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J1第13節(5月9日)、AロペスがJ1通算100試合出場。2−1で徳島下す

21・05・11
 Aロペス J1通算88試合30得点から成長

  「すごいぞ今季」は13節でもトップ


 アンデルソン・ロペスがJ1リーグの得点王の座を「キープしている」。Aロペスの略称で紙上を飾る男は2019年に札幌に来た。ブラジル出身の27歳、185センチ78キロ、左利きの靴は28.5センチ。2016−17年はサンフレッチェ広島に所属、18年は韓国Kリーグに移籍したが再来日し札幌へ。19−20年までで、88試合に出場30得点。みみっちーが得点率は0・34だった。今季は13節を終了、背番号と同じ11得点だ。成功率は0・846。従えているのは、現在・無敗で1位の川崎フロンターレFWレアンドロ・ダミアン(31=ブラジル出身で代表経験もある)の10得点。5月9日現在、同チーム内では、家長昭博(6位6得点)、三笘薫(8位5得点)と迫っている。速報・大久保嘉人(セレッソ大阪)は8位で5得点だが「けがで4週間欠場」を公表した。

 2021明治安田生命J1第13節の北海道コンサドーレ札幌対徳島ヴォルティス戦は5月9日午後3時から四国・徳島県の鳴門・大塚スポーツパーク ポカリスエットスタジアムで行われた(四国と言えば、雪の北海道で開幕出来ない01・02年に高知県に準ホーム扱いでお世話になりました=さらに大塚製薬には深いつながりが=知る人ぞ知る)

 試合の方は、15時3分、気温26度、湿度20パーセント。札幌ペトロビッチ監督が「暑さ対策」を口にするような暑さだった。好天の中4千954人がスタンドを占め、札幌のキックオフ。池内明彦主審(37=広島県出身)のホイッスルで、珍しくMF高嶺のキックで始まった。

 この日100試合(16年、17、19、20年でJ1通算88試合30得点=前出)と言えば、アンデルソン・ロペス。スタメンはGK菅野孝憲、3バックは田中駿汰−宮澤裕樹−福森晃斗。両ウイングバックは右・金子拓郎と左・菅大輝。中央のボランチは深井一希−高嶺朋樹。攻撃型トップは100試合目を迎え緊張のAロペス。両シャドーの小柏と駒井善成(前節からのスタメン変更はチャナティップとジェイ)。控えには荒野拓馬、ドゥグラス・オリヴェイラ、ジェイらが入っている。

 徳島は4−2−3−1の攻守のシステム。前節から5人が外れ、DF陣にドゥシャン(32、セルビア出身)、カカ(22、ブラジル出身)、ジエゴ(25、ブラジル出身)やMFにクリスティアン・バトッキオ(29、アルゼンチン出身)を投入、守備陣を固めた。J2での両チームの対戦成績は札幌の11勝10分け4敗と勝ち越している。

 立ち上がり札幌の駒井、小柏の動きが目に留まる。11分小柏のクロスを相手がブロックCKを得る。福森はショートコーナー(サインプレー)を入れるが、小柏の反応がイマイチ。その後、右サイドで金子の仕掛けも徳島DFジエゴに奪われる。

 22分にもFKを得て福森が逆サイドのクロスを上げるがGK上福元直人にキャッチされてしまう(23分飲水タイム)。

 4分の1の攻防だったが、札幌は右サイドの金子にボールを回せず、左の菅に偏る場面が多い。膠着状態が続くがこれといった「惜しい場面」が無い。札幌唯一の得点機。41分金子が右サイドから持ち上がりクロス、反応したAロペスがヘッドでゴールを狙うが、右ポスト外枠を通過した。=アディショナルタイムは2分=。

 46分、徳島にチャンス。MFバトッキオがCKからファーサイドに上げる。ゴールエリア内でFW垣田裕暉がゴール前にヘッドで送り、背番号11・宮代大聖(川崎からレンタル1年目)に押し込まれた。札幌0−1で後半へ。
 

【監督のハーフタイムコメント】
■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメントはチーム発表なし

■徳島ヴォルティスのダニエル・ポヤトス監督のコメント 
「後半の最初、特に集中しよう」、「相手より動き、ボールを動かし、攻撃の時間を増やそう」、「展開に応じた適切なポジションを意識すること」


 後半は、早々と札幌・高嶺に代わってFWジェイ登場。こんなに早い交代は見たことが無いが、なにやらジェイにも「J1通算50得点目」が懸かっていた(2015年来日、ジュビロ磐田−17年から札幌。J1では108試合49得点)。札幌の巻き返しが「感じられた」。

 8分、札幌がFKを得て福森がキック。相手が触って左CK獲得。ジェイのヘディングシュートは、ゴール正面に飛びクリアされる。「ほんとに惜しかった」。11分再びチャンス。福森が持ち込み相手をかわし左サイドから逆方向にクロス。ファーサイドはジェイ。リターンはヘッドで折り返し。ゴール前のAロペスが押し込み1−1(VAR確認もOK)。
 
 ホッとした23分。小柏OUT荒野IN(24分飲水タイム)。再開後、27分札幌・駒井にイエローカード(背後からの阻止)。30分徳島・宮代にイエローカード(ボールを持った菅を背中から手で押さえる)。さらに選手交代やらCK、FKで試合は行ったり来たり。

 均衡が破れたのは、33分福森のCKや48番ジェイのヘッド。常にトップにいたAロペスがGK上福元のゴール前でのドリブルをカット、得意の左足を振り抜いたのはペナルティーエリアの頂点。ここから得意の左足が「生んだシュート」はゴール上のバーの下側に当たり、ゴール内へ。2−1で逆転した。「ジェイ、Aロペスの高レベル」攻撃場面だった。

 この後、選手交代などが行われたが、アディショナルタイムは8分。最後の戦いを、しのぎを削った試合にしては「8分は長かった」。
 
 シュート数 札3−徳12 CK札5−徳4 FK札11−徳13 PKなし。

 次の試合は、2021明治安田生命J1第14節(11位)北海道コンサドーレ札幌対(1位)川崎フロンターレ戦は5月16日午後3時から神奈川県川崎市等々力陸上競技場で行われる。


■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメント(一部抜粋)
 「札幌市から来た我々にとっては、ハワイのホノルルに来たような気温差がありました。しかし、バカンスに来たわけではありませんから、『しっかりと仕事をしよう』と選手には話をしました。とはいえ、試合が始まると、バカンスに来てしまったような展開になってしまいました。相手のほうがコンビネーションでも我々を上回っていた。セカンドボールも拾われた。そういう中で前半は徳島が取るべくして1−0でリードしたと思います。

 ハーフタイムに厳しい言葉を選手にかけました。サポーター、クラブのためにもっとやらなければいけない、と。そして選手たちはそこからハードワークしてくれたと思います。ジェイ、(アンデルソン)ロペスの2人が前線に入ったことで、前でタメが作れるようになったことも大きかったと思います。徳島が少しずつ動きが落ちてきた中で、我々のペースにすることも出来ましたし、その中で同点、逆転にもっていけたのは良かったと思います」

■徳島ヴォルティスのダニエル・ポヤトス監督のコメント
 「(同点後も)チームは下を向くことなくリズムを取り戻して試合をコントロールしながら進めていました。しかし自分たちのミスで逆転を許してしまった」
池田淳