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J1第34節(12月19日)、駒井・田中弾で浦和にアウエーで快勝

20・12・21
 「ブラボー」宮澤・駒井・ミシャで浦和一蹴

  DF田中駿汰がトドメ刺す

 12月19日の北海道コンサドーレ札幌と浦和レッズの最終節は、近代サッカーの殿堂・埼玉スタジアム2002で行われた。延期を余儀なくされた東京五輪の「若手JAPAN」の発表が17日にあり、DF田中駿汰、MF金子拓郎、高嶺朋樹が選ばれた。金子、高嶺にしてみれば初招集が浦和戦の「活力」になった。今回は選外のMF菅大輝にしてみれば、元気になった姿を見せたい―の「意味ありの一戦」だったに違いないが―。

 2020明治安田生命J1リーグの最終節は、こんな意味ありの戦い。新型コロナウイルス禍で「自粛」が問われる中で、「DAZN」を見ながら「コンサドファン」に伝えるという判断を取った。

 第32節大分戦では、コンサドーレの主な選手の「長所」を取り上げ、第34節浦和レッズ戦では、選手の「短所」を捕らえる予定だったが、2−0の完封勝利で「素晴らしい」ゲームに見入って「花丸印」だった。

 結論は「来季が楽しみ」に代わった。対浦和戦はJ1リーグで5勝3分け10敗になった。

 試合の方は、スタジアムは1万9千319人が入場、アウエーのコンサドーレ席(500人)がいっぱいになった。気温10.7度、湿度20パーセント。午後2時4分、木村博之主審(38=千葉県出身)の笛で始まった。

 勝手知ったる両チーム。札幌の「ハイプレス」に対し浦和は守備固めから入り5−3−2で、コンサドーレの3−4−2−1での攻撃を封じる作戦。しかし、札幌はFWジェイをセンターにFWアンデルソン・ロペスとMF駒井善成を3トップにして、サポートの宮澤裕樹・深井一希が、シャドーの役目になるW&Mの配置を試みてきた。両ウィングバックのMの頂点は左がルーカス・フェルナンデスと右が金子拓郎。Mの下の3バックは右から田中駿汰−キム・ミンテ−福森晃斗。GK菅野孝憲でスタメン。どうです、昔のWMシステムになるでしょう。

 前半24分の飲水タイムあたりまでは、浦和・大槻毅監督は5バックを信じてきたが札幌駒井への縦パスがトップをスルーして入る「危険性」を感じていたようだ。30分にエース興梠慎三が右足首を負傷、退場して9番武藤雄樹と交代する。札幌がやや優勢で前半終了。


【監督のハーフタイムコメント】
■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメントはチーム発表なし

■浦和レッズの大槻毅監督のコメント
 「後半に入ったとき、変化を観察して伝え合おう」、「必ずチャンスはある。落ち着いてボールを回そう」、「「1つ味方を飛ばすパスを意識しよう」、「入りを集中して! この前の試合から学ぼう」

 
 後半は札幌が主導権を握る。金子の突進からの切り返しがハッとするようなチャンスを生む。駒井―ジェイ―Aロペスのノンストップのトライアングル。浦和は攻撃パターンが出来ない。5分に、この攻めの中からAロペスが左足のミドルシュート。ゴール左上のバーにカチーンという音がする、浦和GK西川周作も見送るほどの際どいシュートだった。

 札幌の攻勢が続く。7分ついに均衡が破れる。右サイドのハーフウェーライン上で札幌・金子―宮澤―Aロペスの素早いパス回しからAロペスが抜け出し、右サイドからペナルティアエリア中央付近までドリブル。左サイドをフリーで浦和DF陣の裏に飛び込んだのは駒井。Aロペスからパスを駒井は右足ワンタッチでゴール右へシュートを決めた。この日トップへ出た駒井は「3度目の正直か?」

 駒井の一矢で札幌がきりっと引き締まる。15分にはキム・ミンテとU−23JAPAN初招集のMF高嶺が交代。3バックのセンターにはキャプテン宮澤。浦和も3バックに戻し、20分にMFエヴェルトンと交代した阿部勇樹は3バック中央に入り、DF鈴木とMF青木拓矢が代わった。22分には札幌が2枚代えで、駒井と33番ドゥグラス・オリベイラ、ルーカスと菅が交代。(24分飲水タイム)。

 32分、札幌は金子が白井康介、ジェイが早坂良太の2枚代え。浦和も2枚代えで、24番汰木OUT宇賀神IN。28番岩武OUT武田IN。「DAZN」の解説者は柱谷哲史氏で「福森の左足は抜群、日本はもとより欧州でも注目されるでしょう」との評価だった。

 札幌のダメ押しゴールはU−23JAPAN候補の田中。右CKを福森が蹴り込むと一度相手にクリアされる。ボールを奪い返した札幌は福森が右サイドに残り、これもCKの配置で中央にいた右DFの田中へ横パス。田中はペナルティアーク外側から右足で決めた。GK西川の手をはじくほどの強烈なシュートだった。

 アディショナルタイムは4分。浦和・杉本と札幌・福森にそれぞれイエローカードが出たが、終了の笛。2−0で最終節を白星で飾った。全試合を終わり札幌は勝ち点39で12位(10勝9分け15敗、47得点58失点)。

 ペトロビッチ監督の札幌就任時からの成績は、2018年4位、19年10位、20年12位は過去最悪の順位。浦和は10位(勝ち点46)。

 まだまだ続きそうな新型コロナウイルスとの闘い。毎日体温を測り、「自粛」しています。

 皆様、無事で「良いお年を」。


■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメント(一部抜粋)
 「浦和と対戦するというのはやはりどんなときであっても非常に難しいもので、特にアウェイは多くの観客が入るスタジアムでもありますし、浦和のように大きなクラブと戦うというのは我々にとってどんなときでも簡単ではないことです。試合に関しては、浦和は水曜日に川崎Fとの試合があり、連戦という意味では我々は1週間空いていましたので、アドバンテージはあったと思います。ただやはり、相手がどういう状況であれ自分たちの戦い方は常に同じで、前からプレッシャーを掛けてアグレッシブにボールを奪いに行き、奪ったら速く攻める。相手がしっかりと下がってしまえばボールを動かしながら攻撃を仕掛けていく。そうした我々の狙いは試合を通して出せていたし、しっかりとコントロールして進められたと思います。その中でチャンスを作り、得点を重ね、2−0というスコアで勝利できました」

■浦和レッズの大槻毅監督のコメント(一部抜粋)
 「結果的に残念でした。メンバーがそろわないところを含めて、槙野(智章)などはギリギリのところで最後は絶対に試合に間に合わせたいと、メンバーに入るところまで頑張って持ってきてくれたり、青木(拓矢)もそうでした。残念な結果でした」
池田淳