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J1第32節(10月16日)、アウエーで横浜F・マリノスに1−2で敗れる。

21・10・18
 マリノスは「まだ首位を目指す」

  ミシャ札幌「過渡期の戦術」


 北海道コンサドーレ札幌のミハイロ・ペトロビッチ監督が「新手の攻守の展開」を披露した。アウエーの横浜・日産スタジアムで、10月16日、明治安田生命J1リーグ第32節、2位の横浜F・マリノスと11位の北海道コンサドーレ札幌との一戦を行った。午後7時からの試合は、雨のち曇りの気温21.8度、湿度85パーセント。東京五輪の会場になっていた為、マリノスにとっては久々のホームに、1万1千502人の観衆が詰めかけた。

 見ていると、1点を争う「好ゲーム」。マリノスの挑戦は、7月のアンジェ・ポステコグルー監督(オーストラリア)から、ケヴィン・マスカット監督(47、オーストラリア)が、引継ぎで「着任」。現在の首位・川崎フロンターレとの差を勝ち点12に縮めており、「諦めていない」。札幌が前半を1点リードして終了、この後の展開は「乞う!ご期待」。
 
 試合は、19時02分。国際審判の笠原寛貴主審(32、福岡県出身)の笛でマリノスがキックオフ。両チームはこれまでJ1とJリーグカップ合わせて27試合行い、マリノスの18勝3分け6敗。今季はマリノスが3−1で先勝している。

 そこで愛称ミシャ監督が、この試合で挑んだのが「素早い攻撃と、前線での素早いディフェンス」。「枠が見えたらシュート」。追い込んで「止める」のではなく「近い者が即つぶしに行く」。

 札幌1点目の得点は、左のCKから。この試合CKはほとんど背番号9金子拓郎が蹴っている。前半24分。WBに入っていた菅大輝が、相手ペナルティエリア左角に。ゴール前のCKは攻めぎ合いで「いつもの通り」。金子からダイレクトに菅の前へ「サイドキック」。菅は約20メートルの左足キックをゴール右隅に決めた。

 札幌の布陣は、GK菅野孝憲、DF田中駿汰、高嶺朋樹、福森晃斗、右WBルーカス・フェルナンデス、左=菅、MF駒井善成と荒野拓馬、トップに小柏剛、両シャドーの金子とチャナティップ。控えには、GK中野小次郎、DF柳貴博、MF青木亮太、小野伸二、FWミラン・トゥチッチ、ドゥグラス・オリヴェイラ、ジェイ(開始7分にルーカスがけがで退場=青木が右WBに入った)。

 マリノスはGK高丘陽平、DF松原健、ティーラトン、MFマルコス・ジュニオール、FW仲川輝人、前田大然ら。特に前田は現時点でのJ1得点王(18得点)。24分の菅の得点後に飲水タイム。

 急きょ、右WBに入った青木が心配だったが、前半は札幌が1点リード。CKは、福森ではなく金子がほとんどキック、独特のカーブにマリノス守備陣も手こずっていた。


【監督のハーフタイムコメント】
■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメント
 「走り負けないように。後半、全員で戦っていこう」、「後半の入りが大事。集中していこう」

■横浜F・マリノスのケヴィン・マスカット監督のコメント
 「前を向いてボールを持てるように、ポジショニングを意識しよう」、「ワイドに開いてスペースを広く使おう」、「ボールを失ったあとのリアクションを素早くすること」


 後半は、マリノスの選手交代。MFの扇原貴宏がDFの實藤友紀に代わり「守備の厚さを増した」。さらに18分にマリノスが2組交代。進んで24分。荒野と柳、チャナティップとDオリヴェイラが交代。29分、マリノスが2人替え。34分にトップの小柏とジェイ。金子とトゥチッチ。「えっ金子が」と驚いた。

 早いのは「機敏で良い」が「早とちりは嫌だ」。的中した。39分マリノスが得点。交代で入っていた實藤が左サイドにいたFWエウベルにパス。札幌DFを切り返してかわしたエウベルはゴール前にクロスを上げ、ペナルティエリア内のFW杉本健勇がヘディングシュートを決め1−1の同点。

 すべての交代が終わっていた42分、札幌・菅のドリブルシュートは、GK高丘が好捕した。

 がぜん盛り上がるマリノス。早すぎた「金子の交代」。ふと、得点王の前田の位置を見た。後半18分に交代で入ったMF天野純が中央にクロスを上げるが、はじき返される。これを天野自身が拾い、再度右足でゴールポストの右にシュート性のクロス。右から飛び込んだ来たフリーの前田が、右足で決勝点をゲット。まったくフリーで、「これが得点王の見識だ」と思った。

 シュート数は、札18−M16 CK札9−M4 FK札15−M17、PKなし。

 2021明治安田生命J1第33節北海道コンサドーレ札幌対アビスパ福岡(8位)は、10月24日午後2時から札幌ドームで行われる。


■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメント(一部抜粋)
 「75分までは札幌が試合を支配し、3〜4点ないし5点を取ってリードしてもおかしくないような展開を作れていた。そうした中で最後は我々が敗れてしまいました。やはり横浜FMが勝利したという意味では横浜FMが強いという評価をされるだろうが、我々が試合の中で相手を十分に上回るところを見せられたことも明らかである。

 勝負を決める最後のところは交代選手の質の差が表れてしまいました。札幌と横浜FMとのクラブ規模の違いと言ってしまえば簡単だが、私としては非常にガッカリした結果となってしまった。ただし、選手たちは悔しい結果に終わった中でも自分自身の戦いというものを見せてくれましたし、強い札幌というものを十分に表現してくれた。今季は多くの試合でこうした良い戦いをしながらもなかなか結果を出せないことが数多くあった。今日もチャンスを決め切ったり、交代選手も含めて試合全体の質を落とさずに戦うという部分があれば結果につながったと思う。ただし、強い札幌をしっかり表現出来たと思っている」


■横浜F・マリノスのケヴィン・マスカット監督のコメント(一部抜粋)
 「難しい試合展開でした。正直、前半は自分たちよりも札幌のほうがチャンスを作っていましたし、2点目を取られてもおかしくない状況でした。後半は自分たちのサッカーをやって逆転勝ちという結果が出ました。今日は久々にファン・サポーターの皆さまとお会い出来てうれしかったです。皆さまのためにも勝利を贈りたかったですし、皆さまのおかげで勝つことが出来ました」

池田淳