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J2第42節(11月23日)、今季リーグ最終戦は磐田と引き分けで幕

14・11・28
 コンサドーレ札幌は、11月23日に札幌ドームで3位のジュビロ磐田と今季J2最終戦を行った。試合は前半、MF上里の直接フリーキックで先制も、後半、磐田の反撃に耐えきれず失点し1−1のドロー。これで札幌は15勝13敗14分け、勝ち点は59となったが、順位を1つ下げ22チーム中10位でシーズンを終えた。

 J1昇格はならなかったが、来季に向けて貴重なアピールの場となる一戦。19,634人が集結したホームの大声援を受け、札幌が立ち上がりから積極的に前へ出る。すると、前半8分、見事なゴールで先に試合を動かす。

 左サイドを果敢に仕掛けたMF荒野が倒されてフリーキックを獲得。この左45度の位置から直接狙うのであれば、右利きの選手がセオリー。しかしこれを当然のごとく蹴ったのは左利きのMF上里。得意の左足を振り抜くと、糸を引くような美しい軌道でゴール上角のボール1個分を射抜く。磐田GK八田も必死に飛んだが、ボールはするりとニアサイドに吸い込まれた。

 これで勢いにのった札幌は前線からのプレスを強め磐田にプレッシャーをかけていく。ボールこそ支配されるものの、粘り強い対応から時折鋭いカウンターを発動。MF宮澤のロングパスにMF中原が抜け出し、GKと1対1のビックチャンスを迎えるもこれは決めきれず、1−0で前半終了。

 後半に入ると磐田のペースに拍車がかかるが、GK金山のファインセーブもあり、磐田の猛攻をしのぎながら試合終盤へ向かう。

 磐田の焦りも見え、札幌が逃げ切るかと思われた後半38分、セットプレーから一瞬のすきをつかれる。押し込まれていた流れから磐田に右コーナーキックを与えると、後半から出場していた磐田MFフェルジナンドに頭で合わせられついに同点。

 追いつかれた札幌はMF中原に代えてMF小野を投入し勝負に出る。すると、アディショナルタイムにチャンスがやってくる。右サイドを突破したMF日高が中央へ折り返し、待っていた小野が右足ダイレクトで狙う。ボールはポスト左にそれ、ゴールとはならず。サポーターの深いため息とともにシーズン終了のホイッスルが鳴った。

 試合終了後に行われた野々村社長のあいさつでは、来季もバルバリッチ監督でいく方針であるという話があった。たしかにリーグ終盤で見せたサッカーは来季に期待を抱かせる部分もあった。しかし、新戦力オファー発表のサプライズではなく、自動昇格の2位以内、そしてプレーオフ圏内にも入れなかった総括をまずはしっかりとしてほしい、というのがサポーターの本音ではないだろうか・・・。

 (写真はいずれも11月23日、札幌ドーム、撮影・石井一弘)


 上写真/前半7分、札幌MF荒野(24番)が磐田の元日本代表MF松井(左)、DF駒野(右)の間を割るようにドリブルで突進、たまらず駒野が荒野を倒し先制点を呼ぶFKを得る


 上写真/前半8分、札幌はMF上里(左手前)がFKを直接決めて先制しFKを得たMF荒野(左後方)と喜ぶ。右は駆け寄るFW都倉(39番)


 上写真/前半26分、磐田右CKからの攻撃を札幌DFパウロンがヘッドではね返す、その右GK金山。ゴール裏サポーターが固唾をのむ一瞬だ


 上写真/前半追加タイム3分、札幌MF中原(32番)が抜け出し、磐田GK八田(1番)と1対1になったが止められ、追加点を逃す


 上写真/前半追加タイム3分、1対1をGKに止められた札幌MF中原が思わずしゃがみ込む


 上写真/後半38分、磐田右CKからの攻撃で、後半から出場したMFフェルジナンド(左から2人目の32番)に同点弾をヘッドで決められる。札幌の選手は左からMF宮澤(10番)、中原(32番)、MF日高(2番)、DF奈良(23番)、GK金山(1番)、MF荒野(24番)


 上写真/後半追加タイム3分、久々出場の札幌MF小野(44番)のシュートが外れたが、FW都倉(右)が声をかける


 上写真/後半27分、札幌FW都倉(39番)と磐田DF駒野(5番)の激突シーンを見守る札幌のバルバリッチ監督(右端)と磐田の名波浩監督(左端)

※バルバリッチ監督の試合後のコメントは、本サイト左にある「コンサドーレ札幌公式ホームページ」バナーから、「試合情報ページ」でご覧いただけます。

ジュビロ磐田の名波浩監督のコメント
 「立ち上がりから、いいリズムでボールが動いていましたが、ちょっとスーパーなフリーキックが入った。それは切り替えて、前向きに行こうと選手たちに伝えました。選手も非常にいい前半の戦い方をしてくれました。ただ枠内シュートが少なかったので、ゴールキーパーを脅かすシーンが少なかったのは、ちょっと残念です。勝ち点3を取りに来ましたし、最低限が勝ち点3だったので、勝ち点1は、取りこぼした感が強いです。どこが来ても(会見の時点ではプレーオフの相手が分からず)、全力を尽くして戦います。」

編集部 写真はいずれも石井一弘撮影