９月２３日に札幌ドームで行われた、コンサドーレ札幌対ファジアーノ岡山（４位）のＪ２第３３節。札幌は試合立ち上がりに先制し、一度は同点に追いつかれるも、前半の内に再び１点リード。後半に入り岡山の猛攻を受けるが、試合終盤ダメ押し点を奪い３−１で勝利。１２，８０４人が集結したホームでバルバリッチ新体制の初勝利を飾った。

　前節の敗戦から、システム変更がピタリとはまった。バルバリッチ監督はこれまでの４−２−３−１から３−４−３にチェンジ。サイドの攻防で優位に立ち、試合の主導権を握る。

　開始早々の前半４分、札幌が左サイドから押し込むと岡山ＤＦとＧＫの連係ミスからボールがゴール方向に流れる。これに猛然と追いかけてきたＦＷ都倉が右足のスライディングシュートで流し込み、幸先良く先制ゴール。ボルテージが一気に高まった。

　しかし前半２５分、一瞬の隙を突かれ同点にされる。札幌ゴール前へ蹴り込まれたロングボールから岡山が浮き球でつなぎパス。最後は岡山ＤＦ後藤がダイレクトでミドルシュートを放つと、札幌ＤＦに当たってコースが変わり、ＧＫ李の逆をつきゴールに吸い込まれた。

　振り出しにされ嫌な流れになりかけたが、すぐに得点を奪い返す。前半３０分、またも左サイドからの大きな展開で岡山を揺さぶると、中央で岡山がパスミス。これを奪ったＦＷ前田がドリブルから利き足とは逆の右足を一閃。目の覚めるような強烈ミドル弾で再度１点差とする。

　後半に入ると一転、岡山ペースで進むが、キャプテン河合を中心に全員が体を張った守備で相手の攻撃をシャットアウトしていく。ピンチの場面でも最後まで相手にプレッシャーをかけ、自由にシュートをさせない。

　集中していた札幌は後半４０分、カウンターから途中出場のＦＷ工藤が右サイドを持ち込みセンタリング。逆サイドに走り込んできた都倉が左足のダイレクトボレーでネットを揺らし、勝負あり。これで札幌は１２勝１２敗９分け、勝ち点を４５に伸ばし、順位を１１に浮上させた。

　次節札幌は、９月２８日にアウエーの松本平広域公園総合球技場で２位の松本山雅ＦＣと対戦する。

　（試合の写真はいずれも９月２３日、札幌ドーム、撮影・石井一弘）

　上写真／前半４分、札幌ＦＷ都倉（３９番）は先制点を決め走り出す

　上写真／前半２５分、岡山ＤＦ後藤（３番）が同点ゴールを決める。後藤は自分のミスで先制点を取られていたので、これで帳消しにした。札幌の守備陣、左端手前ＭＦ上里、その後方ＤＦ河合、右へＤＦパウロン（３番）、飛んでいるのはＭＦ宮澤

　上写真／前半３０分、コンサドーレ札幌はＭＦ前田（１１番）が、中央で岡山ＤＦのこぼれ球をさらってドリブル、利き足でない右足で豪快にゴールを決め祝福される。特に先制点を決めたＦＷ都倉（３９番）は、前田の右足を自分の膝の上に乗せ敬意を表す。左からＭＦ上里（２０番）、中原、ＤＦ石井

　上写真／札幌のバルバリッチ新監督の試みる新システムでセンターバックに入ったキャプテンＤＦ河合（４番）が、後半３２分、岡山の右クロスからの攻撃に、ＭＦ片山（３２番）と競り合いながらよく守る。左端ＤＦパウロン

　上写真／バルバリッチ新監督に初勝利を贈った札幌の選手たちがサポーターにあいさつ。中央この試合２得点でＭＶＰとなったＦＷ都倉、その右２点目を決めたＭＦ前田ら

　上写真／バルバリッチ新体制の下での初勝利にゴール裏熱烈サポーターも笑顔で祝福

　上：上段写真／前半２９分、札幌ＤＦ石井（１９番）と岡山ＭＦ片山(３２番)のマッチアップで片山のハンドをアピールするバルバリッチ監督
　上：中段写真／後半８分、厳しい表情でコーチ陣と話し合う
　上：下段写真／初勝利してスタッフと握手

※バルバリッチ監督の試合後のコメントは、本サイト左にある「コンサドーレ札幌公式ホームページ」バナーから、「試合情報ページ」でご覧いただけます。

　上写真／前半２５分、同点にした直後、ＤＦ田所（２５番）に入念に策を伝える岡山の影山雅永監督

ファジアーノ岡山の影山雅永監督のコメント
　「中２日でタフな試合だった。全く逆な試合になってしまった。２節前に松本と戦ったとき、われわれの良さを存分に出し切った（２−１勝利）。その勝利によって、私も選手たちにも、達成感というか安堵感というか、そうゆうものが出てしまった。３日前の愛媛戦（１−１）でも球際ですとか、切り替えの部分で苦しんだ。今日はそれらの部分が全て出て、札幌さんの集中力が勝ったといえるでしょう。失いかけたものを取り返しアグレッシブな個の力を残り９試合に出していきたい。」

　上写真／４００万人目の入場者となり、野々村社長から記念のユニホームを贈られる上原浩二さん、喜美代さん夫妻