コンサドーレ札幌の王道と遍歴2020年3月号

タイトル
「TITLE」題名とか肩書を言う
北海道コンサドーレ札幌の選手らと
ミハイロ・ペトロヴィッチ監督曰く
ルヴァンカップ準優勝の宝物を持ち
3年目は「新しい世界」を展開する
鈴木武蔵は得点王の「タイトル」だ
   
今季は2月16日ルヴァン杯で開幕
J1リーグは2月22日に第1節が
この時点で「新型肺炎」が席巻した
まさかと思う北海道が被患者トップ
コンサドーレは熊本合宿を続行して
選手スタッフともに「健勝」のよう

3月9日に村井満チェアマンが会見
例年と違うことは伝染力が強い菌だ
試合を3月いっぱい「中断」すると
プロ野球とJリーグの協議会の決定
サッカーは2節から6節のJリーグ
ルヴァンカップ2試合が延期になる

札幌の選手監督スタッフは熊本滞在
事前練習が長く期待は募るが非公開
近況ではGKクが「バセドー病」と
期待の195cmが欠場になりそうだ
J最高の200cmのGKも入団発表
11日には揃って北海道に帰郷する
コンサドーレ札幌の王道と遍歴

 J1第1節柏レイソル戦の後半41分、札幌MF鈴木は右サイドを駆け上がりクロスを入れる。2月22日、三協フロンテアスタジアム、撮影・石井一弘

コンサドーレの王道を拓く
世界へ蔓延した新型肺炎、Jリーグ4月まで中断
 Jリーグを運営する日本プロサッカーリーグの村井満チェアマンは3月9日東京都内で会見を開き「新型コロナ肺炎の蔓延が続くためJリーグの中断を3月いっぱいに延長する」と発表した。これまでは3月18日までの延期を決めていたが、プロ野球とJリーグの「新型コロナウイルス対策連絡会議」で検討の結果、Jリーグは3月いっぱいを中断にして4月初めの再開を決めた。
 2月11日発行の「北のサッカーアンビシャス」は「新型肺炎の蔓延」は一言も触れていない。明治安田生命J1第1節のアウエー戦、柏レイソルと北海道コンサドーレ札幌の2月22日の千葉県柏市の三協フロンテア柏スタジアムは、2−4で札幌が負けたが、マスクの花が咲いたような観衆で埋め尽くされていた。
 そして1か月、中華人民共和国湖北省武漢(ウーハン)で発生したと言われる「新型コロナ肺炎」は、大韓民国―日本など北半球のほとんどの国を、ほぼ1か月の間に蔓延し続けた。日本では北海道の陽性患者が100人越えで、まだまだ安心はできない。熊本合宿を10日に打ち揚げて、帰道の方針を出したが、まだ「進行形」と理解すべきだ―という結論に達していた。
日程変更ゲームは合計7試合
 コンサドーレ札幌は柏戦に敗れた後、2節川崎フロンターレ(アウエー等々力)、3節ガンバ大阪戦(ホーム札幌ドーム)、4節ベガルタ仙台(アウエーユアスタ)、5節湘南ベルマーレ(アウエーBMWスタ)、6節ヴィッセル神戸(ホーム札幌ドーム)の5試合。ルヴァン杯のグループ戦2月26日のサンフレッチェ広島戦、3月4日の横浜FC戦も日程変更になっている。
GKクが「バセドー病」
 「ク・ソンユンが何か変だナ」と思ったのは、ルヴァンカップの初戦・鳥栖戦とJリーグの柏戦。ゴールエリア内で守備陣が、バックパスを「丁寧すぎるぐらい」ゆっくりと返球するが「オウンゴール」になりそうな「ヒヤリ」とする場面もあった。何か考えていそうな「鈍い動き」だった。
 8日付の道新紙面によると、札幌のゼネラルマネジャー三上大勝GMが7日にそのク・ソンユンが「バセドー病」に掛かっていることを明らかにした。2月29日に札幌で検査をしたところ被患したことが分った。現在は入院せずに札幌の自宅で療養を続けているという。
 Jリーグでも長身の195センチで、大韓民国代表にも選ばれている。今やアジアを代表するプレーヤーに躍進中だった。
 GKメンバー表を見ると、今季の登録選手が5人もいる。菅野孝憲が3年目で期限付きから完全移籍になり、札幌ユースから8年目の阿波加俊太が一翼を担ってきた。さらにタイ代表のGKカウィン(30)がタイ・ナショナルチームの監督・西野朗氏の推薦で入団した。
 注目は、まだ法政大に在籍しているGK中野小次郎(20=徳島県出身)を特別指定選手として獲得した。何が凄いって身長が200センチある。ざっと日本のJ1からJ3まで調べた結果、200センチは、まだいない。ク・ソンユンの「兵役近し」の話から、バセドー病の疾病など、マイナス面を上回る朗報。2007年からGKコーチで励んできた赤池保幸コーチ(45)の腕の見せ所だ。
武蔵のための「TITLE」
 鈴木武蔵(26)が入団して2年目。ペトロビッチ監督(62=愛称ミシャ)が、北の地で「生き様」をさらけ出している。今年の目標は武蔵が「得点王」と言い放った。ミシャ監督は「ハイプレス」の攻撃型システムの導入で、エンブレムの上に付ける「☆」(星)を狙っている。それぞれ腹の中は違うが、何か「タイトル」が欲しいことは確かだ。そこで恒例の「4文字コラム」の4字を「タイトル」にしたワケ。現在一番星が多いのは鹿島アントラーズで、ユニホームのエンブレムの上部に20タイトルを表す星が2つ光っている。浦和レッズのように大きい星2つ(ACL優勝)を強調したものもある。
 武蔵が「得点王」を狙う昨季(2019年)はJ1リーグ13ゴールで5位。トップは15ゴールの横浜F・マリノスのマルコス・ジュニオールと同・仲川輝人。次が14得点のディエゴ・オリベイラ(FC東京)とドウグラス(清水エスパルス=昨季)。次が鈴木武蔵(北海道コンサドーレ札幌)ら13得点は小林悠(川崎フロンターレ)、ダビド・ビジャ(ヴィッセル神戸)の3人。武蔵はルヴァンカップで7得点を挙げており、「狙える」という意識を燃やしているようだ。
 ミシャ監督の今季の目標も「タイトル」だ。彼の14年に渡る「大和の国」の監督生活で「Jリーグの優勝」は無い。最初のサンフレッチェ広島は、J2からのサルベージと、いま世界に通用する?「森保一監督」を誕生させたこと。次の浦和レッズは2016年ルヴァンカップ優勝と、ACLチャンピオンの素地を作ったこと。本チャンの「J1リーグ優勝」は、さらにハイレベルへの挑戦でもある。
目指すはマリノス超えの69得点
 ミシャ監督が言う「ハイプレス」は何を意味するか。攻撃型のチーム作りは、全員攻撃、全員防御の最たるものだ。得点も取れるが、自陣ゴール前は「がら空き」では失点も多い。覚悟の上の策ならいいが、監督・スタッフは、見えを切って「ハイプレス」を押し通す。極端に言えば、主たるゲーム展開を、ピッチを3分の1に分けて、得点を取るためのパス回しは、相手ゴール前で展開しようという「取り決め」。
 「ハイプレス」は何が何でも相手ボールを奪い取りに行け、ではない。守備のしやすいように「一方通行」ないしは「両サイドに追い込め」で良いのではないか。少しでも相手の攻撃を抑え「我が意を得る」展開に追い込むことで、良いのである。
 昨年首位になったマリノスは、選手が共通のリズムを持っていた。独特のパスアンドキープである。総得点68得点の歴代トップクラスの攻撃力に磨きをかけ連覇を狙う。このマリノスを超えて、みんなで「タイトル」を取りに行こう。
                                                     (池田 淳)