４月９日、ホーム札幌ドームで行われた北海道コンサドーレ札幌対ファジアーノ岡山のＪ２第７節。前半に奪ったＭＦ福森のゴールで逃げ切りに成功した札幌が、１−０の完封勝利を飾った。

　第６節終了時では、岡山が勝ち点１２の４位、札幌が勝ち点１０の７位。互いに上位戦線に残るためには落とせない大事な一戦となった。この日、札幌の四方田監督は、１７歳の菅を初スタメンに抜擢。前節デビューを果たしたばかりの若者に期待が高まった。

　試合は、岡山のキックオフで始まり、何度か攻撃の形を作られる。先に試合を動かしたい札幌は、前半１３分、相手陣地でフリーキックを獲得。蹴るのはキックに定評のある福森だったが、ゴールまでの距離は遠くノーバウンドで直接狙うには難しいように見えた。

　福森は「バウンドするボールを狙った」と試合後に振り返ったように、相手ＧＫ手前で落ちるボールを蹴る。これに、ＦＷジュリーニョが飛び込むと、その迫力に負けたか、ボールが相手ゴールキーパーの股下をスルリと抜け、そのままゴールへ。ラッキーにも思えるが、ジュリーニョの飛び出しと、福森の左足の精度がもたらした先制点だった。その後は、互いにチャンスはあったが得点には至らず。札幌が１点リードで折り返す。

　後半に入ると、同点を狙う岡山の攻撃にあうが、札幌も粘り強い守備で対抗。相手のフィニッシュの精度の低さにも助けられた。追加点を狙う札幌は、ジュリーニョのミドルシュートや、菅の切れ味鋭い切り返しからの右足シュートがバーを叩くなど、惜しい場面もあったがスコアは動かず。前半のフリーキックからの１点を守りきった札幌がそのまま１−０で勝利。これで４勝１分け２敗で勝ち点１３とし、桜前線の北上と共に、順位も３位に浮上させた。

　次節札幌は、４月１７日にアウエーのＮＤソフトスタジアム山形で、最下位に沈むモンテディオ山形と対戦する。

（試合の写真はいずれも４月９日、札幌ドーム、撮影・石井一弘）

　上写真／前半１３分、北海道コンサドーレ札幌のＦＷジュリーニョ（７番）が倒されて得たＭＦ福森のＦＫは直接ゴールに入り先制点となる。この写真からも、その後のジュリーニョの喜び具合からも、誰もがジュリーニョのゴールと思った。ジュリーニョの左ＦＷ都倉（９番）、右端ＤＦ増川、岡山ＤＦ篠原（３９番）、岩政（３５番）

　上写真／前半１３分、札幌ＭＦ福森（中央密集の中にちらりと顔が見える）のＦＫが直接ゴールを割り、先制の喜びに沸く札幌イレブン、福森の左がジュリーニョ

　上写真／前半１３分、自分のＦＫが直接ゴールを割り先制点を上げた札幌ＭＦ福森（右端２４番）がニンマリとＦＷジュリーニョ（７番）と手を合わせる、その左都倉（９番）

　上写真／札幌のＭＦ菅（３８番）がクラブ最年少先発を果たし、後半２２分には鋭いシュートを放つ

　上写真／後半４５分、岡山のＤＦ岩政（３５番）、ＭＦ田中（２６番）、ＦＷ岡本（９番）らの猛攻をキャッチして守った札幌ＧＫク・ソンユン（２５番）

　上写真／札幌が岡山を破った試合終了の瞬間、喜ぶ札幌ＤＦ進藤（３５番）、深井、堀米（３１番）、右端ＤＦ増川（１８番）に対しガックリの岡山ＤＦ岩政（３５番）、ＦＷ豊川（３０番）

　上写真／岡山を破って３位となりゴール裏の熱烈サポーターにあいさつする札幌の選手に笑顔がこぼれる。左からキャプテンＭＦ宮澤、ＤＦ河合、ＭＦ小野、ＦＷ都倉ら

　上写真／後半４５分、アディショナルタイムに入る寸前、札幌の四方田修平監督（右）は時計をチラリと見る。左奥に岡山の長澤徹監督

■北海道コンサドーレ札幌の四方田修平監督のコメント
　「非常に苦しいゲームでしたが、選手たちが最後まで体を張って戦ってくれ、勝利という結果を得ることができて、彼らの頑張りに本当に感謝しています。
　試合は、お互いに守備をしっかりしようとするなかで、硬いゲームになることを予想しました。その中でフリーキックから得点が取れたことがよかったと思います。後半は、受け身にならず、しっかりと守備から入ろうということで送り出しました。
　まだまだ課題はあるのですが、こういう試合で結果を得ながら克服して、もっと成長して、Ｊ１昇格を目指していきたいと思います」

■ファジアーノ岡山の長澤徹監督のコメント
　「ナイトゲームにかかわらず、多くにのサポーターがきてくれたことは分かっていたので申し訳ないと思っています。ゲームの方は、良い入りだったけれど、先に失点してしまい、今年の札幌さんの得意な形に持っていかれたのが少し残念でした。
　前半は、ちょっとアタッキングが相手の脅威になっていなかったので、後半に２つ、３つ意識を変えて入っていきました。結果的に組み立てが、相手が引き切ったディフェンスに入っていくことはいいんですが、シュートが枠内に飛んでなかったかな。勝った負けただけでなく、今日の敗戦を糧にしっかりと前に進んでいこうと思います」