コンサドーレ札幌の王道と遍歴2018年10月号

台風の目
「たいふうのめ」は中心に生ずる渦
静穏な区域の穴に見えるが実は怖い
北海道胆振東部地震に続いての襲来
一か月にもなるが収まる気配はない
北海道コンサドーレ札幌が躍動する
J1に昇格して2年目で注目の的に
    
怖いものが地震に次いで台風になる
日本列島を南から北へ総なめにする
五七五の世界では台風眼は秋の季語
昔は九月の二百十日や二十日が厄日
子供達は台風一過の栗拾いが楽しみ
スポーツの世界では最後の鎬を削る
    
1954年は北海道で国民体育大会
サッカーは岩見沢を中心に空知地方
大半の競技は終わった9月26日に
台風15号が九州から本道を襲った
函館から出港した連絡船が沈没した
洞爺丸台風の大惨事を思い浮かべた
   
Jリーグでも台風渦で延期試合あり
コンサドーレも1試合お預けで上位
10月6日高円宮杯が台風接近の中
札幌東雁来会場でU−18の決定戦
旭川実高が1−0でコンサドを破る
全国制覇を経験した札幌Uは準優勝
コンサドーレ札幌の王道と遍歴

高円宮杯JFA U−18サッカープリンスリーグ2018北海道大会最終節、北海道コンサドーレ札幌U−18対旭川実業高校の試合。後半39分、旭実右CKからの攻撃は札幌GK前川がキャッチして防ぐ。その左、決勝点となった先制点を決めた旭実のFW西村(62番)、右はDF西川(55番)。10月6日、北海道コンサドーレ札幌東雁来グラウンド、撮影・石井一弘

コンサドーレの王道を拓く
サッカー そして地震・台風の目まで
 J1リーグの北海道コンサドーレ札幌は28試合を戦って5位をキープしている。勝ち点は44で12勝8分け8敗。浦和レッズが6位に猛追してきた。上位は川崎フロンターレが昨季を思わせる追い込みで首位に立ち、2位はサンフレッチェ広島、3位に鹿島アンラーズ。目の上のタンコブはFC東京だ。7月から10月にかけて列島を台風が襲いコンサドーレ札幌は7月28日の第18節名古屋グランパス戦(アウエー)が延期になり10月28日に再試合。さらに9月6日には北海道胆振東部地震に見舞われ、加えて台風21、24、25号のトリプルパンチを受けた。この間の成績が5勝3分け5敗と振るわなかったが「被災地の胆振・日高地方の復興を糧に!」をスローガンに「頑張れる」を北海道民と共に「心の糧」にたどっている。
 10月に入り、コンサドーレでは、特に震源地の厚真町やむかわ(鵡川)、安平町などには、選手やコーチらが「激励のサッカー」訪問を繰り返して「被災地の子供たち」からは「励ましの笑顔」をもらっている。
 冒頭の4文字コラム「台風の目」は、転じて激しく動いている事象を捉えて中心になる勢力やチーム、人物を捉えてみたいと挑戦した。まさに「頑張れる」のスポーツの精神とサポーターと共に「ここに魂あり」を、表現して見たかった。
コンサドーレ9・10月は足踏み
 北海道コンサドーレ札幌は、9月から10月にかけて苦戦が続いている。9月1日にはスペイン代表を引退したイニエスタを擁したヴィッセル神戸とホーム札幌ドームで対戦、前半1−0から後半2−1の危なげない勝利をものにした。ペトロビッチ監督はこのチームに勝つために時間を割いて練習したものが実った。選手起用がぴたりと当たったゲームだった。
 次の9月15日、アウエーの川崎フロンターレ戦が最悪。0−7のコンサドーレのワーストタイの失点。監督談話で「私は広島時代に、0−7で敗れたことを思い出しました」と苦笑い。同一チーム2連敗は今季初めて。
 9月23日のホーム札幌ドーム戦は、鹿島アントラーズ。0−2で敗れ、今シーズン2度目の連敗。9月26日には天皇杯のラウンド16戦がアウエーのヤマハで、ジュビロ磐田と対戦2−4で敗れ、公式戦3連敗を喫した。ミシャ監督は「結果が出ない。早く2、3週間前のチーム状態にしたい」と語っていたが―。やってくれました。9月29日のホーム札幌ドーム。迎え撃つはサガン鳥栖。0−0で後半に入り、13分MF三好康児が移籍後初得点、同点にされたが後半45分+5、FWジェイに代わって入ったFW都倉賢がPKを決め、今季12得点目を挙げた。
主力3選手が出場停止
 何と間が悪いことか。10月に入っての初戦は、5日に日産スタジアムで横浜F・マリノス戦。キャプテン宮澤裕樹、フリーキッカー福森晃斗、得点トップの都倉賢が前節の鳥栖戦で4枚目のイエローカードをもらい、この試合は出場停止になった。そこで考えたのが本来の3−4−3の陣形から4−4−2の形を取った。宮澤のところに入ったのが荒野拓馬で、フリーキッカーは菅大輝が務めていた。トップは最初にジェイが入って先制点。FWの2人目は三好康児が入ったが、ジェイとは合わなかった。
 横浜は、仲川輝人、ウーゴ・ヴィエイラが札幌の守備陣をかき回して得点を挙げた。札幌の4枚のDF陣は、3バックより陣形が取れず、最後まで空回りしていた。急に方針を代えた首脳陣の「はかない抵抗」が、なおさら選手を惑わせた結果に終わった。こんな薄ペラな監督の采配は、「実験であり、テスト」と理解して欲しい。
 北海道コンサドーレ札幌は10月20日午後4時から、敵地・Shonan BMWスタジアム平塚で、現在13位の湘南ベルマーレと対戦する。さらに同28日にアウエーで台風での延期試合、第18節名古屋戦を行う。ここが、「頑張れる」選手とサポーターの踏ん張りどころだ。
台風の怖さがわからない
 「台風の目」とは、テレビの天気予報に出てくるあの目と違う意味を持っている。辞書を引いてみると、「転じて、激しく動いている物事の中心となる勢力や人物」とある。まさに台風シーズンに、乱気流に巻き込まれたコンサドーレと北海道を襲った「地震と台風」の災害。それと戦う道民の姿を垣間見た時、サッカーのゲームの中から、どうにか「復興の力」に結び付けられるものがないか模索している。
 もう一つ本物の台風のこと。1954年9月26日から27日の間、台風15号が九州から日本海を抜けて本道にやってきた。函館港に停泊中の連絡船がこの台風に巻き込まれて座礁、転覆した。中でも洞爺丸の事故は大きく死者、行方不明者1千1百55人に至った。のちに洞爺丸台風と呼ばれ、三浦綾子の「氷点」の題材にもなっている。函館山を見上げる海岸に慰霊碑があり、毎年9月26日に慰霊祭がある。数年前に三浦綾子の「小説の舞台」の写真を撮っている同僚の石井一弘カメラマンと、この場に立ったことがある。穏やかである、まったく穏やかであった。
 現代の台風は、日本を横断することが多くなった。気象衛星の写真であろう。「台風の目」がくっきり映っている。海面を這うように、陸地をなめるようにやって来る。停滞したり、スピードを上げたり、つかみどころがない。豪雨と強風が付き物になった。昔のラジオゾンデ(気象観測機器)は、上げているのだろうか。予報が当たらなすぎる。
U−18年代が注目の的
2018年10月6日、台風25号が北海道を目指して、日本海を北へ向かっていた。
 午前9時30分キックオフの試合があった。高円宮杯JFA U−18サッカープリンスリーグ2018北海道大会。U−18(高校生年代)の8チームがリーグ最終日。
 会場は札幌市の東雁来にある北海道コンサドーレ札幌東雁来グラウンドと、札幌サッカーアミューズメントパーク(SSAP)で行われた。
 このSSAPはサッカーグラウンド2面(天然芝1面、人工芝1面)と屋内体育館を有し、隣接する東雁来公園サッカー場(人工芝2面)、そして北海道コンサドーレ札幌東雁来グラウンドが集積するサッカー専用公園で、この8月に任期を終わった北海道サッカー協会、前会長の出口明氏の発案で始まった。当初は正規のサッカー・ピッチ全体を覆う屋体が出来る計画だったが、「ダメでした」と言う出口会長のがっかりした顔が今でも浮かぶ。
 その後、天然芝の管理方法も道協会から委託業者が経営権を持つなど「紆余曲折」があったが、全ては出口氏が念願だった「本道サッカーの競技力向上」に焦点を当てた改革だった。
 台風25号接近で、10月6、7、8日の連休の試合が延期や中止になった大会は、フットサルや高専大会などがあった。しかしプリンスリーグは無事終了した。常勝のコンサドーレU−18が0−1で旭川実業高校に敗れた(別稿でゲーム内容掲載)。
 今後の北海道サッカーに「異変と改革」を持ってきてくれそうな「転変地位」であってほしい。
                                                    (池田 淳)