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J1第3節(3月24日)、山本の2戦連発も実らず、浦和に1−2で敗れる

12・03・27
 コンサドーレ札幌は3月24日、札幌ドームで浦和レッズと対戦し、MF山本の2戦連続弾で先制。しかし、前後半それぞれ1点ずつを決められて逆転負け。リーグ戦2連敗となった。

 この日の札幌は、20日に行われたナビスコカップから11人全ての選手を入れ替え、心身共にリフレッシュした状態で試合に臨んだ。

 このターンオーバー制が功を奏したのか、試合立ち上がりから高い位置でのプレスが効いた。相手陣内で奪ったボールを素早い攻撃につなげる自分たちのスタイルを貫く札幌は、浦和相手に互角の戦いを演じる。

 そして、前半32分、右CKを得た札幌が練習通りのサインプレーで先制点を奪う。キッカーのMF近藤がやや後方、ペナルティーエリア外側へ速いボールを送るとフリーで走り込んだMF山本がトラップ。ボールは浮いてしまったが、ワンバウンドから強烈なボレーでミドルシュートを放ち、浦和ゴール右隅に突き刺した。

 このままリードを生かしたい札幌だったが、地力で優る浦和の攻撃の圧力に押し込まれた。前半ロスタイム、札幌陣内深くから上げられたクロスをペナルティーエリアに侵入した浦和MF柏木にワントラップから豪快に蹴りこまれ同点に。

 後半に入り、札幌は流れを取り戻したいところだったが、後半18分、浦和の攻撃にたまらずDFノースがペナルティーエリアすぐそばでファウル。このFKを柏木に直接沈められ逆転を許してしまった。

 何とか追いつきたい札幌は、キリノ、榊、大島とFW陣を次々に投入するも得点には至らなかった。結局、神戸戦と同じく、先制するも追加点を奪えないまま押し込まれ、最後は逆転されるという悪循環での敗戦。開幕から3戦、戦える手ごたえはつかんでいるだけに、次こそは勝ち点3をもぎ取りたい。

 次節札幌は、3月31日にアウエーのアウトソーシングスタジアム日本平で12位の清水エスパルスと対戦する。

 (写真はいずれも3月24日、札幌ドーム、撮影・石井一弘)


 上写真/前半11分札幌の自陣からのロングボールに浦和GK加藤(18番)がペナルティーエリアを飛び出し、走り込んだ札幌MF内村(13番)が持ち込む。先制点かと思われたが、内村の一瞬のためらいか、戻った加藤に抑えられてゴールならず。左後方DF坪井


 上写真/前半32分札幌MF山本(右端)はMF近藤の右CKから、浦和のDF槙野(20番)、MF梅崎(7番)、DF坪井(2番)らをかわして先制ゴールを決める


 上写真/後半18分浦和のFKからの攻撃、前半ロスタイムに同点ゴールを決めたMF柏木(右端)のボールは、ゴール裏を埋めたサポーターが固唾を飲んで見守る中、壁を作ってジャンプする札幌DFノース(3番)の頭上を越え、逆転ゴールとなる


 上写真/1点ビハインドのコンサドーレ札幌は後半途中から投入した大型FWキリノ(中央)、大島(右端)が後半45分、右FKから浦和ゴール前に迫るも、日本代表クラスのMF阿部(左端)、梅崎(7番)、DF坪井、槙野(20番)、MF鈴木(13番)らの体を張った守備に得点できず


 上写真/1点を追う札幌は後半ロスタイム、試合終了直前の左CKにDF奈良(29番)に加え、GK李昊乗(16番)まで上がってヘディングシュートをするもゴールならず。26番は浦和DF濱田


 上写真/前半45分大声で指示を出す札幌の石崎信弘監督。ロスタイム1分を選手に知らせたのか? この直後に浦和MF柏木に同点ゴールを決められる

「浦和の3バックに戸惑い・・・」

 札幌の石崎信弘監督(54)は「(前半の)ロスタイムに失点、正しいポジションを取っていれば防げた点。残念な結果になった」と、ゴール前へ右からの相手クロスを防ぎきれなかったDFの対応を指摘した。

 「相手が3バックで来たので多少戸惑いがあった」といい、開いて攻めるのか、中央の前田俊介にボールを集めて攻めるのかがはっきりしなかった。「前田に厳しく来ていたので、もっとシンプルにやった方が、相手に読まれなかった」。

 終盤に岡本賢明を左から右にポジションを代えたのも中央突破を嫌って、相手3バックのサイドのスペースを使う狙いもあったようだ。「連敗したが、1週間後を見据えて練習に励む」と貪欲に「初白星」を目指していた。


 上写真/後半37分大きな動作と大声で選手を鼓舞する、今季から浦和の指揮をとっているペトロヴィッチ監督

「われわれのサッカーが出来てきた」

 浦和レッズのペトロヴィッチ監督(54)は、2006年からサンフレッチェ広島を6年間指導、J1・4位を最高に、J2優勝などの戦績を残して今季、就任した。

 まず、札幌の前田俊介は広島時代の教え子、と語り「コンパクトな纏まりがあった」と褒め言葉。前半ロスタイムの同点ゴールに「浦和はここ3試合で見せた強い気持ちが出ていた」といい、この戦いぶりが「コンスタントに出来ればいい」。

 また「18歳の慎也(矢島)はどうだい」と自分から記者団へ質問をする場面もあり、原口元気、田中達也らけが人を抱え、台所事情は苦しいが、まずはホッとした表情だった。


 上写真/「白い恋人」サンクスマッチとあって、キックインセレモニーをする石屋製菓の島田俊平社長

写真はいずれも石井一弘撮影