、ジュリーニョがバウンドしているボールを左足で下からこするようにロングシュート。ドライブがかかったボールは山口GK一森の頭上を越え、美しい軌道を描きゴールへ吸い込まれた。

 3点をリードした札幌だったが、1人少ない影響もあり山口の反撃にあうと、後半37分には堪らずPKを献上。これを山口MF庄司に決められ2点差。その後も猛攻を受けた札幌だがなんとか逃げ切り3−1で快勝。1万人を超えた札幌ドームを沸かせた。
 
 これで札幌は10勝2分け2敗の勝ち点32。2位FC町田ゼルビアとの勝ち点差4とし首位固めに入った。

 次節は6月4日に札幌ドームで8位のジェフユナイテッド千葉(勝ち点23)と対戦する。

 (試合の写真はいずれも5月28日、札幌ドーム、撮影・石井一弘)


 上写真/前半15分、北海道コンサドーレ札幌のFW内村が山口DF香川(3番)、MF三幸をかわすように中央突破をはかる。右端山口のMF庄司(10番)


 上写真/後半3分、札幌はMFジュリーニョが得たPKをFW都倉(9番)が決めて先制する。右はMFマセード


 上写真/後半8分、追加点を決めたFW内村(左端)を囲んで喜ぶ選手たちの輪から離れ、ゴール裏サポーターにガッツポーズをする都倉(9番)


 上写真/後半34分、GKからのロングボールを直接受けて見事なボレーシュートを決めた札幌MFジュリーニョ(7番)が舌をペロリ


 上写真/後半34分、ダメ押しの3点目を決めた札幌MFジュリーニョが、左のボールボーイからボールをもらい、ユニホームの下に入れ「奥さんと生まれてくる赤ちゃんへのプレゼント」とサポーターにアピール


 上写真/後半37分、札幌DF進藤が与えたPKを山口MF庄司(10番)に決められる。GKク・ソンユンが体をいっぱいに伸ばしたが届かず、連続無失点は5試合で途切れた。手前はDF進藤(35番)、増川(18番)


 上写真/後半追加タイム5分、山口の猛攻を懸命に防ぐ途中出場の札幌の3選手、右手前MF稲本(17番)、DF櫛引(5番)、MF堀米(31番)。後ろにはGKク・ソンユン(25番)が構える


 上写真/後半21分からMF深井の退場で10人での戦いを余儀なくされたが守り切り、喜びと安堵の複雑な表情をする札幌の選手たち。左からDF増川(18番)、MFマセード(増川の後方)、稲本(17番)、堀米(31番)、石井(19番)、DF櫛引(5番)、FW都倉(9番)、GKク・ソンユン、DF福森(24番)、進藤


 上:左側写真/後半3分、PKを決めた札幌FW都倉(9番)をたたえる四方田修平監督
 上:右側写真/前半3分、試合開始早々から大きなジェスチャーで選手を鼓舞する山口の上野展裕監督

■北海道コンサドーレ札幌の四方田修平監督のコメント
 株式会社コンサドーレ(野々村芳和社長)のご厚意により四方田監督のコメントが無料で見ることができるようになりました。本サイト左にある「コンサドーレ公式ホームページ」バナーから、「エンタメ」ページの「試合レポート」でご覧いただけます。

■レノファ山口FCの上野展裕監督のコメント
 「このような素晴らしいスタジアムで、たくさんのサポーターの前でプレーさせていただき、ありがとうございました。
 芝生に慣れず、簡単なミスをして苦戦しました。徐々に慣れて何とか前半無失点で終えることができました。後半は集中力を欠いてしまいました。
 1点を返すことはできましたが、流れの中で点を取れなかったので、流れの中で点が取れるように練習したいと思います。また、守備の練習をして、簡単に失点しないようにしていきたいと思います」。
 (上野監督は1965年8月生まれの50歳。滋賀県出身の早大出。現役時代はDF、MFで当時の全日空(横浜F)やマツダ(広島)でプレー、同期に森保一らがおりハンス・オフトの指導を受けた。広島のコーチ、日本代表U−18監督などを歴任した。その後、JFL金沢、Jリーグ新潟の暫定監督を経て、現在の山口の監督として2014年から指導JFL−J3を1年で、今年J2に昇格させた)

編集部 写真はいずれも石井一弘撮影