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群馬戦 プロカメラマン“石井一弘の目”「ナザリトのPK」

15・10・11
 9月27日、群馬戦後半38分、ナザリトがPKを外し勝ち点3取れず・・・。

 試合終了の瞬間、ナザリトはその時と同様に、額をピッチにつけた。胸中を察するに余りある。一瞬の微妙な空白が生まれた。FW都倉、荒野、MF深井らが駆け寄り手を差し伸べて立たせた。

 ナザリトは今季、FC岐阜から得点源として期待され加入した。3月8日、アウエーでの開幕戦、栃木SC戦で2得点、勝利のヒーローとなり“ド派手”な札幌デビューを果たした。以後4月5日の東京V戦まで、6試合で5得点と大活躍した。しかし自身の出場停止やFW都倉らの台頭と反比例するように埋没していった。

 バルバリッチ監督から四方田修平監督に代わり、少しづつ出場機会が増えてきたが、依然としてゴールは生まれない。そしてこの試合である。この日、MF小野の誕生日であった。昨年途中、鳴り物入りで加入した小野もいまだゴールはない。周囲は小野のPKを期待したかも知れない。初ゴール+バースデイゴールを・・・

 しかしチームは?、ナザリトのPKを選んだ。ナザリト自身が望んだのかも知れない。PKを蹴る瞬間、なぜか「やけに力が入ってるな!」といやな予感がした。案の定、ボールは無情にもゴールの上を越えた。試合終了時、皆が駆け寄り手を差し出してうずくまるナザリトを立たせた。サポーターへのあいさつに向かうナザリトの背にキャプテン河合の手があった。

 MF小野は「外したのは彼だが、それは託したチームみんなの責任でもある」とかばった。こんな時、一番心配なのはナザリト自身が後を引くことだ。4日の東京V戦、ナザリトは小野の移籍後初ゴールをアシストした。PKをはずした後遺症はないと見た。次こそナザリト自身のゴールを見たい。

 (試合の写真はいずれも9月27日、札幌ドーム、撮影・石井一弘)


 上写真/群馬戦が終了した瞬間、札幌FWナザリトは後半38分にPKを外したその時と同様に額をピッチにつけて嘆いた。一瞬ナザリトの周辺に空白が漂う


 上写真/次の瞬間、FW都倉(左)荒野(手前)MF深井(奥)らがナザリトを囲み手を差し伸べて立たせた


 上写真/厳しいゴール裏熱烈サポーターにあいさつへ向かうナザリト(右端)の背に、キャプテン河合の手が・・・

石井一弘