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J1第10節(4月16日)、創立25周年記念マッチ。横浜FMに1−3で逆転負け

21・04・19
 上:上段写真/前半25分、札幌MF金子(右)と横浜FMのDF小池(25番)が激しくマッチアップする。左は横浜FMのDF畠中(4番)と札幌のMF駒井(14番)。金子は開幕戦以来ゴールから遠ざかっており、そろそろ欲しいところ

 上:下段写真/前半追加タイム3分、札幌MF菅がチャナティップのタテパスで裏を取りシュートするが、横浜FMのDF松原にクリアされる

   (写真はいずれも4月16日、札幌ドーム、撮影・石井一弘)


 コンサド25周年「前評判は極楽」

  「試合は地獄」横浜FMの貫録勝ち


 「クラブ創立25周年記念マッチ」と銘打った試合前のピッチに、荒野拓馬が久々に現れた。「スタメンで腕に腕章」を予想していたが「控え」。ここから「悲劇が幕開けした」。25周年を「糧にする」のか、マリノスのベスト3、今季7連勝を「阻止するのか」。

 期待の札幌ドームには、コンサド初のホーム金曜日ゲームだったが、サポーターの入りは、少なかった。9千222人の「記念マッチ」は主催者側のセレモニーばかり「光り」、スタメンが発表になるころには、「荒野復帰」、さらにジェイ2戦目で「前評判は盛り上がっていた」のに―「夢は夜ひらかなかった」。

 2021明治安田生命J1第10節は4月16日午後7時3分から札幌ドームで、北海道コンサドーレ札幌対横浜F・マリノス戦が行われた。札幌の布陣はGK菅野孝憲、スリーバックは田中駿汰−キム・ミンテ−福森晃斗。ウイングバックは右に金子拓郎−左に菅大輝。ボランチは宮澤裕樹・高嶺朋樹。トップにアンデルソン・ロペス。シャドーは駒井善成とチャナティップ。控えはGK大谷幸輝(39=熊本県出身、186センチ、90キロ、A型)、今季アルビレックス新潟から移籍。ペトロビッチ監督とはその前に在籍していたレッズ時代の仲。DF柳貴博、岡村大八、MF荒野拓馬、青木亮太、ルーカス・フェルナンデス、FWジェイの18人。

 19時3分、ドーム内は気温21.1度、湿度33パーセントの緑の芝が生き生きしたピッチ。谷本涼主審(33=香川県出身、札幌では初の主審?)のホイッスルで札幌が、約200人程度のマリノス陣に向かってキックオフ。横浜F・マリノスのフォーメーションは4バック、2ボランチ+1、3トップ。スタメンは前節からのGK高丘陽平は代わらず、DFに小池龍太、MF喜田拓也、マルコス・ジュニオール、FWオナイウ阿道が入り、前田大然とエウベルの3トップ。MF天野純はベンチスタートとなった。

 キャプテンマークは札幌が宮澤、マリノスは喜田。注目は札幌Aロペスの8得点、マリノス前田の6得点の得点争いだ。両チームの勝敗はJ1、Jリーグカップ戦合わせてマリノスの17勝2分け5敗。今季は初で、札幌が2勝2分け4敗で14位。マリノスは4勝3分け1敗で7位。

 試合の方は、「25周年とうたい」ながら、HG(ホームグロウン)は宮澤、高嶺、菅、荒野のみ。「北海道とともに、世界へ」が泣きそう。無言のパス回しが続く。GK菅野の「声」だけが、むなしい。マリノスは3トップに加え、中央のMF2+1人が前線に加わり4人が札幌守備陣に「食いつく」。

 チャナティップ−菅、金子−駒井が攻守のバランスを取りながら、「ペトロビッチ監督いわく」の「ハイプレス」を見せるが、田中−キム・ミンテ−福森の3バック+宮澤で、「精一杯の守り」。23分攻守の要・金子が「レイトタックル」でイエローカードをもらう(24分飲水タイム)。

 そうです、ここで「新型コロナウイルス」の産物、サッカーは45分ハーフが、覆され25分4分割のスタイルを生み出した。飲水タイムの深読みは「自分の飲み物でクラスターをなくすこと」に違いないが、コーチ・監督が選手を取り巻いていると「作戦タイム」に利用出来る―は、「ご勝手に」だけなのだろうか?

 試合は32分、マリノスMFジュニオールが高嶺に遅れてタックル、イエローカード。この後、菅、福森、チャナチィップが、好機をつかむが、アディショナルタイム3分も過ぎスコアレスドローで、ハーフタイム。


【監督のハーフタイムコメント】
■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメント
 「いい戦いは出来ている。後半走り切ろう」、「カウンターに気を付けよう」、「細かいミスをなくして精度をあげること」、「残り45分走り切って勝とう!」

■横浜F・マリノスのアンジェ・ポステコグルー監督のコメント
 「あわてずにスペースを使いながらボールをつないでいくこと」


 後半はマリノスがキックオフ。2分均衡が破れた。札幌のCK・もちろん福森。珍しくニア。宮澤が頭で反らし、ファーに走り込んだミンテがゴール中央に折り返す。「待ってました」とばかりにAロペスが、ヘディングで決めた。今季9点目のゲット。この後、両チームともCK・FKからのチャンスメイク。

 荒野登場は19分。高嶺が中央ライン付近で足を押さえ座り込む。担架でピッチ外に出て背番号27荒野IN。(25分飲水タイム)。マリノスはMジュニオールが水沼と。扇原が天野とそれぞれ交代。

 32分宮澤にイエローカード。さらに33分宮澤OUT、岡村IN。AロペスOUT、ジェイIN。金子OUT、ルーカス・フェルナンデスIN。3枚替え直後の35分、マリノスは10分前に代わったばかりの天野が札幌ゴール前にパス、FWオナイウが決めて1−1の同点。この後マリノスは36分に2枚替え喜田と渡辺、松原とティーラトンが交代。

 アンジェ・ポステコグルー監督(55=ギリシャ出身、オーストラリア国籍、4年目)が得意のアタッキングサッカーの神髄を見せ1分後の37分、水沼の右サイドからのセンタリングを前田がダイビングヘッド、ゴール左に吸い込まれ1−2の逆転。わずか2分間の逆転劇に「25周年のプライド」は、飛びさった。その刹那、1999年から2001年まで札幌の岡田武史監督が1年間の浪人後、マリノス就任2年連続優勝、2011年河合竜二氏(42、東京都出身=1997−2002年浦和レッドダイヤモンズ、2003−2010年横浜F・マリノス、2011−18年北海道コンサドーレ札幌。引退後「コンサドーレ・リレーションズチーム・キャプテン=CRC」)のマリノスから札幌での活躍など、「人的交流」を思い出した。

 追いつきたい札幌は福森が足をけいれん、見すぼらしい姿を見せた。CKはルーカスも蹴られる。もう私にも、ミシャ率いるスタッフにも「挽回の勇気」は無かっただろう。アディショナルタイムは6分。54分のマリノスの追加点、ダメ押しは、またもやFW水沼が右サイドから札幌ゴール前に進入したFWエウベルにパス。札幌DFミンテをステップでかわし、ゴールネットへ突き刺した。ベスト3を目指す「マリノス」の意地の一発に見えた。

 シュート数は、札17―マリ12 CK札9―マリ4 FK札12―マリ23。

 札幌の次戦は、4月20日午後7時からカシマサッカースタジアムで鹿島アントラーズとJリーグYBCルヴァンカップグループステージ第3節を戦う。

 2021明治安田生命J1リーグ第11節は4月24日午後1時から、札幌厚別公園競技場で北海道コンサドーレ札幌(16位)対ベガルタ仙台(19位)戦が行われる。


 上写真/後半2分、札幌FWアンデルソン・ロペス(11番)が左CKからDFキム・ミンテの折り返しを頭で合わせて先制ゴールを決める。右は横浜FMのDFチアゴ・マルチンス、6番は札幌MF高嶺(6番)

■北海道コンサドーレ札幌のアンデルソン・ロペス選手のコメント
 「後半開始早々の自分の得点のところは、良い形で相手を崩してうまくヘディングで決めることが出来たと思っている。
 (クラブ史上J1最長タイとなる5試合連続得点について)もちろんクラブの歴史に名を刻めたことはうれしく思っています。今季の得点数も9に伸び、そういったところもコーチなどのサポートがあってのものなので、感謝をしなければいけません。ただし、やはり得点を増やしたといっても、今日の試合に勝つことが出来なかったことが本当に悔しい」


 上:上段写真/後半35分、横浜FMのFWオナイウ阿道(45番)が同点ゴールを決める、その左FW前田(38番)、左端札幌GK菅野、右端DFキム・ミンテ

 上:下段写真/後半35分、横浜FMのFWオナイウ阿道(45番)が同点ゴールを決め、ボールを持ってセンターサークルへ急ぐ、その右札幌GK菅野(1番)、左端MF岡村、中央札幌MF駒井(14番)、右奥DFキム・ミンテ、その手前横浜FMのFW前田(38番)


 上:左側写真/後半37分、同点とされた2分後、横浜FMのFW前田に逆転ゴールを決められ渋い顔の札幌MF駒井(14番)とGK菅野(1番)

 上:中央写真/後半40分、札幌DF田中(右)が横浜FMのFWオナイウ阿道(45番)を抱きかかえるようにして動きを封じる

 上:右側写真/後半42分、札幌MF荒野(右)が横浜FMのMF天野(14番)と競り合う、荒野は昨年11月の骨折から5か月ぶりに復帰、後半19分から途中出場、宮澤が33分に交代した以降、キャプテンマークを巻いてプレー、サポーターを安心させた

■北海道コンサドーレ札幌の荒野拓馬選手のコメント
 「ケガをしていたときに支えてくれた人たちへの感謝の気持ちであふれています。ただ、失点のところもボールは取れたと思うし、攻撃のところでももう少し前で関わりたかった。勝利に貢献出来なかったのが残念。試合の中で自分もそうだが、チームとして1人対1人のところで勝てなかったのが失点につながってしまったと感じている。試合から離れていたので、そういったフィーリングのところも慣らしていきたい。ただ、25周年のメモリアルな試合で復帰出来たのはうれしく思っている。次はチームの勝利に貢献出来るように頑張っていきたい」


 上写真/後半43分、札幌左CKからFWジェイ(48番)がヘディングシュートをするが、クロスバーのほんのわずか上に外し同点機を逃す、手前はMFチャナティップ(18番)。横浜FMの選手左からMF水沼(18番)、DFチアゴ・マルチンス(13番)、MF渡辺(26番)、DF畠中(4番)


 上写真/後半追加タイム1分、札幌右CKからFWジェイが横浜FMのMF水沼(18番)と競りながらヘディングシュートするがバーを越えて決まらず、その右DFキム・ミンテ(20番)、右端DF途中出場したDF岡村(50番)、左端横浜FMのDFチアゴ・マルチンス(13番)、両軍選手の表情が凄い


 上:上段写真/後半追加タイム4分、横浜FMのFWエウベル(中央)が時間稼ぎにかかり、札幌MF荒野(右)が猛然とボールを奪いに行く、左横浜FMのMF天野(14番)

 上:下段写真/後半追加タイム5分、直前の横浜FMのFWエウベルのゴールがVARでノーゴールとなり猛烈に怒るオナイウ阿道(右端)をなだめる札幌MF荒野(27番)。左端MFルーカス・フェルナンデス(7番)、GK菅野、谷本涼主審、DF岡村、横浜FMのDFティーラトン


 上:上段写真/後半追加タイム8分、札幌FWジェイがシュートするがGKの正面となりゴールならず、左へMF駒井(14番)、DFキム・ミンテ(20番)、右端横浜FMのMF天野(14番)

 上:下段写真/後半追加タイム8分、札幌FWジェイのシュートをしっかりキャッチする横浜FMのGK高丘


 上:上段写真/横浜FMに逆転負けし沈痛な表情の札幌の選手たち、左からDF福森(5番)、田中、MFルーカス・フェルナンデス、DF岡村、FWジェイ、その後方にGK菅野、MFチャナティップ、DFキム・ミンテ、MF青木(28番)、右端(審判の後ろ)は荒野

 上:下段写真/横浜FMに逆転負けを喫し、しょんぼりとサポーターへのあいさつに向かう札幌の選手たち、左からMF菅(4番)、DF柳、MF荒野(27番)、GK菅野、MF宮澤(10番)、GK大谷、FWジェイ(48番)、アンデルソン・ロペス、DFキム・ミンテ、MF青木(28番)、DF岡村、MF金子


 上:左側写真/前半18分、大きなジェスチャーと大声で選手を鼓舞する札幌のペトロビッチ監督

 上:下段写真/後半37分、横浜FMのFW前田の逆転弾をアシストした水沼(18番)をたたえるアンジェ・ポステコグルー監督

■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメント(一部抜粋)
 「立ち上がりから非常にハードで、素晴らしいゲームだったと思う。洗練されたパスサッカーをする相手に十分に渡り合っていた。後半に1−0とリードしたが、そのほかにもチャンスは作れていて、それを決め切ることが出来なかった。2−0にするチャンスがあったのだが、それを決め切れない中で逆転される展開になってしまった。その中でも同点にするチャンスもあったが、それも決め切れずダメ押しの得点を取られてしまった。選手たちは最後まであきらめずに戦ってくれたが、最後の10分間に決定的な仕事が出来たのが横浜FMで、我々はそれが出来なかった。良い戦いは出来ていながらも勝てない。そういう試合が続いてしまっている。選手を責めることは出来ない。次の試合に向けて、今日の試合をしっかり振り返っていきたいと思っている」

■横浜F・マリノスのアンジェ・ポステコグルー監督のコメント
 「良いゲームが出来ました。内容も素晴らしかったです。チャンスがあった中、なかなか決め切れず、相手はカウンターが怖いチームというのは分かっていました。CKから失点して難しい状況にしてしまいましたが、選手たちのリアクションが素晴らしかったです。最後の最後まであきらめない姿勢、チャンスをモノにし、同点にして2点目を入れても3点目を奪いにいく姿勢を見ることが出来ました。選手たちの素晴らしい気持ちを見られた試合でした」

池田淳 写真はいずれも石井一弘撮影