５月９日、札幌ドームで行われた７位コンサドーレ札幌対２１位ロアッソ熊本とのＪ２第１３節。開始早々に熊本が先制点を挙げると、後半までに３点リード。札幌はＦＷ都倉の２ゴールで追い上げるも及ばず。２−３で下位に沈む熊本に敗れた。

　試合はキックオフの後、両軍ボールが落ち着いていない印象の中、いきなり熊本が先制する。前半２分、熊本左サイドの縦パスに抜け出した熊本ＦＷ齊藤がペナルティーエリアに侵入。追いすがる札幌ＤＦ福森を鮮やかにかわし、ＧＫク・ソンユンの股下を射抜きゴール。

　札幌の目を覚まさせるかに思えた先制パンチだったが、ここから熊本の良さだけが目立っていく。元日本代表ＦＷ巻を目がけてのシンプルなロングボール攻撃を徹底し、札幌を苦しめた。すると前半２７分、右サイド熊本ＤＦ養父のピンポイントクロスに、ダイビングヘッドで合わせたのはまたも齊藤。ク・ソンユンも触れない強烈な一撃で、２得点目を決めた。

　後半、札幌はＭＦ中原に代え２試合連続ゴール中のＦＷ内村を投入。まずは１点を返したいところだった。しかし、それを打ち砕いたのは巻。後半１０分、熊本の右コーナーキックから巻にボールを体ごと押し込まれ、予想外の３点ビハインドを喫した。

　札幌は、後半１７分にＭＦ古田、２９分にＭＦイルファンを続けて投入するとやっと流れを引き寄せる。後半３０分に、都倉の倒れながらの強引な左足ミドルシュートで１−３。後半４１分には、右サイドＤＦ前からのセンターリングに、ファーサイドで都倉が頭で合わせ１点差。ドームの雰囲気を一気に変える意地の２ゴールだった。

　熊本に退場者も出て、アディショナルタイムは６分と、同点も期待されたが、反撃はここまで。９戦勝利から見放されていた熊本が今季２勝目を挙げ、札幌の不敗記録は７でストップした。これで札幌は５勝５分け３敗、勝ち点２０のまま、順位は８位に後退した。

　次節は５月１７日、アウエーの正田醤油スタジアム群馬でザスパクサツ群馬と戦う。

　（試合の写真はいずれも５月９日、札幌ドーム、撮影・石井一弘）

　上写真／久し振りに先発に起用された札幌ＦＷナザリト（５０番）が前半１８分、熊本ＤＦ園田と競り合う。奮闘したもののチームとしてうまく機能せず後半１７分にＭＦ古田と交代させられた。

８試合ぶりに先発した札幌ＦＷ中原（３２番）が前半４２分、熊本ＤＦ鈴木（３番）らと競り合うが、ファールを取られる。中原は前半だけで後半から内村と交代した。右端ＦＷナザリト（５０番）

　上写真／後半１０分、熊本は右ＣＫから最後はＦＷ巻（中央奥）がゴールに転がり込むように３点目を決めて笑顔を見せる。札幌ＤＦ河合（４番）とＧＫク・ソンユンが両手を広げて抗議。左端熊本ＤＦ園田（４番）

　上写真／後半１９分、札幌ＭＦ古田（１５番）がゴール前に迫るが熊本ＤＦ養父（１０番）、クォン・ハンジン（３２番）らに阻まれる。右端は以前札幌でプレーした熊本ＭＦ高柳（８番）で、試合終了後、札幌サポーターにあいさつしていた

　上写真／後半４１分、札幌ＦＷ都倉（９番）が２点目のゴールを決め１点差として、サポーターとイレブンを鼓舞。右はＭＦ稲本（１７番）

　上写真／後半４５分、ＦＷ都倉がヘッドで落したボールを内村（１３番）がドリブルで持ち込み、転倒しながらシュートを放つもゴール左にはずし同点ならず。中央ＭＦイルファン（２６番）、左は熊本ＧＫ原

　上写真／熊本に２−３と敗れガックリの札幌の選手たち。左からキャプテンＤＦ河合（４番）、ＭＦ稲本（１７番）、ＦＷ内村（１３番）、都倉（９番）、ＭＦ古田（１５番）、イルファン（２６番）、前貴（６番）、堀米（３１番）、宮澤（１０番）、ＤＦ福森（２４番）、ＧＫク・ソンユン（２５番）

　上：左側写真／後半１５分、ＦＷナザリトをＭＦ古田に交代させることを決断した後、「さて、どうする？」とばかり、うつむいて考え込む札幌のバルバリッチ監督
　上：右側写真／後半１０分、熊本ＦＷ巻が３点目を決めると「ヨシ！」とばかりに拳を握った熊本の小野剛監督（左）

※バルバリッチ監督の試合後のコメントは、本サイト左にある「コンサドーレ札幌公式ホームページ」バナーから、「試合情報ページ」でご覧いただけます。

ロアッソ熊本の小野剛監督のコメント
　「まずは逃げ切って勝ち点３をとれたこと、選手たちがしっかりトレーニングを迷うこと無く続けてくれたことなどが、勝ち点に結びついたと思う。札幌については、一連のゲームを見て、特にジュビロ戦は鋭いものを感じ、かなり脅威に感じていました。立ち上がりから、良い形に持ち込めましたが、退場者を出してからは本当に相手の猛攻にさらされました。非常に苦しい時間でしたが、本当に選手たちが最後まで体を張ってボールに食らいついてくれたと思います」