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J2第22節(7月20日)、小野効果で2万人が集結。試合は大分とドロー

14・07・24
 コンサドーレ札幌は7月20日に札幌ドームで12位の大分トリニータと対戦。押し込む展開から先制点を奪った札幌だったが、勝利目前で大分の反撃にあい痛恨の失点。1−1で終了とホームで勝ち点2を失う痛い引き分け。これで札幌は8勝7敗7分け、勝ち点を31としたが、順位は1つ下げ10位となった。

 待ちに待った日がやってきた。その男を一目見ようと観客も今季J2最多の20,633人。赤と黒の縦縞ユニホームに袖を通した背番号44番、小野伸二がついに札幌デビューを飾った。

 小野は前半から期待通りの好プレーを見せる。ワンタッチやツータッチでボールを動かし、攻撃のリズムを作った。セットプレーでもキッカーを務めるなど積極的なプレーが光る。

 後半、大分が盛り返し、何度かシュートに持ち込むも札幌GK金山の好セーブに助けられた。すると後半12分、ボールをカットしたMF荒野が持ち込み右のFW内村にパス。これを内村がダイレクトでゴール前へ折り返すと、大外から走り込んだMF宮澤が冷静に合わせ先制ゴール。

 その後、札幌はチャンスを作るも追加点には至らない。後半31分に小野、終了間際には宮澤、内村を下げ逃げ切りを図ったが、最後に待っていたのは落とし穴。

 後半45分、大分MF末吉がゴール前へアーリークロスを送ると、中央に構えていた新加入の大分FWラドンチッチがヘディングシュート。強烈な一撃が札幌ゴールに突き刺さり、2万人のため息とともに勝ち点を取りこぼす結果となった。

 次節札幌は7月26日にアウエーのニンジニアスタジアムで14位の愛媛FCと対戦する。小野の加入で財前監督の掲げるポゼッションサッカーが理想に近づいた。後は結果が伴えば、昇格争いに加われるだろう。

 (写真はいずれも7月20日、札幌ドーム、撮影・石井一弘)


 上写真/後半戦の開幕、新加入の小野のデビュー戦とあって札幌ドームの観客は2万人を越えた。ゴール裏サポーター席は大きな旗が打ち振られ、応援にも熱が入った


 上写真/前半6分、早くも見せ場、MF上里と共にコースを見極める小野。これを小野が蹴ったがゴールの上を越える


 上写真/前半27分、軽快なステップを踏む札幌MF宮澤(10番)、左大分MF松本(14番)、右DF阪田(3番)に挟まれたと見るや、ヒールで後方にパス。この試合の後半、宮澤は1年4か月ぶりのゴールを決める


 上写真/後半3分、タッチラインを越えようとするボールに果敢にジャンプするMF小野(44番)


 上写真/後半6分、大分右CKからFWラドンチッチ(10番)、DF若狭の猛攻を懸命に防ぐ、左端札幌DF櫛引(25番)、GK金山(1番)、DF上原慎(14番)ら


 上写真/後半12分、今季初ゴールとなる先制点を決めたコンサドーレ札幌のMF宮澤(10番)を祝福する右からのクロスでアシストしたFW内村(左端)、基点となったMF荒野(24番)、右端DF櫛引。中央は吉田寿光主審


 上写真/後半45分、大分FWラドンチッチ(右端)の起死回生の同点ゴールに喜ぶMF松本(14番)、FW高松(13番)。「やられたー」という表情の札幌GK金山と悔しがってボールを蹴るDF奈良


 上写真/土壇場で同点とされ1−1の引き分けに終わった札幌チームはまるで負け戦の表情。左でひざに手をやるデビュー戦となったMF小野、中央先制点を決めたMF宮澤(10番)、右端GK金山


 上:左側写真/後半31分、FW都倉と交代して引き上げる小野をねぎらう札幌の財前恵一監督。この時点では、まだ1点リードで表情に余裕がある
 上:右側写真/試合終了後、札幌MF小野(右)に歩み寄って声をかける大分の田坂和昭監督

※財前監督の試合後のコメントは、本サイト左にある「コンサドーレ札幌公式ホームページ」バナーから、「試合情報ページ」でご覧いただけます。

大分トリニータの田坂和昭監督のコメント
 「選手は良くやってくれた。新しい選手も入ってきたので、今までと違ったやり方をトライした。守備は安定して評価できる。前半、相手にボールを保持されたが、後半は相手ミスを奪いカウンターを狙う新たなトライをした。選手たちに言っているが、新しいことにトライできなければ、チームの発展はない。まだまだ足りないが、コンサドーレさんには狙い通りの戦いはできた。」

〔注〕得点したFWラドンチッチは、モンテネグロ出身の30歳。身長193cm、体重92kgの巨漢。日本では2013年から清水エスパルス、14年大宮アルディージャでプレー、7月から大分に完全移籍した。Jリーグでは清水時代15試合6得点。天皇杯3試合1得点。大宮では8試合で0点だった。

編集部 写真はいずれも石井一弘撮影