コンサドーレ札幌は、６月２１日に札幌ドームで１０位のギラヴァンツ北九州と対戦。札幌は前半、ＭＦ宮澤のゴールで先制するも、後半、北九州に追いつかれ１−１のドロー。これで札幌は８勝８分け３敗、勝ち点３２としたが、順位は５位に後退した。

　北九州はここまで４連勝中と好調を維持し札幌に乗り込んできた。対する札幌も５月１７日の群馬戦から３勝２分けの負けなしと、互いにいい流れでこの一戦に臨んだ。

　試合は、序盤こそ北九州がボールを持つ展開も、札幌が自信を深めてきた組織的な守備で対応し、徐々に主導権を握っていく。

　前線からの積極的なディフェンスが功を奏したのは前半４１分。相手陣地深くで札幌がボールを奪うと、ＭＦ前寛之がペナルティエリア正面で待つＭＦ宮澤にパス。宮澤はマークにきた北九州ＤＦをワンフェイントでかわし右足を振り抜く。カーブのかかったボールは、ＧＫが一歩も動けない美しい弾道でサイドネットに吸い込まれた。

　リードを持って折り返した後半、札幌が追加点を奪えずにいると、北九州が同点を狙い攻勢を強めてくる。

　すると後半３１分、札幌の痛いミスが重なる。中盤であっさりボールを奪われると、誰もチェックにいかず、北九州はフリーで前線にアーリークロスを入れる。このボールを札幌ＤＦは判断を誤りクリアーしきれず。最後は抜け出した北九州ＦＷ渡がＧＫクとの対決を制し、同点ゴール。１−１の振出しとなった。

　気持ちを仕切り直し、勝ち越しゴールを目指す札幌。しかし、絶好の位置から狙ったＤＦ福森の直接フリーキックもクロスバーに嫌われ、万事休す。ホームで勝ち点３を積み上げられず、勝ち点１に留まった

　次節札幌は６月２９日に札幌ドームで２２位の大分トリニータと対戦する。

　（試合の写真はいずれも６月２１日、札幌ドーム、撮影・石井一弘）

　上写真／前半２５分、札幌ＭＦ稲本（１７番）がボールを奪いに来た北九州ＦＷ小松（２５番）をいなして、前方のＦＷ都倉へパスを出す

　上写真／前半３１分、札幌ＦＷ都倉が出したパスに古田（１５番）が飛びこんでいくが、ＧＫ阿部（右）に止められる。この日、古田はＦＷ宮澤の先制ゴールの起点となったり、ＦＷ都倉と同数の３本のシュートを放つなど積極的なプレーを見せた

　上写真／前半３６分、札幌ＦＷ都倉（９番）と北九州ＭＦ加藤（１７番）が激しくマッチアップし、ボールをキープ

　上写真／前半４１分、札幌ＭＦ宮澤（１０番）の先制ゴールに抱き合って喜ぶ、ゴールの起点となったＦＷ古田（１５番）、ＤＦ福森（中央）、ＭＦ堀米（３１番）、ＤＦ櫛引ら。櫛引の笑顔が印象的だ。左、憮然とする北九州ＦＷ小松（２５番）

　上写真／後半６分、札幌ＦＷ都倉のパスを受けて内村がゴール前に突進。惜しくも北九州ＤＦ前田（転んでいる）やＤＦ星原（中央３番）にクリアされるがＣＫとなる。左端札幌ＤＦ櫛引（５番）、右後方、元札幌の北九州ＤＦ西嶋（６番）

　上写真／後半３１分、北九州ＭＦ小手川からのロングパスを札幌ＤＦ櫛引がこぼし、途中出場したＦＷ渡が持ち込んで倒れながら同点ゴールを決める。柱谷監督の采配が当たった。札幌ＧＫク・ソンユン、左端ＭＦ宮澤（１０番）

　上写真／後半３１分、北九州ＦＷ渡に同点ゴールを決められ悔しがる札幌の選手たち。左からＤＦ櫛引（５番）、ＦＷ古田（１５番）、ＤＦ河合（４番）。逆に喜ぶのは元札幌の北九州ＦＷ大島（１５番）、とＤＦ西嶋（６番）

　上写真／先制しながら同点とされて引き分け、ガックリの札幌の選手たち。左からＭＦ堀米（３１番）、ＤＦ福森、ＭＦ前寛（３８番）、深井（１８番）、ＧＫク・ソンユン（２５番）ＦＷ都倉、ＤＦ櫛引（５番）、ＭＦ荒野（２７番）、宮澤（１０番）、ＦＷ古田（１５番）。古田と前寛の表情が引き分けにされた痛さを物語っている

　上写真／後半１０分、北九州が右サイドのスローインの時、期せずして札幌のバルバリッチ監督と北九州の柱谷幸一監督が（右後方）が同じように右手で選手たちの立ち位置を指示

※バルバリッチ監督の試合後のコメントは、本サイト左にある「コンサドーレ札幌公式ホームページ」バナーから、「エンタメ」ページの「試合レポート」でご覧いただけます。

ギラヴァンツ北九州の柱谷幸一監督のコメント
　「ゲームは勝ち点３が獲れるチャンスがあっただけに残念です。ただ、ゲームの流れから行くと、先に１点を取られ、追い付いての引き分けですから、次につながるのではないかと思います。後半にはいって、かなり押し込めたので１点を取られていても、自分たちのペースに持って行けた。出来ればもう１点取りたかったという思いはあります。でも追いついて引き分けなので、しっかりしたリカバリーをして、次のゲームに向かっていきたいと思います」
　（注・北九州はこれまで９勝９敗で、初の引き分け）