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J2第14節(5月10日)試合運びと守備の不安定さが響き辛くもドロー

09・05・13
 5月10日、アウエー(鳴門・大塚スポーツパークポカリスエットスタジアム)で6位徳島ヴォルティス戦に臨んだコンサドーレ札幌。徳島と勝ち点で並んでいた7位の札幌は、トップ5に入るためにも勝利が欲しかった一戦。2度の2点リードの状況を生かせず、3−3のドロー。順位は変わらなかった。
 
 前半15分までは、両チームとも攻撃の主導権を握れず、単調な展開が目立った。札幌は、クライトンのキープ力から突破口を探り、徳島はキャプテンのMF倉貫を起点としたショートパスから攻撃を試みる。
 
 互いに先制点が欲しい前半18分。札幌は右からのコーナーキックを得る。上がっていたDF西が上手い動きでマークを外し、ヘディングで先制ゴール。これで、ペースを握りかけていた徳島は集中力を欠いた。わずか1分後には、クライトンのスルーパスに徳島GK上野が不用意に飛び出す。これをキリノが難なくかわし、ゴールへ流し込み2−0。
 
 ハーフタイムで修正した徳島は、後半開始から積極的な攻撃を見せる。その流れから後半3分。徳島倉貫のふわりとした上手いパスから、FW佐藤がペナルティエリアに進入。後追いとなった札幌西がバックチャージでPKを献上。これをMF徳重に冷静に決められ1−2。一気に試合は分からなくなった。
 
 激しく試合が動き始めた同9分。札幌が中盤でキリノ、宮澤、クライトンとトライアングルパスでボールが動き、クライトンがダイレクトでスルーパスを通す。これをDFの背後に動き出していたキリノが、ゴールキーパーとの1対1を決め、3−1。再度2点のリードとした。
 
 しかし、後半の徳島は、運動量と集中力を切らさず応戦。同29分には、中盤で札幌のプレッシャーがルーズになったところ、縦パスがあっさりと左サイドの徳重に通り、センターリング。最後は交代で入っていたFW菅原がヘディングで合わせ3−2。
 
 浮き足立った札幌に対し、その4分後。徳島のコーナーキックから、飛び出したGK荒谷が触れず、徳島DF登尾がヘディングでねじ込み、ついに同点に。残り時間、互いに勝ち越し点を狙うも、ドロー。厳しい状況から追いついた徳島には、勝ち点1以上の充実感が見えた。
 
 札幌は、第11節愛媛戦に続き、リードした状況での試合運びが改善されていない。一気に相手にとどめを刺すのか、粘り強いポゼッションから勝利を呼び込むのか。残りの時間、置かれている状況や、相手との勢い、力関係で選手自身が判断しているように見えない。時が過ぎるのを淡々と待っているだけでは、必死に向かってくる手負いの相手を止めることはできない。ここは、主力選手に頼るだけではなく、チーム全体でまとまらなければJ1へ超えられない壁となる。
 
矢田 からす