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J2第3節(3月21日)、終了間際の劇的弾で福岡に勝利

15・03・25
 3月21日、コンサドーレ札幌は札幌ドームでアビスパ福岡と対戦。札幌は前半、FW都倉のミドルシュートで先制点を奪うも、後半福岡に追いつかれる。引き分けも覚悟した終了間際、DF福森が相手GKからパスをもらい超ロングシュートで決勝点。ラッキーな形ながらもホーム初勝利を飾った。

 札幌はこの1週間、前節の反省から単純なロングボールに頼った攻撃ではなく、ボールを保持しながらゴールを狙うことを目標に課題を修正してきた。

 その意図は試合序盤から伝わり、成果は前半15分に現れる。DFパウロンが前線のFWナザリトにグラウンダーでくさびのパスを通すと、裏に抜けたFW都倉にワンタッチではたく。ボールを受けた都倉は目の前のDFを大きなフェイントでかわし、ペナルティーエリア外から左足を振り向く。体重の乗ったスピードのあるボールがゴール左隅に突き刺さった。

 その後、札幌は試合を優位に進めるものの、追加点を奪うことが出来ず前半終了。1点リードで折り返したが、後半12分、福岡にDFラインから一気のロングボール攻撃を受ける。右サイドでこぼれ球を拾った福岡FW中原が中央へセンタリングを送ると、中央で待っていた福岡MF城後が頭でフワリと後方に流す。これにフリーで走り込んできた福岡FW坂田のダイレクトシュートで同点。

 ホームで白星の欲しい札幌は、今季初先発となったMF古田のキレのあるドリブルシュートや、ナザリトの決定的なチャンスも枠を捉えきれず、追加点には至らない。終了のホイッスルが近づき、このままドロー決着かと思われた後半44分にドラマは待っていた。

 福岡GK笹川が、札幌が大きくクリアーしたボールをフリーで拾い、センターサークル手前で余裕を持って近くの選手へパス。しかし、このパスを抜け目なく読んでいたDF福森がインターセプト。落ち着いてキーパーの横を抜けるカーブをかけたロングキックで、ボールは無人のゴールへ向かう。一瞬の静寂の後、ネットに吸い込まれると札幌サポーターは大歓声。結局、この1点が決勝点となり、2−1で福岡を下した。

 次節札幌は、3月29日にアウエーのNACK5スタジアム大宮で大宮アルディージャと対戦する。今節あきらめずにつかんだ勝ち点3。これを良い流れとして、連勝のスタートダッシュとしたい。

 (試合の写真はいずれも3月21日、札幌ドーム、撮影・石井一弘)


 上写真/前半15分、コンサドーレ札幌はFWナザリト(50番)の絶妙なパスを受けた都倉(9番)が、左足で豪快に先制ゴールを決める。右は内村。福岡22番はDF中村



 上写真/前半15分、先制ゴールを決めた札幌FW都倉(9番)がアシストしたナザリト(50番)と抱き合ってこの表情、右へMF堀米、福森


 上写真/前半22分、今季初先発した札幌DFパウロン(3番)がFWナザリト(50番)へパスを出す。攻守に奮闘した


 上写真/前半36分、福岡MF鈴木(33番)のFKに壁を作って守る札幌の選手たち。左からMF河合(4番)、DFパウロン(3番)、FW都倉、ナザリト(50番)、福森(24番)、中央左31番はMF堀米


 上写真/後半12分、福岡FW坂田(11番)が同点ゴールを決めMF末吉(15番)とタッチ、左へDF阿部(3番)、MF城後(10番)。札幌GKク・ソンユン(25番)は膝をついてガックリ。右はFW内村(13番)


 上:上段写真/後半44分、札幌は福岡の左FKからFW都倉がブロックしてボールは福岡GK笠川へ、笠川のパスを札幌MF福森(24番)がセンターライン付近でカットして、がら空きとなったゴールへシュート。ゆっくりと転がるボールにFW都倉(右)が「入るぞー!」と言わんばかりの表情
 上:下段写真/ボールがゴールに入ったのを見届けて札幌MF福森(24番)がガッツポーズ。これが決勝点となり、福森の移籍後初ゴールとなった


 上写真/後半44分、決勝ゴールを決めてベンチ前でもみくちゃになる札幌MF福森に、一緒に川崎フロンターレから移籍してきた稲本(右端)も祝福


 上写真/福岡を2−1で破り今季ホーム初勝利を飾りあいさつする札幌の選手たち。決勝ゴールを決めたMF福森(右から2人目)がこの日のMVP賞を受けた。右端GKク・ソンユンは韓国のU−22代表に選ばれ、しばらくチームから離れる


 上:上段写真/後半39分、MF堀米に代えて投入するニウド(42番)に指示を与える札幌のバルバリッチ監督(左)
 上:下段写真/後半12分、今季から福岡の指揮をとる井原正巳監督(中央)がFW坂田の同点ゴールに拍手を送る

※バルバリッチ監督の試合後のコメントは、本サイト左にある「コンサドーレ札幌公式ホームページ」バナーから、「試合情報ページ」でご覧いただけます。

アビスパ福岡の井原正巳監督のコメント
 「勝ち点を取る目標は達成できなかったが、今までの3試合の中では、いちばん自分たちのサッカーができた。前半は(札幌の)ロングボールに対応出来ていた。失点シーンは、都倉の左足を警戒していたが、シュートもうまかったと思う。(後半1−1になった後)、攻防が続いたが、最後の失点までは、問題はなかった。(GKの笠川については)神山の体調不良もあり、機会を与えることになった。しっかりやってくれたと思う」。
(注、GK神山は13年間、福岡一筋にゴールを守ってきたベテラン。笠川もユース出身の7年目。2013年初舞台で、J2リーグはこの試合で3度目だった)。

編集部 写真はいずれも石井一弘撮影