コンサドーレ札幌ピックアップ情報

一覧に戻る

J2第3節(3月13日)、札幌がホーム開幕戦に挑むも愛媛とドロー

16・03・18
 第3節で待ちに待ったホーム開幕戦を迎えた北海道コンサドーレ札幌。2万12人の熱気に包まれた中、連勝をかけて愛媛FC戦に挑んだ。

 3月13日、札幌はホームの札幌ドームで愛媛と対戦。札幌は前半、新外国人のFWジュリーニョの今季初得点で1点のリード。しかし後半開始早々に愛媛のFW瀬沼に同点弾を許し、1−1のドローで試合を終えた。

 試合は前半、愛媛がロングボールから活路を見いだし、先手を奪おうとした。しかし札幌も辛抱強く守り、先制点につなげる。前半41分、相手の横パスをDF進藤が鋭い出足で奪い、前線に縦パスを入れる。一度は愛媛守備陣に引っ掛けられるが、MF宮澤が拾い、FW都倉につなぐ。受けた都倉は敵陣右サイド深くまで侵入すると、ゴール前を横切るグラウンダーの絶妙なクロス。最後はフリーとなって走り込んだジュリーニョが落ち着いてゴールに流し込んだ。

 1点リードで折り返した後半。入り方には注意が必要だったが、開始早々の後半4分に同点弾を奪われる。愛媛が中央で強いくさびのパスをトップに入れると、ペナルティーエリア内でDF上原とDF福森の間にボールが転がり、互いに譲り合ってしまう。その一瞬の連携ミスを見逃さなかったのは愛媛の点取り屋、瀬沼。するりとスペースに入り込み、右足で同点ゴールを決めてみせた。

 その後、ホーム開幕戦を勝利で飾りたい札幌がペースを握り、決勝点を目指して相手ゴールに迫る。終了間際のアディショナルタイム2分には、左サイド福森からの完璧なクロスに、ジュリーニョが叩きつけるヘディングでピタリ。「よし!決まったー・・・」と、多くのサポーターの腰も浮いたが、愛媛GK児玉がゴールライン手前約5センチのところでボールを止めるビッグセーブ。そのまま1−1のスコアで勝ち点1を分け合った。

 この試合、札幌はイージーミスも目立ったが、合計シュート数は13本、愛媛は4本と内容的には押している部分もあった。次節以降はフィニッシュの精度を高め、勝ち点3をつかみたい。

 次節札幌は3月20日にアウエーのIAIスタジアム日本平で清水エスパルスと対戦する。

 (試合の写真はいずれも3月13日、札幌ドーム、撮影・石井一弘)


 上写真/北海道コンサドーレ札幌のホーム開幕戦は、20,012人の観客が入った。20年目を迎えた今季初ホームゲームとあって、サポーターが北海道の地図と1996、2016の人文字をスタンドに作った


 上写真/前半41分、札幌のDF進藤(35番)が愛媛のパスをカット、MF宮澤、FW都倉とつなぎジュリーニョの先制点を呼んだ起点となった。右後方は愛媛FW阪野(17番)。進藤は開幕スタメンに起用され周囲を驚かせたが、これまで3戦にフル出場している


 上写真/前半41分、北海道コンサドーレ札幌は、FW都倉の右からのグラウンダーのクロスに新外国人FWジュリーニョ(7番)が左足で押し込み先制点。Jリーグ初得点となり両手を広げて走り出す。後方愛媛FCのDF林堂(23番)は「やられたー!」という表情


 上写真/後半4分、愛媛FW瀬沼(10番)が、“お見合い”をしてしまった札幌DF福森(24番)と上原(右端)の間を割るように同点ゴールを決める。左端GKク・ソンユン(25番)


 上写真/後半4分、愛媛FW瀬沼に同点ゴールを決められ「しまった!」という表情の札幌DF河合(4番)、その左GKク・ソンユン、左端MF上里(20番)、右端は瀬沼の方に走り寄る愛媛のMF藤田(5番)


 上写真/試合終了の瞬間、ピッチに背をつけてガックリの札幌DF福森、その左腰を折る河合。その左は、同点ゴールを決めた愛媛FW瀬沼もピッチに手をついて疲れ切った様子、左端MF玉林(3番)


 上写真/試合終了時、札幌の助っ人外国人3選手がそろい踏みしたが、勝利に結びつかなかった。FWジュリーニョ(7番)、ヘイス(11番)、MFマセード(23番)は渋い表情


 上写真/後半追加タイム3分、試合終了直前、札幌DF上原(14番)のスローインの時、四方田修平監督(右)が懸命に選手たちに指示を出す。左後方、愛媛の木山隆之監督は引き分けでいいと悠然

■北海道コンサドーレ札幌の四方田修平監督のコメント
 「ホーム開幕戦でサポーターの皆さんが素晴らしい雰囲気を作ってくださいました。本当に感謝しています。なんとか勝って恩返ししたかったのですが、引き分けに終わってしまい残念です。
 試合の方は、立ち上がりは自分たちの積極的な気持ちがプレーに出ていてよかったと思います。途中で膠着し、うまくいかない時間もありましたが、先制して折り返すことができたのがよかったと思います。後半は、しっかり守備をして入ろうと話をして送り出したので、それだけに一瞬のスキを突かれてしまったことが非常に残念でした。ただ、その後は切り替えてくれ、得点を取る姿勢を見せてくれたのですが、決定機をものにできず引き分けてしまいました。
 攻撃のところで良いところも出ましたし、そうでない面も、両面見られたわけですが、シーズンを通してまだまだ成長していかなければいけないと思っています」

■愛知FCの木山隆之監督のコメント
 「ゲーム自体は悪くなかったと思います。前半は両チームともに、(ボールを)持つ時間があったり、チャンスがあったりした中で、我々の方も何とか得点できそうな場面もありました。これがなかなかうまくゆかず、失点のところは、ミスが重なったので、もったいなかったと思います。前半は、それほど悪くはなかったと思います。
 後半は、選手に少し立ち位置などを意識させるようにして、より我々のほうが良いプレーをする時間が増えてきました。(後半4分)得点して、あとは最後、しとめるだけかなと思っていたのですが、残念でした。しかし、力のある相手ですし、今日の雰囲気の中で、勝ち点1を持って帰ることは、それほど悪いことではない。選手は非常によくやったと思っています」(木山監督は、1998年、札幌でプレー16ゲームに出場した。筑波大出、同大監督やJリーグの水戸、千葉で監督歴がある)。


 上:上段写真/同日行われた砂川誠さんの引退セレモニーで感謝の横断幕を掲げるサポーターたち
 上:下段写真/引退セレモニーで贈られた花束を手にあいさつする砂川誠さん

編集部 写真はいずれも石井一弘撮影