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J1第29節(9月11日)、ホームで磐田に4−0で快勝

22・09・16
 上写真/前列左からMF菅、ルーカス・フェルナンデス、ガブリエル・シャビエル、駒井、FW興梠、後列左からGK菅野(1番)、DF田中駿(2番)、MF高嶺(6番)、DF岡村、MF金子、DF福森。前節の荒野に代わり、福森がキャプテンマークを巻いた

  (写真は9月11日、札幌ドーム、撮影・石井一弘)


 勝ち点6でベスト10入り確実

  ミシャ福岡・浦和・清水が狙い目


 「札幌が今季初の2連勝」。9月12日は日刊紙が休刊、スポーツ紙の見出しがはずむ。振り返ると今季のミシャ・コンサドーレは出だしから変だ。6試合連続「引き分け試合」。終盤に入り、前節の28節はC大阪と接戦の末2−1、9月11日は最下位・磐田に4−0で「連勝」した。

 しかし、ミハイロ・ペトロビッチ監督は「ブラボー」と、「ベストメンバー」になってきたと―、少しは喜ぶかと思いきや「まだまだ」と11日の試合終了後の記者会見で浮かぬ顔。「ミシャ、あと2試合勝てば何とかなる」となぐさめたが、いつもと違う。グレートブリテンの女王が亡くなった「アーメンだね」と、はぐらかして別れた。

 9月11日の試合の方は、1万4千117人の大観衆の中、ピッチ上の井上知大主審(44、兵庫県出身)に「J1通算主審100試合出場」の記念花束を家族から送られてキックオフ。このセレモニーは初めて見たよ。副審は大川直也と村井良輔。第4の審判は眞鍋久大。VAR飯田淳平(主審格)、AVAR田尻智計。

 屋内気温は24.9度、湿度46パーセント。13時09分、磐田のキックオフで始まった。

 札幌は3−4−2−1のいつもの布陣で、GK菅野孝憲、DF田中駿汰、岡村大八、福森晃斗、WB右ルーカス・フェルナンデス、左は菅大輝。ボランチのかじ取り役は高嶺朋樹と駒井善成(前節のC大阪戦は荒野拓馬が入っていたが今回は駒井)。FW陣のトップは興梠慎三。シャドーにガブリエル・シャビエルと復帰2戦目の金子拓郎。サブにはGK大谷幸輝、MF青木亮太、荒野拓馬、スパチョーク、深井一希、FW小柏剛、キム・ゴンヒ。多分、今のベストメンバーだろう。

 ジュビロ磐田のスタメンは、GK三浦龍輝、DF山本義道、大井健太郎、伊藤槙人、MF上原力也、松本昌也、鈴木雄斗、山本康裕、遠藤保仁、FW杉本健勇、金子翔太。控えは、GK梶川裕嗣、DFリカルド・グラッサ、MF吉長真優、黒川淳史、ドゥドゥ、FW大津祐樹、ファビアン・ゴンザレス。

 フリーキッカーの札幌・福森と磐田の背番号50番遠藤の対戦も見ものだ。両者とも「スロースターター」との情報もあり、札幌ドームの記者席のテレビをNHKにセットすると往年のコンサド・プレーヤー播戸竜二君が解説者。最近あちこちでサッカーの解説をしている。2000年ごろ岡田武史監督の下で頑張っていたネ。

 キャプテンマークは札幌が福森、磐田は大井。ちょうどキックオフの日が11日「イレブンの日」で北のサッカーアンビシャスの発行日。これまでの対戦成績などを入れて書いたのが「王道」での「札幌が勝ち」、対戦成績を12勝5分け12敗の五分五分にする。さらに得点機は「後半に集中している」と書いた。

 びっくりした。前半10分に札幌が先取点。8分に磐田ペナルティーエリアの右手前で札幌のMF金子が相手キャプテンの大井に倒された。井上主審がVARを見て大井に「イエローカード」。ペナルティーアークの右手前。約25メートル地点。右に福森。左に駒井。福森の左足に決まっていたが、駒井が最初に仕掛けた。仕切り直しで福森の左足のインカーブ。相手GKはゴール左。駒井が右足の振りをしたので、GKは左から離れられなかった。福森の左足インカーブは右ゴールポストの上部1メートル四方に吸い込まれた。最近はCKもあまり蹴らない福森で、ルーカスや菅任せ。久しぶりに見た「美技」だった。

 さらに札幌は21分、これからの札幌を背負って立つ田中駿−金子−興梠のパスワークで、最後は名古屋グランパスからの使者・シャビエルの初ゲット。2−0とリードして前半を終わった。 


【監督のハーフタイムコメント】
■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメント
 「落ち着いてボールを動かそう」、「リスク管理をしっかりすること」、「最初の15分しっかり集中しよう」

■ジュビロ磐田の渋谷洋樹監督のコメント
 「ロングボールに対して全員が戻る意識を持つこと」、「深く入れてサポートに入る。それを連続すること」、「自信をもってハードワークを最後まで」


 後半からの選手交代。札幌の興梠OUTキムIN。磐田は、山本義OUTグラッサIN。山本康OUT大津IN。

 2分過ぎ、シャビエルが中央でボールを左右に配給するプレー。来札して「やっとチームになじんだ」感じ。今後は、名古屋戦は無いが、青木とともに「得点源」を目指してほしい。   

 16分磐田の交代。大井OUT吉長IN、杉本OUTゴンザレスIN。18分、磐田3年目の遠藤は「どこ?」得意のCKは、ゴール前の詰めが悪い。20分にもFKのチャンスがありFWのゴンザレスが突っ込むが得点には結びつかない。この直後、右ライン際の札幌MFルーカスが背後からスライディングタックルを食らう。主審が即座に「レッドカード」。DFグラッサが即退場になった。

 30分、札幌は福森OUT深井IN。35分、磐田の遠藤OUTドゥドゥIN。41分札幌は菅OUTスパチョークIN。シャビエルOUT小柏IN、駒井OUT荒野IN。

 ここで札幌に追加点。45分、磐田左サイド深くでMFスパチョークとルーカスがパス交換でキープしながら、ルーカスが高嶺に渡し、少し下がった位置に戻っていたスパチョークにパス。リターンを受けた高嶺が磐田ゴール前に持ち込みシュート。ゴール前の磐田DFに当たり「オウンゴール」。

 アディショナルタイム6分。札幌は両サイドで「ため」を造りながら攻守の展開。51分、右サイドの金子からFW小柏にスルーパス。ゴール前を横滑り。ピッタリ右足に着いたコントロールからシュート。磐田はなすすべもなく失点、4−0の大差で敗れ去った。

 シュート数は、札14−3磐、CK札2−3磐、FK札18−19磐、PKなし。
                                 
 2022明治安田生命J1リーグ第30節横浜F・マリノス対北海道コンサドーレ札幌戦は、9月18日午後2時から、日産スタジアムで行われる。


 上写真/前半5分、磐田の右サイドからのクロスに、札幌GK菅野(手前)が磐田MF上原をかわしてバウンドを合わせてキャッチ


 上:1段目写真/前半9分、1分前に札幌MF金子が磐田DF大井(3番)に倒されて得たFKで、MF駒井(その右)と相談しながら、壁の位置を入念に指示するDF福森(5番)。この後、まず駒井がフェイントで仕掛け、福森が打って先制ゴールを決める、約2年振りのFK直接弾だった、左端磐田MF上原(7番)

 上:2段目写真/前半10分、札幌DF福森が、MF金子が磐田DF大井(3番)に倒されて得たFKを、直接決めて先制点をあげる

 上:3段目写真/前半10分、直接FKで先制ゴールを決めたDF福森(5番)を抱いて喜ぶMF高嶺(6番)、右へガブリエル・シャビエル(18番)、DF田中駿(2番)、右端FW興梠(23番)

 上:4段目写真/前半10分、直接FKで先制点を決めた札幌DF福森が、ペトロビッチ監督の目の前で派手にパフォーマンス、監督も満足気


 上:1段目写真/前半20分、札幌左サイドのスローインからMFガブリエル・シャビエルが体を反転させてゴール方向へ攻めるが、磐田DF山本義(左端)に阻止される、しかし何やら予感が・・・。右手前磐田FW杉本、その後方MF遠藤

 上:2段目写真/前半21分、札幌左サイドのスローインから中央FW興梠が右のMF金子に出し、その折り返しを走り込んだMFガブリエル・シャビエル(上)が押し込み、加入後の初ゴールを決める、手前磐田GK三浦

 上:3段目写真/前半21分、札幌MFガブリエル・シャビエルが札幌移籍後の初ゴールを決めGKを見ながら「どうだ!」と言わんばかり

 上:4段目写真/前半21分、札幌の2点目を決めたMFガブリエル・シャビエル(右から3人目)を囲み喜ぶ選手たち、ポールの陰DF田中、右へMF金子(9番)、高嶺(6番)、FW興梠、右端走り寄るMFルーカス・フェルナンデス(7番)


 上:上段写真/前半40分、MF駒井(右)と金子がドリブルで駆け上がる絶妙なコンビネーションを見せる

 上:下段写真/前半45分、磐田左CKからの攻撃を懸命に守る札幌の選手たち、ゴール裏熱烈サポーターたちも熱く後押し


 上写真/後半20分、後半頭から出場していた磐田DFリカルド・グラッサ(左端)が札幌MFルーカス・フェルナンデス(7番)を倒しレッドカード、一発退場となった。磐田のMF上原(7番)や松本(14番)らが井上主審に詰め寄っている


 上:上段写真/後半45分、札幌MF高嶺が磐田MF鈴木(17番)をかわしてゴールに迫る、GK三浦

 上:下段写真/後半45分、ダメ押しともいえる3点目のゴールを決めた札幌MF高嶺(6番)がゴール裏サポーターに向かって左手をかざしてアピール、FWキム・ゴンヒ(その左)、MFルーカス・フェルナンデスが笑顔を見せる


 上:上段写真/後半追加タイム5分、札幌MF小柏(19番)が自陣でFWキム・ゴンヒのポストプレーを受けて独走しシュートするが、磐田DF伊藤(6番)にクリアされる、左MF上原(7番)

 上:下段写真/後半追加タイム6分、直前にシュートを阻まれてからわずか33秒後、札幌MF小柏が金子のパスを受けて、ダメ押しのダメ押しとなる4点目を決め笑顔。今シーズンは、けがに悩まされ5月から出場出来ず、8月から復帰。嬉しい今季初ゴールとなった


 上:上段写真/磐田を4−0で破り今季初の2連勝とあって、ペトロビッチ監督(左端)と一緒になって円陣を作って喜ぶ札幌のスタッフや選手たち、MF駒井(5番のビブス)、その右奥に先制ゴールを決めたDF福森の顔も

 上:中段写真/磐田を4−0で破り今季初の2連勝とした札幌の選手たちに、ゴール裏サポーターから熱い声援が送られた

 上:下段写真/この試合のMVPを獲得して表彰された札幌DF福森


 上:上段写真/後半追加タイム5分、小柏のシュートが阻まれても余裕の笑顔だった札幌のペトロビッチ監督、まさかこの直後、小柏が本当にゴールを決めるとは思わなかっただろう!

 上:下段写真/後半22分、レッドカードで一発退場になった磐田DFリカルド・グラッサ(右)をなぐさめる磐田の渋谷洋樹監督

池田淳 写真はいずれも石井一弘撮影