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J1第32節(12月12日)、大分と1-1の引き分け 札幌の『長所』を見る

20・12・14
 A・ロペス猪突猛進だ

  大分と1−1で分ける

 あと1試合で今季の2020明治安田生命J1リーグの最終節を迎える。12月12日はアウエーで、J1で勝った事の無い大分トリニータと対戦した。ゲームの成り行きは、公式記録と個人で「DAZN」を見ながら伝えるとして、ここでは、コンサドーレの主な選手の『長所』を、取り上げてみたい。さらに、12月19日のアウエー浦和レッズ戦の終了後は、試合経過とともに、選手たちの『短所』をも、捉えて「独自論評を試みてみたい」。

 新型コロナウイルスの発生を乗り越えた選手たち。『長所編』
◆GK菅野孝憲=2018年に移籍、ク・ソンユンにポジションを奪われながらも「指導的な立場を忘れなかった。ハイプレスの監督方針も素直に受け入れてきた。36歳良い年を―」。

◆DF進藤亮佑=「守りの硬さと、コーナーキック時のファーの位置取り。さらに得点力。田中駿汰の良い刺激になっている」。

◆DFキム・ミンテ=「ヘディングの強さと相手が嫌がる位置取り。競り合いで負けないスピリットは、昔対戦したリ・ドンギュウ氏(故人)を思い出す」。

◆DF福森晃斗=「フリーキック(FK、CK)の日本の名手と評論家仲間の眼。好不調はあるが、今季は上向きになってきた。後輩の指導も頼む」。

◆DF田中駿汰=「個の力を持っている。早くCK・FKを任されるように」。

◆MFルーカス・フェルナンデス=「トラッピング、走力、耐久性。こんな選手になれるとは思わなかった。右足のステップワークとキックが見事」。

◆MF菅大輝=「遠慮するなよ。こんな風に見えてならない。美徳かもしれないが、前あるのみ、もできる。エンドライン付近のトライアングルパス。シュートの得点が見たい」。

◆MF荒野拓馬=「早く良くなれ。奔放さをなくすため、そろそろ嫁を探そう。姉さん女房がよさそうだ。あせらず、みんなのために早く良くなれ」。

◆MF宮澤裕樹=「31歳になったね。札幌一途に13年。いいキャプテンだ。思い出したようにゴール前に走り込んだ。ゲットしたね。このまま大きくなって」。

◆MF深井一希=「U−12から15年。けがに悩まされたが立ち直った。CKの中央での殴り込み。首ひとつ高いヘディングを目指せ。前に、前に」。

◆MF駒井善成=「浦和の阿部勇樹を思い出す。スイーパーからトップ下まで、ゴール前への突っ込みが、最近得点になるね。歯がゆいかな?」。

◆MF白井康介=「左右のウイングバック。どうにかしてセンタリングをする。エンドラインまで持っていける選手。菅大輝も見習ってほしい」。

◆MF金子拓郎=「右のトップ下はスピードを生かしてのパス、シュート共に快調。レギュラーポジションをつかんだ。FK、CKのキッカーも目指せ」。

◆MF高嶺朋樹=「宮澤、荒野に付いて中盤を走っている。パスカットやキラーパスで試合のペースを司る。遠距離シュートも狙ってみては。OB砂川を目標にネ」。

◆FWアンデルソン・ロペス=「気にしているのはチーム得点王。9得点だ。あと1点次の試合でゲットしたいね」。

◆FWドゥグラス・オリヴェイラ=「徐々に日本のゲームに馴れて来ている。ブラジルからレンタルで加入、ルヴァンカップで活躍、Jでも得点をゲットしている」。

◆FWジェイ=「イングランドの元代表が来日、2017年から札幌。J1リーグ札幌での3年間で10・9・9得点。今年は6得点。38歳でフル出場も」。


 ペトロビッチ監督「何が何でも勝つ」

 12月12日2020明治安田生命J1リーグ第32節は北海道コンサドーレ札幌と大分トリニータの試合が午後3時から昭和電工ドーム大分で行われた。この日の大分は晴れ、気温12.4度、湿度47パーセント。入場人員は6千120人で、札幌の応援団は50人ほど。松尾一主審(48=大阪府出身、心理学専攻)の笛で午後3時3分、札幌ジェイのキックオフで始まった。

 札幌のスターティングメンバーはGK菅野、DF田中−キム−福森、MFは宮澤と深井がボランチ、ワイドの左・菅、右にルーカスが入った。攻撃はトップにジェイ。シャドーは駒井と金子。

 大分の片野坂監督は、愛称ミシャ監督の広島時代のコーチで、大分は5年目ながら同じシステムで3−4−2−1。GK高木DF三竿・岩田・羽田MF小林・松本・町田・野村、トップ下に田中−長谷川、トップに知念。(サブの選手名は出場交代時に)。

 前半は、両チームともお見合い状態。大分が9人のスタメンを変更。札幌はMF高嶺、アンデルソン・ロペスが先発を外れた。代わりに深井と菅が入った。大分の新スタメンは、上記の通りだが、外れた中には出場記録のかかっていた鈴木義宣キャプテンがけがで、観客席。解説者の声と監督の話では、「頭を前の試合でぶつけ、脳挫傷の疑い」。鈴木のJ1、J2、J3の出場記録からは219試合になる。

 試合は、シーソーゲームで行ったり来たり。沈黙を破ったのは前半23分。札幌陣内でGK菅野から渡されたMF菅は前線へ蹴ったボールは大分FW知念がカット、ペナルティエリア右側を転転としたボールを拾い、ゴール前へクロスを入れる。大分MF町田と札幌DFキムが競ったこぼれ球を走り込んだ背番号10の野村直輝がゲットした。(直後の23分に飲水タイム)。

 札幌はあせってジェイにボールを出すが、DFに囲まれ、思うような動きができない。フォローに入った駒井がフリーになるが、DFに阻まれる。アディショナルタイムは2分を表示。前半終了間際に大分がFKのチャンスを得るが、札幌GK菅野がキャッチ。前半は0−1の大分リードで終了。


【監督のハーフタイムコメント】
■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメントはチーム発表なし

■大分トリニータの片野坂知宏監督のコメント
 「後半集中して入ること」、「守備は切り替えを早く」、「アタッキングサードは大胆にやろう」


 後半は、札幌の交代が激しい。菅がドゥグラス・オリヴェイラへ。キムがA・ロペスに。トップはジェイと3人になった。宮澤がキムのところに入り、攻守にバランスが取れた。攻撃の中心は札幌に。18分大分は、3枚替え。町田OUT三平IN。田中達が星に、松本が刀根へ。(24分飲水タイム)。

 28分に札幌がCKのチャンス。キッカーは福森。Lフェルナンデスがシュートするが枠外。攻防が続き30分。大分のパスをカットした札幌MF深井は、素早く動き出したAロペスにスルーパス。相手DFと競り合いながら左足でトラップし、持ち替えたロペスの右足シュートは、ゴール右側のネットを揺らした。1−1の「振り出し」と解説者とアナウンサー。しばらくの間、札幌ペース。40分、大分の交代。長谷川と前田。野村と渡。札幌も44分、ルーカスからMF白井。MF深井が高嶺へ。

 45分アディショナルタイムは5分表示。最後の札幌の決定機は49分。Jリーグの「公式記録」には、「速報」を入力する人がいる。

 『後半49分 「敵陣でボールを奪うと、Aロペスがペナルティエリア右のゴールライン際からゴール前に浮き球を送る。走り込んできたDオリヴェイラがシュートを放つも、ゴールポストに阻まれてしまう」』ということでした。試合は1−1で引き分け、J1の舞台で大分に勝利を飾ることは出来なかった。

 2020明治安田生命J1リーグ最終節は12月19日午後2時から埼玉スタジアム2002で北海道コンサドーレ札幌と浦和レッズ戦がある。札幌は13位。浦和は10位だが、ともに勝利をしたほうが、一クラス上を望める。札幌は負けても順位は変わらない。

■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメント(一部抜粋)
 「大分との対戦はこれまでも非常に難しくなることが多かったが、今日も同様に難しいゲームになった。試合前半に関してはあまり良い入りができない中で、前節と同じようにハイボールのところから相手に奪われ、クリアし切れないこぼれ球をシュートされ、先に失点した。われわれにとっては難しい前半だった。その後はチャンスも作れたが決め切れず、リードされた展開で折り返した。前半はあまり良い出来ではなかった。

 後半は選手を入れ替え、より圧力を掛けて、相手のハーフコートで試合を進めることができた。その中で同点になり、逆転できるチャンスも十分にあったと思うが、今季を象徴するように、チャンスは多いけれどもなかなか決め切れない試合だった。最終的に引き分けに終わったが、後半の戦い方としては、われわれの戦いができて、勝利に近づくことができた試合だった」


■大分トリニータの片野坂知宏監督のコメント(一部抜粋)
 「今日のゲームに関しても、札幌さんは1週間の準備期間があり、われわれは中2日だったが、おそらくミラーゲームになるだろうというところで準備してきた。札幌さんにはフィジカルが強く個の能力に長けた選手が、外国籍選手を含めたくさんいるので、なんとか得点する状況を作り出さなくてはと考えた中で、短い時間で準備した。

 選手はそれを理解してトライしてくれ、先制点が取れたのが非常に大きかった。ただ、2点目が欲しかった中で、なかなかチャンスを作れず、決定機もあるにはあったが、それを決め切れなかった。スローインからちょっともったいない失点につながったと思う。そのあとも押し込まれる状況の中、個人の能力の長けた選手、外国籍選手をどんどん入れられて、われわれにとっては脅威になっていた。その中でも選手は集中して最後まで体を張り、なんとか勝点1をもぎ取ったという印象」
池田淳