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コンサドーレ札幌監督解任 財前氏1年7か月の成績不振にケリ

14・08・30
 上写真/記者会見する野々村HFC社長=HFC事務所会議室で(写真はいずれも8月29日、photo.jun)


新監督は元愛媛FCのバルバリッチ氏

 J2コンサドーレ札幌の運営会社・北海道フットボールクラブ(HFC・野々村芳和社長)は8月28日、財前恵一監督を同日付けで解任することを同社のホームページで発表した。後任には元J2愛媛FCのイヴィッツァ・バルバリッチ監督(52)を充てることを決めた。
 バルバリッチ氏は、ユーゴスラビア(現クロアチア)出身でユーゴスラビアリーグやスペインリーグでプレー、1988年のユーゴスラビア代表、同五輪代表の選手歴がある。指導者としては、1997年からFCアルメーリア・コーチを皮切りにクラブチームの監督、2009年には、ボスニア・ヘルツェゴビナ・コーチなどを経て2012年まで愛媛FCで指揮を執った。札幌の内村圭宏が2か月ほど。石井謙伍が3年間、指導を受けた。当時の成績は09年15位、10年11位、11年15位、12年16位と、際立った成績はない。
 財前氏は、昨年、コンサドの選手上がりの初監督として就任、13年はJ2で8位。今季は28節終了の8月25日現在9勝8分け11敗の勝ち点35で13位に甘んじている。財前氏は「サポーター、そしてクラブ関係者の皆様、1年7か月という短い間でしたが、ご声援いただきましてありがとうございました。このような結果になり、申し訳なく思っています。サポーターの皆様からは、苦しい時もたくさんの声援を頂き感謝しております。これからのコンサドーレ札幌の発展を心から祈っています」とのコメントを出した。


野々村社長が急きょ記者会見

 HFCの野々村芳和社長は8月29日、札幌市内の白い恋人サッカー場のクラブ事務所で記者会見を行い、これまでの経緯や財前恵一前監督の功績、次期監督への期待を語った。バルバリッチ監督は9月3日過ぎに来札の予定で、29節のロアッソ熊本戦は名塚善寛コーチが采配を振るう。またバルバリッチ監督との契約は、8月28日から2015年1月31日までの短期契約。


J1昇格への皮算用

 昇格圏内に入るにはベスト6に駒を進める以外に「後がなくなった」。社長は8月25日に栃木SCと引き分けた時に「すでに決断していた」と語る。財前監督については「ボールポゼッションとアタッキングの点で昨年より成果が上がっていた。数字的に見ても合格。だが、最後の得点に結びつかなかった」。現時点で、ベスト3には勝ち点で16点差(上回るには+1)。残り試合が14あるが勝ち点3が獲れるのは、と考えていくと、「早期治療が必要だった」。日本人の監督も候補に挙げていたが「2010年のワールドカップ南アフリカ大会の対談か座談会でバルバリッチ氏と彼の師匠でもあるオシム元日本監督と話し合ったことがあり、気に留めていた。普通は契約は1年とか1年半とかだけど、短期に合意をしてくれた」と胸を張った。「能動的で、常に闘志をむき出しにしている、闘争心がある」と、コンサドのこれまでの監督、コーチそして選手にも言える「勝つ気合い」を叩き込んでくれるに違いない。


砂川・河合・石井の一言

 まず砂川誠の前監督について「頑張ってやってきたが、結果が出なかったのは、監督だけで無くて我々にも責任があると思うと残念でたまらない」。河合竜二キャプテンの話は「一緒に乗りきろうと話し合ったこともある。残念だが前を向いて頑張らなくては」。3年間バルバリッチ監督の指導を受け愛媛FCから札幌にカムバックした石井謙伍は「闘志にあふれた人。練習中もきついし、試合は勝つことしか考えていないような人だ。しかしやさしい時は後が恐ろしいやさしさ。練習以外でのこと・・・」と。野々村氏曰く「石井の事は試合後の会見で厳しく言っていたようだけど」。


 上写真/監督不在のピッチに集まった名塚コーチらコンサドーレの選手=白い恋人サッカー場で


 上写真/バルバリッチ監督の指導を受けた石井謙伍。記者団の質問に答える=白い恋人サッカー場観客席で

池田淳