今のコンサドーレ札幌は、連勝中の勢いから勝ち癖がついたようだ。８月２１日に行われたＪ２第２５節、函館市千代台公園陸上競技場に京都サンガＦ．Ｃ．を迎えた一戦は、先制される苦しい立ち上がりも、後半に２点を取り返し逆転で勝利。今季初の４連勝となった。

　８日間で３試合というハードな日程と、けが人や累積警告により主力数名が出場できず苦しい状況の札幌。試合は、その影響からか序盤から京都に主導権を握られた。中盤でのプレスも効かず京都攻撃陣に押し込まれ、ボールを跳ね返してもセカンドボールを拾えず、守備の時間が長くなってしまった。

　その展開が続いた１３分、やはり先制点を奪われる。その後反撃に出たい札幌だが、思うようにボールをつなげず、フィニッシュまで持っていけないまま前半終了。

　気持ちを入れ替えて臨んだ後半２分、札幌期待のＦＷジオゴがいきなり魅せた。中盤からボールをつないでペナルティーエリア手前中央まで持ち込むと、左足を一閃。ボールはネットに突き刺さり待望の初ゴールが生まれた。この同点ゴールで勢いに乗るかと思われたが、流れは変わらず試合は京都ペースで進む。

　しかし、守備で粘りを見せていた札幌が一瞬の隙をつき反撃に出る。後半２２分にＭＦ砂川からのロングスルーパスに反応したＭＦ近藤が快足を飛ばし、ＤＦを追い抜きながら逆転となるシュートを決めた。その後も京都の波状攻撃にあうが、全員が体を張って守り抜き、厳しい中でも逆転勝利につなげた。

　これで札幌は１１勝４分け６敗となり、勝ち点３７。順位は５位のままだが、昇格圏となる３位との勝ち点差が３ポイントと迫ってきた。

　次節は８月２６日、岡山県にあるｋａｎｋｏスタジアムでファジアーノ岡山と対戦する。

　（写真はいずれも８月２１日、函館市千代台公園陸上競技場、撮影・石井一弘）

　上写真／後半２分同点ゴールを決め“カラスポーズ”で喜ぶＦＷジオゴ（１１番）とゴールの起点となったＭＦ内村（１３番）が走り寄る。左奥はＤＦ上原（２６番）

　上写真／後半２２分相手のボールを奪った札幌ＭＦ砂川からのパスを受けたＭＦ近藤（３２番）が、京都ＤＦ秋本（４番）をドリブルで振り切り左足で流し込み逆転ゴールを決める

　上写真／年１回の函館開催とあってバックスタンドの芝生席で楽しんでいたサポーターが、後半２２分逆転ゴールを決めた札幌ＭＦ近藤（手前）にバンザイや拍手を送って喜ぶ

　上写真／後半２２分逆転ゴールを決めた札幌ＭＦ近藤（中央）が、同点ゴールを決めたＦＷジオゴ（左）とサブのＤＦ岡山（右）から祝福される

　上写真／後半３９分札幌陣内で激しくマッチアップする札幌ＭＦ古田（１５番）と京都ＦＷドゥトラ（９番）、二人は後半２９分から同時に途中出場した。古田の左は札幌ＤＦ日高、ドゥトラの右は先発した札幌の新人ＤＦ櫛引（２５番）、２４番は札幌ＦＷ横野、２３番は京都ＭＦ中村、右端札幌ＭＦ内村（１３番）

　上写真／京都を２−１の逆転で破った札幌の選手たちは試合終了と同時にピッチに倒れ込んだりしゃがみ込んだ。この日の激闘を物語っている

　上写真／京都を逆転で破りゴール裏サポーターの前での“勝利のジャンプ”後、はしゃぎ過ぎのＤＦ岡山（右手前の３４番）に喝を入れる（ように見えた）同じＤＦの日高（２番）に札幌の選手たちは大喜び

　上：左写真／後半３６分大きなジェスチャーで選手を鼓舞する京都の大木武監督
　上：右写真／後半３２分「さて、これからどうする？」若い横野、三上の投入を思案する札幌の石崎信弘監督

　上写真／後半ロスタイム札幌の石崎監督（右）が指を突き上げ「あと２分」と檄を飛ばす。左の京都の大木監督も必死に指示を出す

試合後のコンサドーレ札幌石崎信弘監督のコメント
　「非常に厳しい試合だった。前半は相手のコンビネーションにやられた。全てがリアクションになっており、ハーフタイムに自分たちからアクションを起こすように伝えた。後半は、ジオゴの素晴らしいシュートで息を吹き返した。週３試合の日程でかなり肉体的にも来ていたが、よく頑張った。メンバーが代っているが、投入された選手は、意気に感じて（自分を）レベルアップしてほしい。最後のゴール前は、よく頑張った。自分たちの力で勝ったとは思わない。これからが踏ん張りどころだ。」

試合後の京都サンガＦＣ大木武監督のコメント
　「まず守備が堅いという印象を受けた。勝とうという意欲が空回りして、立て直しが出来なかった。前半はサイドからボールが入っていたのでこちらのペースだった。後半は、点を取られた後、隊形を変えて立て直しにかかったが、攻めながらも決定的なシュートを阻まれた。互いに最後まで良く戦ったと思う。たくさんの応援をしてもらって申し訳ない。また勝ちます。」