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旭実が2年ぶり3度目の全国選手権へ

11・11・11
今季・室大谷高を連破、大きく成長

 第90回全国高校サッカー選手権大会・北海道大会は10月15日から29校が参加して北空知の芦別・滝川・奈井江で準々決勝までが行われた。決勝戦は23日正午から札幌市厚別運動公園競技場で、22日の準決勝で北海高校を破った旭川実業高校と、札幌創成高校を延長で退けた室蘭大谷高校の間で行われた。

旭実3−2室大谷の1点の差

 試合は雨中の混戦模様を呈し前半0−0。後半室大谷が先制したがすぐに旭実が追い付き一時は2−1と逆転した。70分に室大谷が同点に。激戦にふさわしい本道最後の高校生の戦いになった。ここで73分に旭実ベンチは大型FW山本真司(2年)を投入した。中盤で頑張っていたキャプテン石山卓哉からの展開で、両サイドの、特に右からトップの山本にボールが良く入った。決定的瞬間はこうして作られた。中盤でのパス回しを基本に成長著しい旭実が終了間際78分(40分ハーフ)に決勝点。3−2で2年ぶり3度目の全国大会出場を果たした。これで旭実は、今季インタハイ、プリンスリーグの道内高校大会で3クラウンを達成した。

「ふり向くな君は美しい」

 室大谷は、過去29回の全国出場を果たしているが、今季は泣かず飛ばずに終わった。来季からは登別大谷高校と合併「北海道大谷室蘭」と校名が変わるため名門「室大谷」の名が消える。選手たちは、なりふり構わず雨のグラウンドで泣きじゃくった。「ふり向くなよ ふり向くなよ・・・」高校サッカーの大会歌「ふり向くな君は美しい」(阿久悠・作詩、三木たかし・作曲)は「君のその顔を忘れない」と歌う。いつかまたは来年?君たちを待っている。

コンサドーレユース万歳

 代表の旭実は2年前の大会では1回戦で敗退した。今年は「優勝を狙います」と力強く言い切った。確かに中央で構える石山主将が素晴らしい。函館のスブレッドイーグルから「パスプレーのサッカー」が好きでやってきた。また、旭川に出来たコンサドーレ旭川U−15の卒業生が3、4人。佐藤尽コーチ(元コンサドーレ札幌)も喜んでいるだろう。札幌のSSSからは大友一就が3年生になって決勝点を取った。函館の石山を頼ってスプレッドイーグルからも入っている。みんなの名前を出したいが、特に注目される選手は後半に交代出場した地元・永山南中出身のFW山本だ。背も高く幅があり、重量タンクみたい。富居徹雄監督の采配を期待したい。この大会は、12月30日から関東地区で正月にかけて開催される。大阪で行われていた時代が懐かしいが、1975年から関東へ。大会歌「ふり向くな君は美しい」は翌年の1976年に登場した。

両監督の談話(抜粋)

 旭実・富居徹雄監督「今年は結果を残せて良かった。全国大会は自分たちのサッカーをしたい。1、2回戦で負ける様なことは、極力したくない」                

 室大谷・及川真行監督「選手たちは良くやってくれた。校名が変わっても、これまでの伝統は変わらない。これからも力強く引き継いで行きたい」

                                          (池田 淳)

 (写真はいずれも10月23日、札幌厚別公園競技場、撮影・石井一弘)

 上:上段写真/激しい雨の中、前半15分室蘭大谷の右CKから旭川実業ゴール前での攻防
 上:下段写真/後半4分室蘭大谷FW内山からのパスを広瀬(10番)が決めて先制する。旭川実GK石川(17番)、2番はDF大友


 上:上段写真/後半7分中央からボールを持ちこむ旭川実業のMF秋林(5番)、秋林は準決勝でも2得点、この日の決勝でも逆転ゴールを決めるなど大活躍だった。左旭川実業のキャプテン、MF石山(7番)、右は室蘭大谷MF小栗(8番)
 上:下段写真/後半11分室蘭大谷FW広瀬(10番)と旭川実業DF大友(右)がジャンプしてボールを奪い合う。広瀬は結果的に敗れたものの2点を決めて気を吐き、大友は決勝点を上げるなど、活躍した二人のマッチアップだった

写真はいずれも石井一弘撮影