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高校選手権北海道予選、室蘭大谷が3−2で帯広北を退け優勝

10・11・11
 10月24日、第89回全国高校サッカー選手権大会北海道予選の決勝戦が札幌厚別公園競技場で行われ、室蘭大谷高校が3−2の逆転勝利で帯広北高校を下し優勝。3年ぶりとなる選手権全国大会出場を決めた。
 
 帯広北は、札幌第一高校、北海高校といった札幌の強豪校に競り勝ち決勝戦へ。対する室蘭大谷は、準決勝で昨年の覇者旭川実業高校との接戦を1−0で制し、3年ぶりの優勝を狙った。
 
 試合は、ドリブルとショートパスを中心に中央突破を仕掛ける帯広北に対し、決勝まで無失点で勝ち進んだ伝統の堅守とサイド攻撃を仕掛ける室蘭大谷の構図となった。
 
 前半は、帯広北のゲームだった。オウンゴールで先制すると、積極的なドリブル突破で獲得したPKをMF村上が決めて、堅守室蘭大谷相手に2−0でリードして折り返した。
 
 しかし後半は、室蘭大谷が伝統校の底力を見せ付けた。気持ちを切り換えた後半5分、MF石川が左サイドをドリブルで崩し、折り返しに走りこんだMF山田が合わせ、反撃の1点目。ここから息を吹き返したような連続攻撃をみせ、同12分にMF竹田が同点ゴール。一気に勢いづいた室蘭大谷は、同31分、FKのクロスボールから、最後はエースFW安藤がゴールを奪い逆転に成功。追いすがる帯広北を退け、まさに伝統の力を感じさせる優勝を決めた。
 
 準優勝と涙をのんだ帯広北は、決勝戦の先発メンバーがFW荒木をはじめ1・2年生が7人も入り、若いチームながら、今大会の台風の目となった。この悔しい経験を生かし、来年以降の躍進が期待される。
 
 全国大会は12月から1月にかけて東京・国立競技場などで行われる。全国の舞台でも室蘭大谷は、コンサドーレに入団が決まったDF櫛引を中心とする堅守は計算できるはず。小差の戦いに持ち込めば上位進出も夢ではない。
 
 (写真はいずれも、10月24日、札幌厚別公園競技場、撮影・石井一弘)
 
 上、上段写真/決勝開始早々の前半2分、室蘭大谷のFW安藤(9番)がドリブルで突進、安藤はこの日後半31分に決勝ゴールを決めた。右は帯広北MF山田(23番)
 上、下段写真/前半35分室蘭大谷FW前田(11番)の突進を帯広北DF高橋(25番)がクリア、右は室蘭大谷FW安藤(9番)
 
 
 上、上段写真/後半18分、室蘭大谷の左CKから、帯北ゴール前で激しく競り合う室蘭大谷DF櫛引(5番)と帯北DF高橋(25番)、右は室大谷FW安藤(9番)
 上、下段写真/試合終了時、室蘭大谷の応援席はメガホンをかざして優勝を喜び、敗れた帯広北の選手たちはピッチ上にうずくまり、しばらく立ち上げれない。残酷に見えるコントラストだが、この悔しい思いは必ず来季に生きるだろう
 
写真はいずれも石井一弘撮影