コンサドーレ札幌の王道と遍歴2018年5月号

切磋琢磨
「せっさたくま」は苦楽を共に磨く
励まし合って辛いことを互いに克服
中国の「詩経」に石磨くごと光あり
コンサドーレ札幌が心技体を極める
いまその中にいて歴史に刻む物あり
松尾芭蕉の心「不易流行」を見出す

北海道コンサドーレ札幌が躍進する
新監督を迎え「失敗は成功の元」に
ただ一つの魂が5百万人の心を掴む
サポーターのハートにも火が付いた
ペトロヴィッチ監督があめ玉を渡す
団体競技ならではの無数の糸が有る

W杯ロシア大会が迫っているこの時
サムライブルーの監督が解任された
大きな振動の中で指揮棒が折れたか
ベートーベンの「運命」は鳴り響く
終章は日本サッカー協会の君が代に
ここはメイドインジャパンでOKだ

いつか誰かが日本はこれで良いのか
1998年初めてW杯を見た輩たち
伸びしろの無い切磋琢磨は無意味だ
今コンサドーレが指揮者の味を出す
教えを形にして結果を出す深井一希
道産子の宮澤裕樹や都倉賢が映える
コンサドーレ札幌の王道と遍歴

左上はガンバ大阪戦でゴールを決めた後の都倉。右上は浮き球を処理する深井。下はドリブルで攻め上がるキャプテン宮澤。いずれも5月5日、札幌厚別公園競技場、撮影・石井一弘

コンサドーレの王道を拓く
日本の指針・W杯サッカーに向かって
 サッカーのワールドカップ(W杯)ロシア大会の開幕が1か月後に迫った。直近の4月に日本代表のヴァヒド・ハリルホジッチ監督(65)が、日本サッカー協会(JFA)の田嶋幸三会長の一存(勇気ある判断)で解任された。今更ではないが、日本が参加した1998年から6回目の出場。W杯で日本人が監督を務めるのは2人目で、初出場の1998年とオシム氏の後2010年で采配を揮った、FC今治(JFL所属)の代表になっている岡田武史氏(61)と、今回の騒動を請け負う、JFAの技術委員長だった西野朗新監督(63)が誕生した。あまり波風が立たなかったようだが、日本の蹴球時代から1世紀が過ぎ、男女とも世界を狙える時が来ている。川淵三郎キャプテンの「神話」も先が見えたのではないか。この機会に「日本サッカーの指針」を構築したいものだ。
クラマ−氏からハリル氏まで
 サッカーの指導者は、体育学、科学、生物学を修め、自分でプレーしたこと、その時のコーチの言ったことを心技体で受け止め、それをひっくるめた人間にならなくてはいけない。1960年西ドイツ(当時)から来日したディットマール・クラマー先生(2015年、90歳で死去)が、断片的に残してくれた「サッカー」だ。クラマーさんは1964年の東京五輪の高橋英辰監督のコーチとして来日したが、長沼健、岡野俊一郎氏らと東京オリンピック8位入賞、メキシコオリンピック3位と、釜本邦茂ら日本の名選手の出現に寄与している。さらに公式のコーチとして初めての外国人指導者で、「日本サッカーの父」と称され、今のJリーグなどの各種サッカー大会の構築に寄与した。それから、W杯を目指しコーチを招へいしたが、4年間率いたのは2002年日韓大会のフランス出身フィリップ・トルシエ監督、2006年ドイツ大会のジーコ監督、2014年ブラジル大会のザッケローニ監督。今回解任されたヴァヒド・ハリルホジッチ氏は2015年3月に来日して、ロシア大会を目指していた。
西野ジャパンの計画
 西野新監督は、技術委員長として、前監督のスケジュールやガーナ戦のことなど熟知している。5月の4週目で国内の候補選手は、ほぼ試合日程を終了する。海外組もそのころに帰国できる見通し―と踏んでいる。
 第一次選手発表は5月18日の予定で、その後、キャンプに入る。30日にガーナ戦を控えているが、キャンプ中は、国内チームとのマッチを、より多くこなすスケジュールを考えているようだ。
 スタッフは、手倉森誠コーチ、森保一U−23監督をはじめ全て日本人の考えを示した。さらにチーム・スピリットについては「すでに描いている絵を持っている」。「オフェンシブな組み立てを考えて、最高の化学反応を起こすチームにしたい」。さらに「グループでボールを動かす力を互いに持ちたい。行き詰まったら、選手に『おまえだったらどうする』と考えさせる場面も作りたい」。「そうゆうことのできる選手を選びたい」とも付け加えた。
先の見えた監督の見解
 第1戦のコロンビア戦(6月19日)、入るに至っての考えを述べる。「かつてオリンピックで2つ勝っても上に行けなかったことを経験しています」。これはオリンピックでもワールドカップでも6ポイントでは、上がれないことも考えられる。「そういう予選ですから、ベストを尽くしてチャレンジしていく姿勢が必要です。その力を着けていくのがキャンプの目標です。選手の力を信じて」。まずは、ここから始まるのがW杯の第1歩のようだ。
今後を見据えた指針
 これから始まる日本代表の取り組みが見えてきた。ジャーナリストの中からも代表監督の選び方の方針や「選考ルールの確立」を望む声が聞かれる。いっそのことFIFA国際Aマッチと、オリンピックは、メイドインジャパンで。選手の日頃の技術向上には、チームの力量において外国人コーチ、監督の起用を認める。さらに海外には「技術の向上が見られる選手に限る」としても、代表候補の特権はなし。将来的には、Jリーグの夜明け前の状況で、世界に立ち向かいたい。1億人クラスの国で、プロクラブが50チーム程度では少ない。少年たちの瞳はJリーガーを見つめている。リーグが始まったころ、「市町村単位のチーム」という限定があったような気がする。ここまで言うのは「酷」かもしれないが、この緊急事態を踏まえて、方針転換も「悩みのうち」に入れて考えていきたい。北海道は、県単位で言えば5、6県入る広さ。早く切磋琢磨するチームが増えることを望みたい。
                                                       (池田 淳)