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プロカメラマン“石井一弘の目”「2014シーズン」

14・12・11
 上写真/今季開幕戦先発メンバー。前列左からDF松本(27番)、MF上原拓(33番)、砂川(8番)、内村(13番)、菊岡(28番)、後列左からGK金山(1番)、DF小山内(26番)、FW石井、MF宮澤(10番)、DF上原慎(14番)、櫛引(25番)。
(3月2日、ヤマハスタジアム、撮影・石井一弘)


 上写真/今季最終戦先発メンバー。前列左からDF奈良(23番)、FW前田(11番)、MF宮澤(10番)、上里(20番)、中原(32番)、日高(2番)、後列左からGK金山(1番)、FW都倉(39番)、DFパウロン(3番)、MF荒野、DF櫛引。
(最終戦の写真はいずれも11月23日、札幌ドーム、撮影・石井一弘)


 今季10位に終わったコンサドーレ札幌。開幕戦と最終戦が同じジュビロ磐田だった。この2つの試合の先発メンバーを見ながら、このシーズンを振り返ってみたい。1勝1引き分けと、日本代表クラスのFW前田やDF駒野らを擁す格上ともいえる磐田にこの成績なら、もっと上位にいてもおかしくない。しかし現実は厳しかった。

 先発メンバーを見比べてみると面白いことに気が付いた。両試合ともに先発しているのはGK金山、MF宮澤、DF櫛引の3人しかいない。しかもGK金山はチーム内のライバル李吴乗(イ ホスン)との併用だった。DF櫛引は開幕戦では負傷で出場できなかった奈良の代役の要素が強いし、最終戦では上原慎が元気であったら、おそらく先発できなかったであろう。となると、シーズンを通して活躍できたのは42試合中、41試合に出場したMF宮澤だけだ。

 もちろん今季は途中で財前恵一前監督からバルバリッチ監督に代わった。戦術により選手の起用法なども違ってくるので一概には言えないだろう。開幕戦で先発したDF松本、MF上原拓、最終戦で先発したMF日高が戦力外通告を受けチームを離れることになった。

 そんな中で今季飛躍的に成長したDF奈良に来季の期待も込めて注目したい。負傷で開幕から2試合と途中1試合は出場できなかったが、以後39試合に出場。これは41試合に出場したMF宮澤に次ぐもので、DFだけに限らずチームの要になってきた。特にバルバリッチ体制になってからは3バックの戦術が多く、不動のセンターバックといえるかもしれない。

 この奈良を中心に、終盤にようやく安定した活躍を見せたパウロン、負傷が癒えるであろう上原慎が戻ってくると、より強いDF陣が出来上がる。その守備を土台に、シーズン半ばから大ブレイクのFW都倉、アジア大会に出場して自信をつけたMF荒野、まだゴールがないのが不思議なくらいで今売出し中のMF中原らがかみ合ってくると、来季は楽しみだ。


 上写真/最終戦、前半30分、コンサドーレ札幌DF奈良(23番)が元日本代表でジュビロ磐田のFW前田(18番)とマッチアップ、手前は札幌のMF上里(20番)


 上写真/最終戦、後半34分、ジュビロ磐田の左CKからの攻撃をコンサドーレ札幌DF奈良がジャンプしてヘッドでクリア、左へGK金山(1番)、MF日高(2番)ら


 上写真/最終戦、後半39分、コンサドーレ札幌のDF奈良(上)がジュビロ磐田のMFフェルジナンド(32番)の首を押さえつけるようにして競る

石井一弘