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【再掲載】J1第28節(9月2日)、ホームでC大阪に2−1の逆転勝ち

22・09・11
 上写真/前列左から、MF菅、駒井、FW興梠、MFガブリエル・シャビエル(18番)、荒野、後列左からGK菅野(1番)、DF田中駿、MFルーカス・フェルナンデス(7番)、高嶺(6番)、DF福森(5番)、岡村。キャプテンMF宮澤は、この試合も欠場、キャプテンマークは荒野が巻いた

 (写真は、9月2日、札幌ドーム、撮影・石井一弘)


 チェアマン来道コンサドが似合う

  ミシャ3度目の正直12位以上だ


 野々村芳和チェアマンがJリーグ58チームの「あいさつ回り」を終え、札幌にたどり付いた。ミハイロ・ペトロビッチ監督が来日(2006年6月9日=中国新聞公表)して16年と2か月+9月分。野々村氏50歳、愛称・ミシャ63歳。野々さんが2000年当時の岡田武史札幌監督に誘われてコンサド入り、選手2年を務め、まだ「コンサドーレ札幌」の名前の頃で2012年から役員−社長−会長を歴任した。2013年にスローガンを「北海道と、ともに世界へ」。北海道コンサドーレ札幌に改名したのは2016年。昨季はさらに創設25周年でスローガンに「突き進め」を加えた。

 さて2022年は乱高下。ベスト10入りもあったが、最低16位。第28節を終わり12位(9月3日現在)。札幌対セレッソ大阪戦だけが9月2日の金曜日。まあ!「野々さん歓迎会」と思えば、サッカー好きのSTVの引き回しと中継のDAZNの計らい。久しぶりに曽田雄志氏(44)の解説も聞いた。

 試合の方は、札幌ドームに1万778人。まだマスクは取れない。屋内は25.1度、湿度49パーセント。9月2日19時35分のスタート。審判団はお馴染みの「フィジカル・観察力・分析力」の3拍子そろった荒木友輔主審(36、東京都出身)。副審は大塚晴弘、船橋昭次。第4の審判は竹田和雄。VARは山本雄大(主審格)、AVARは浜本祐介。

 両軍のスタメンと主な控え選手を先に紹介しよう。札幌はGK菅野孝憲、DF田中駿汰、岡村大八、福森晃斗、WB右にルーカス・フェルナンデス、同左に菅大輝、ボランチは荒野拓馬、高嶺朋樹。FWトップに興梠慎三。シャドーはガブリエル・シャビエルと駒井善成。サブには、GK大谷幸輝、MF青木亮太、スパチョーク(タイ)、深井一希、金子拓郎、FWキム・ゴンヒ(韓国)、ミラン・トゥチッチ。

 C大阪は、GKキム・ジンヒョン、DF山中亮輔、毎熊晟矢、マテイ・ヨニッチ、鳥海晃司、MF鈴木徳真、為田大貴、奥埜博亮、ジェアン・パトリッキ、FW上門知樹、アダム・タガード。サブはMF清武弘嗣、中原輝、FWブルーノ・メンデス、山田寛人ら。

 札幌のキックオフで始まった。キャプテンマークは荒野と奥埜。最近5試合は札幌の1勝1分け3敗で、札幌は2連敗中。C大阪は3勝1分け1敗。両軍のこれまでの対戦成績は、J1・J2・Jリーグカップ含め、C大阪が上回り14勝6分け10敗。昨季は札幌がホームで0−3、アウエーで2−0と互いにアウエーで勝利している。

 前半は、互いに様子見で、穏やかなスタート。17分過ぎに札幌が攻撃開始か。シャドーに入ったシャビエルがトップの興梠からのパスを受け、強引にシュート。C大阪GKキム・ジンヒョンが難なくキャッチ。その後17分に札幌のルーカスがカットされたボールをシャビエルが追いかけ、C大阪のMF鈴木を後ろから倒してイエローカードを受ける。

 さらに23分、C大阪のDF山中にルーカスが強引なタックル。これもイエローカードが示された。キャプテンマークを付けた荒野がDFラインから持ち上がり攻撃の要を作るが、味方同士の呼吸が合わない。

 アディショナルタイム2分。シャドーに入った駒井がアフターファウルでイエローカードをもらう。どこにいたか見失うほどの動き。何かちぐはぐ。スコアレスで、両軍に堅さ。


【監督のハーフタイムコメント】
■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメント
 「気持ちが入っているのは伝わるが、ビルドアップがうまくいっていない」、「セカンドボールが取れていないので集中しよう」、「後半の入り集中して入ろう」

■セレッソ大阪の小菊昭雄監督のコメント
 「どんどんしかけてトライしていこう」、「粘り強く戦おう」、「全員が全力を出して勝ちきろう」


 ハーフタイムでの選手交代は札幌。福森OUTキムIN。興梠OUT青木IN。

 後半開始からC大阪の攻撃が目立つようになった。奥埜や鈴木の動きが素早い。札幌はDF田中駿のカウンターからのボール回しで、左の菅にボールが回る。さらに高嶺が加わりチャンスメイク。

 13分C大阪も選手交代。FWアダム・タガートOUT山田IN。パトリッキOUT中原IN。この後C大阪の攻撃が続き、札幌はGK菅野の好捕が光る。15分過ぎから今度は札幌。右側のルーカスから駒井。さらにDF田中駿のアーリークロスに荒野−青木が。さらにDFの岡村が攻めに入る。

 22分、C大阪ベンチに清武の姿。23分上門OUT清武IN。札幌も27分、ルーカスOUT金子IN。金子の登場で札幌が勢いを増す。30分荒野OUT深井IN。31分菅サイドからの攻撃が激しい。ゴール前でシャビエルが待ち受けるもゴールは遠い。

 31分、C大阪の為田OUTメンデスIN。この後、札幌の攻撃陣に変化が。フィールドプレーヤーが全員でゴールを目指しC大阪の陣地へ。

 すると33分に隙を突かれた。清武が駒井の守りに遭い、ボールはペナルティーエリアの右にいた中原にこぼれ、左足でキック。ボールは大きくカーブして札幌ゴール左に吸い込まれた。1−0でアウエーのC大阪がリード。

 開始から80分近く得点の無かったドームは、異様な雰囲気に包まれた。札幌はホームの意地を見せたい。36分、菅のCKが的外れ。すぐ37分菅OUTスパチョークIN。

 38分からシャビエルやスパチョーク、金子、田中駿、キム・ゴンヒらが敵陣になだれ込む。41分実を結んだ。シャビエルが持ち込みゴール前に。右から走り込んだ韓国からのデビュー2戦目、キムのヘディングシュートがゴール右隅に入った。

 これで1−1の同点。アディショナルタイムは4分。47分、札幌は左からの攻め。48分高嶺が左からセンタリング。背番号18シャビエルが反応するが止められる。次はセンターサークルまで押し戻される。

 49分、左側からの攻め。スパチョークが相手DFを引き付けてのセンタリング。ペナルティーエリア中央に走り込んだ青木のシュートはゴール左に打ち込まれた。やっぱり青木だった。今季の得点はこれで5点目。

 シュート数は、札11−12C大坂、CK札3―8C大阪、FK札6−10C大阪、PKなし。
 
 2022明治安田生命J1リーグ第29節北海道コンサドーレ札幌対ジュビロ磐田戦は、9月11日午後1時05分、札幌ドームで行われる。


上:上段写真/前半31分、札幌MF菅(中央)が左サイドを駆け上がり、C大阪MF鈴木(左)をかわしてシュートしたが惜しくもゴール右にはずれる、右DFマテイ・ヨニッチ

 上:下段写真/前半40分、C大阪右CKからの攻撃で、DFマテイ・ヨニッチ(22番)と札幌DF岡村(50番)がヘディングで競う、ゴール裏札幌サポーターは懸命の声出し応援


上写真/後半33分、途中出場したC大阪のMF清武のスルーパスを札幌MF駒井がカット、ボールがC大阪攻撃陣の右サイドに流れ、同じく途中出場したMF中原に先制ゴールを決められ、ピッチに突っ伏す札幌GK菅野(左端)とひざをつくDF岡村(50番)、中央ガックリのキャプテンマークを荒野から引き継いだMF深井


上:上段写真/後半36分、札幌右CKからの攻撃で、FWキム・ゴンヒ(37番)が攻め込むがC大阪DF毎熊(16番)、マテイ・ヨニッチの堅い守備に左へパスを出さざるを得なかった、しかしながら、ゴールの匂いが出て来た

 上:下段写真/後半39分、途中出場の札幌MFスパチョーク(中央)が、C大阪MF奥埜(右)を制しながらドリブルで突進、左端DF山中(6番)


上:上段写真/後半41分、札幌FWキム・ゴンヒ(37番)がMFガブリエル・シャビエルの左サイドのクロスからヘディングで同点ゴールを決める、左C大阪DF山中。キム・ゴンヒはチームに合流して2試合目で早くも結果を出した

 上:中段写真/後半41分、札幌FWキム・ゴンヒ(37番)が同点ゴールを決める、後方でMF金子がスタンドのサポーターと一緒にバンザイ、右C大阪DFマテイ・ヨニッチ

 上:下段写真/後半41分、同点ゴールを決めた札幌FWキム・ゴンヒ(37番)が両手を上げてゴール裏サポーターにアピール


■北海道コンサドーレ札幌のキム・ゴンヒ選手のコメント
 「自分が得点した場面はとても気持ちよかった。その前までのプレーで味方の(ガブリエル)シャビエル選手がちょくちょく自分のほうを見てくれていたので、彼からパスが出てくることは予想していた。そして実際にパスを送ってくれて、それもすごく良いパスだった。シュート自体は難しい形だったが、良いゴールになって良かったと思っている。

 足に痛みがありコンディション自体は100%ではなかったが、トレーナーやスタッフがとてもよくしてくれたので、100%に近いコンディションで試合に出ることができた。とても感謝している。次の試合も大事な試合なので、まずはそこに向けてしっかり準備をしていきたいというのが現在の気持ち」


上写真/後半44分、負傷癒えて途中出場した札幌MF金子(9番)が右サイドを駆け上がりシュートするが、惜しくもゴール上にはずす、手前C大阪MF鈴木(17番)


上:上段写真/後半45分、C大阪FW山田(左端倒れている)のシュートを鋭い目で追う札幌GK菅野(右端後方)

 上:中段写真/後半45分、途中出場したC大阪FW山田のシュートに飛びついてキャッチする札幌GK菅野

 上:下段写真/後半追加タイム3分、C大阪DF山中が左サイドを駆け上がり、GKと1対1の状況で山中のシュートを札幌GK菅野が横っ飛び、はじき出してCKに逃げ、ピンチを救う


上:上段写真/後半追加タイム4分、自陣からドリブルで駆け上がった札幌MF青木(左端)が、左サイドのスパチョーク(右から2人目)にパス。スパチョークが右足で折り返しのパスを青木へ出す、この後、青木がゴール左へ逆転の決勝ゴールを決める、右端C大阪MF清武

 上:中段写真/後半追加タイム4分、札幌MFスパチョークの折り返しを、青木がゴール左へ決勝ゴールとなる逆転ゴールを決める、左「しまった!」という表情のC大阪キャプテンMF清武(10番)

 上:下段写真/後半追加タイム4分、逆転ゴールを決めた札幌MF青木(11番)に駆け寄り祝福する同点ゴールを決めたFWキム・ゴンヒ、バックスタンドのサポーターたちも一斉にバンザイ


 上:上段写真/札幌MF青木の逆転ゴールが決まった興奮が収まった頃、試合終了の笛、アシストしたMFスパチョーク(49番)を同点ゴールを決めたFWキム・ゴンヒ(37番)とMF高嶺(6番)が祝福、ピッチに倒れているC大阪DF毎熊(右)と明暗が分かれた

 上:中段写真/札幌がC大阪を2−1と逆転で破り、両チーム選手のあいさつが終わり、ベンチへ向かう前、GK菅野(1番)がゴール裏サポーターたちに向けパンチを出して大声を上げる、前節のブーイングに対し「借りは返したぞ!!」と、言わんばかり、同点ゴールを決めたFWキム・ゴンヒ(37番)が笑顔で見つめる、右端負傷癒え久々途中出場したMF金子(9番)

 上:下段写真/逆転ゴールのMF青木(11番)、同点ゴールのFWキム・ゴンヒ(37番)、左端逆転ゴールをアシストしたMFスパチョーク(49番)らがゴール裏サポーターに勝利のあいさつ


■北海道コンサドーレ札幌の田中駿汰選手のコメント
 「絶対に勝たなければいけない試合だったので、勝利できたことを本当にうれしく思っている。チームとしてなかなかうまくいっていない時間帯もあったが、選手同士で声を出し合うことでなんとかうまくリズムを取り戻せたと感じている。今日は守備からリズムを作っていきたいという思いもあったので、セットプレーなどで耐えることができたり、そうしたところからカウンターにつなげることができたことはとても良かった。ただ、試合はまだ残っているし、難しい試合ばかり。より質を高めて戦い抜いていきたい」


上:左側写真/後半45分、同点とした後、更に自分たちのペースとばかり選手を鼓舞する札幌のペトロビッチ監督

 上:右側写真/前半27分、試合の展開はC大阪ペース、ハッパをかける小菊昭雄監督


■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメント
 「観ている方にとってもストレスになったゲームだったと思います。こういう状況の中で勝点3を取ったことは良かった。ただ、内容を振り返れば、もっと良いゲームをしなければいけないことは間違いない。良かったのは、よく走り、戦ったこと。そして何がなんでも勝つという姿勢を表現できたこと。それらが、今日唯一良かった点だと思う。選手たちは直近2試合よりは走り、戦えていた。だが、やはり切り替えの部分、連続した動き、スプリントのところはまだ本来の走力を出せていない選手が多い。そういう意味でも、次節(・磐田戦)までのトレーニングではそうした選手のコンディションを上げていくことをやっていきたい。ケガで離れていた選手は、そうしたところは物足りない。

 磐田は(現在)最下位だが、Jリーグに簡単な試合はない。強い気持ちを持って戦ってくる。そして重要な試合になる。なんとか勝利をつかみ取ることが絶対に必要だと思っています。それを成し遂げるためにしっかり選手と話し合いながらトレーニングをやっていきたいと思います。

 今日の試合は後半、我々は先に失点して厳しくなった。ただ、やはりサポーターの声援が選手を勇気づけたと思っています。本来は、先に失点する展開はブーイングされてもおかしくはない。しかし、そういう中でも勇気づけ、戦ってくれました。1−1になったあとも得点を奪いにいくべく後押しをしてくれました。選手に勇気とエネルギーを与えてくれました。今日の勝点3はサポーターにささげたいと思います」


■セレッソ大阪の小菊昭雄監督のコメント(一部抜粋)
 「残念ながら敗戦という結果になりましたが、両チームとも最後まで勝利を目指してアグレッシブに戦ったゲームだったと思っています。2失点ともカウンターから失点してしまったことはしっかり反省したい。先制し、相手が前がかりになったところを仕留めること、そこは遂行してくれたと思いますが、最後の質、決め切るところ、バランス、リスク管理、そういったところの課題は出たと思います」

池田淳 写真はいずれも石井一弘撮影