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ルヴァン杯(5月24日)、ホームで横浜FMに3−2で逆転勝利

23・05・26
 上:上段写真/ル杯横浜FM戦先発前列左からMF出間、ルーカス・フェルナンデス、田中宏、駒井(14番)、スパチョーク、後列左からGKク・ソンユン(25番)、DF中村、西野、FWミラン・トゥチッチ、DF岡田、MF深井。この試合は19日の京都戦で先発したMF駒井以外はほぼターンオーバーでのメンバーとなり、特に出間、田中宏、西野、岡田の若手が起用された。そしてMF深井が長期離脱から復帰、キャプテンマークを巻いて若いチームを牽引した

 上:下段写真/前半3分、札幌MF出間がジャンプしてヘッドで前線にパスを出す、左へMF深井(8番)、DF中村、GKク・ソンユン、手前横浜FⅯのDF實籐(19番)、右端MF吉尾(25番)

  (写真は5月24日、札幌ドーム、撮影・石井一弘)



 古池や 蛙飛びこむ 水の音(春の日・芭蕉)

  ミシャ公式4連勝 ルヴァン杯3人交代見事


 一茶の後は芭蕉かい? いやいやミハイロ・ペトロビッチ監督が「燃えてますよ」。

 5月の札幌、肌寒い気候は「やがて来る」スカイブルーの予報だろうか。札幌ドームは24日午後4時ごろから「コンサドーレが2度目の再開をする事務所披露」。さらにミシャの「大好きなカップ戦」。何か胸騒ぎがする「札幌場所」になった。

 芭蕉の句は、のどかな春より「胸騒ぎをするだろう」―「もう春が来るなあ」と言う年中行事の「空間だったろう」。

 北海道コンサドーレ札幌も宮澤裕樹、荒野拓馬と昨年の大けがから約255日ぶりに復帰した深井一希の3羽ガラスがいずれ一緒に「ピッチに立つ」、「水の音」を「春来る」、「古池」で味わうだろう、これからへの期待が重なっていた。

 試合の方は、19時03分、JリーグYBCルヴァンカップAグループの5試合目。札幌対横浜F・マリノスとの2試合目。マリノスがグループ1位で札幌、サガン鳥栖にそれぞれ1勝。ジュビロ磐田には2勝のトップで、2位につける札幌との2戦目を迎えた。

 審判団は谷本涼主審(35、香川県出身で昨年国際審判、今季からプロ契約)。副審は武部陽介、船橋昭次。第4の審判は藤井陽一。ドームには5千923人の両軍サポーターらが鳴り物入りで陣取り、気温21.8度、湿度45パーセントの中で声援を送った。

 札幌のメンバーは、GKク・ソンユン、DF西野奨太、中村桐耶、岡田大和、WB(右)田中宏武、(左)ルーカス・フェルナンデス、MF(ボランチ)に深井一希と駒井善成、シャドーに出間思努とスパチョーク、トップにはミラン・トゥチッチ。控えは、GK松原修平、DF福森晃斗、岡村大八、MF青木亮太、浅野雄也、荒野拓馬、FW菅大輝。

 一方のマリノスは、GK飯倉大樹、DF松原健、上島拓巳、實藤友紀、小池裕太、MF藤田譲瑠チマ、吉尾海夏、マルコス・ジュニオール、FW水沼宏太、植中朝日、井上健太。控えは、GKオビ・パウエル・オビンナ、DF池田春汰、畑野優真、MF木村卓斗、榊原彗悟、FW宮市亮、村上悠緋。

 札幌のキックオフで始まった。キャプテンマークは札幌が深井、マリノスは水沼が巻いた。両者の対戦成績はマリノスの20勝5分け7敗。

 開始2分、マリノスGK飯倉がピッチで倒れている。担架で運ばれプレーは出来ない。6分、飯倉OUTオビIN(GKオビは193センチの長身、流通経済大出の日本国籍)。

 前半は、一進一退の展開。札幌DF中村、MF深井にイエローカード。アディショナルタイム3分。0−0で前半終了。


【監督のハーフタイムコメント】
■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメント
 「もう少し落ち着いてプレーしよう」、「後半の入り方大事にしよう」

■横浜F・マリノスのケヴィン・マスカット監督のコメントはチーム発表なし


 後半始まると同時にマリノスの選手交代。ジュニオールOUT榊原IN。同分、札幌も選手交代。これまでに見た事の無い、福森、浅野、荒野の「3人同時交代」。ミシャとコーチ陣の「ご用意交代」。駒井OUT福森IN、出間OUT浅野IN、深井OUT荒野IN。爽快です。何が始まるか。ここからが「試合本番だ」。

 1分、マリノスがFW水沼を中心に札幌を攻める。2分、3分と札幌エリア内をかき回す。4分CKを水沼が蹴る。DFの松原が中央に上がりヘッド。ゴール右に決まり、均衡を破る。マリノス先制で0−1。

 さらにマリノスのFW井上やMF吉尾が絡み札幌ゴールを狙うが、GKクの好捕に遭う。札幌も右サイドの田中宏が相手DFの守りをえぐり、逆サイドのルーカスに浮き球。見事にヘッドで当ててゲット。1−1の同点。

 ここから浅野の右からの攻めが果敢になり、15分田中宏に代えて菅を投入、徐々に攻めの形が出来てきた。20分、右のルーカスから浅野に縦パス、受けた浅野が前方へスルーパス。走り込むトップのトゥチッチが相手GKをかわして得点、2−1と逆転した。

 23分に札幌の選手交代、DF左に入っていた岡田OUT青木IN。さらに相手も植中OUT村上IN。松原OUT木村IN。一時期はマリノスペース。31分、マリノスにCK。左のCKを水沼がキック、榊原が頭で合わせてネットを揺らした。2−2。37分、エース水沼が交代、こちらもけがから復帰の宮市IN。

 札幌は満を持して入った青木にパス。相手のブロックをかいくぐった38分から、右サイドで相手ゴールを脅かす。小技の効くルーカス、右から青木に「ヒールパス」、青木がワントラップから右足を振り抜いた先にはゴールネットが待っていた。3−2の決勝ゴール。福森・浅野・トゥチッチ、何となく役者がそろったようだ。

 JリーグYBCルヴァンカップAグループ順位
1位:横浜F・マリノス 勝ち点12 4勝 0分け 1敗  
2位:コンサドーレ札幌 勝ち点10 3勝 1分け 1敗
3位:サガン鳥栖    勝ち点 4 1勝 1分け 3敗
4位:ジュビロ磐田   勝ち点 3 1勝 0分け 4敗
次回のルヴァンカップAグループ第6節は6月18日午後6時から札幌ドームでジュビロ磐田と対戦する。

 次戦、2023明治安田生命J1第15節北海道コンサドーレ札幌対名古屋グランパス戦は、5月27日午後1時から札幌ドームで行われる。


 上:上段写真/前半4分、横浜FMのGK板倉(21番)が右太ももを押さえて倒れる、谷本主審がタンカを要求している、DF松原(27番)、上島(15番)が心配そう

 上:中段写真/前半5分、横浜FMのGK板倉がタンカに乗せられて退場

 上:下段写真/前半5分、横浜FMのGK飯倉の試合開始早々の負傷退場でベンチは対応に大わらわ、GKオビ・パウエル・オビンナ(50番)がケヴィン・マスカット監督(左から2人目)に呼ばれ、MF藤田譲瑠チマ(16番)には何事か指示をする


 上:写真/負傷から約8か月ぶりに復帰した札幌MF深井(左)がキャプテンマークを巻いて先発、前半17分、横浜FMのFW井上(17番)とマッチアップ


 上:上段写真/前半29分、右サイドをドリブルで駆け上がる札幌DF西野(左)、右は横浜FMのFW井上(17番)

 上:下段写真/前半42分、中盤で激しくボールを奪い合う札幌MF出間(右から2人目)と横浜FMのMF吉尾(右端)、他の選手は左へ横浜FMのDF小池、札幌MF田中宏(30番)、西野(47番)


 上:上段写真/後半4分、横浜FMのDF松尾(27番)が先制ゴールを決める、札幌GKク・ソンユンが飛びつくが及ばず

 上:下段写真/後半4分、先制ゴールを決め喜んでベンチ方向へ走り出す横浜FMのDF松原(27番)、ぼう然とする札幌DF中村(6番)、西野(47番)、横浜FMの選手は右からFW井上(17番)、DF上島(15番)、FW植中(14番)、後半頭から途中出場していたMF榊原(35番)


 上:上段写真/後半12分、札幌MFルーカス・フェルナンデス(7番)がMF田中宏の右からのクロスを頭で合わせ同点ゴール、今季初得点を決め左手にキスをしながらベンチ方向へ走り出す。左はガックリと肩を落とす横浜FMのDF上島とMF吉尾(右)

 上:下段写真/後半12分、札幌MFルーカス・フェルナンデス(右手前)が同点ゴールを決め浅野(18番)に祝福される、左へFWミラン・トゥチッチ、MFスパチョーク


 上:上段写真/後半20分、札幌FWミラン・トゥチッチ(左)が横浜FMのGKオビ・パウエル・オビンナにボールを一瞬触られるが、かわす形で、逆転ゴールを決める

 上:下段写真/後半頭から途中出場していた横浜FMのMF榊原(左手前)が後半31分、同点ゴールを決める。札幌の選手は右端GKク・ソンユン、左へMFルーカス・フェルナンデス、DF西野(47番)、MF菅、19番は横浜FMのDF實藤


 上写真/後半39分、勝ち越しゴールを決めチームメイトにもみくちゃにされ手荒い祝福を受ける札幌MF青木(11番)、左へDF西野、FWミラン・トゥチッチ(32番)、MFスパチョーク、浅野(18番)


 上:上段写真/勝利して並ぶ札幌の選手たちだが、勝ちチームとは思えない不穏な雰囲気、MF荒野(左端)が終盤のGKク・ソンユン(右端)のプレーに苦言、福森(5番)や西野がなだめる

 上:下段写真/ベンチに戻っても怒りが収まらない荒野(27番)を赤池ゴールキーパーコーチ(左)とGK菅野がなだめる、珍しいシーンだ


 上:上段左写真/後半25分、ベンチに向かって何やら指示を出す札幌のペトロビッチ監督

 上:上段右写真/前半19分、副審に厳しい表情で抗議する横浜Mのケヴィン・マスカット監督


■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメント(一部抜粋)
 「多くの方が予想したとおりの展開だと思います。互いに攻め合う展開になりました。思っていたとおりの展開でした。選手たちは攻撃的に戦う中で3得点し、それ以外に得点できるチャンスを作れていた。ハードワークをする中で、そういう戦いができた。唯一、CKからの2失点はいただけないが、選手たちはよくやってくれたと思います」


■横浜F・マリノスのケヴィン・マスカット監督のコメント(一部抜粋)
 「自分たちは勝つために敵地に来ました。その結果は悔しいものになってしまいましたが、見てもらったとおり若い選手を起用したり、交代で宮市(亮)を投入したり、そして良いゲームもしてくれました。こうした結果からどう学ぶかがすごく大事だと思います。出た選手たちは良い経験にしてほしいです。結果は悔しいです。でも、たくさんのチャンスを作り、ゴールを奪った。こうした中で得たチャンスを次にどのようにモノにするか、だと思っています。選手たちはよく戦ってくれました」


池田淳 写真はいずれも石井一弘撮影