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ノルディーア北海道、初の全国リーグは歓喜と試練の1年に

10・10・11
 日本女子サッカーリーグの最高峰「なでしこリーグ」の下部組織に当たる「なでしこチャレンジリーグイースト」に今季初参戦をしたノルディーア北海道。リーグの全日程を終え、2勝2分け11敗で勝ち点8。東地区6チーム中5位となり、目標としていたリーグ残留を達成した。
 
 9月19日(日)に行われたリーグ最終節。ノルディーアは前節で既に優勝を決めていた常盤木学園と対戦し0対5で敗れたが、同じ勝ち点で並んでいた清水第八も長野に敗れたため、得失点差で5位となり残留が確定した。
 
 初めて参戦した全国リーグで、ノルディーアは全国との力の差を見せ付けられた。攻撃では全15戦中8試合で完封され、リーグ最低の計10得点。守備でも36失点と1試合当たり2.4点を入れられるなど乱れた。また、主力選手にけが人が出たことで、ほぼ毎試合で4、5人の中高生がメンバーに入ることがあり、経験不足を露呈した試合も多かった。
 
 環境面でも課題を残した。15試合中8試合がアウエーでの試合。チームは運営費を節約するために仙台、福島、東京の試合は日帰りで遠征した。そのため、選手のコンディションにも影響が大きかった。また、仕事の都合で毎試合、主力2,3人が欠けており、サッカーに専念するために仕事を辞めた選手もいた。来季に向けてまずはサッカーに集中して打ち込める環境作りが急務となる。
 
 一方で明るい話題もあった。リーグ戦を通じて若い選手たちが成長し、1年を通じてチーム力が上がったことに加え、やはり一番の収穫は来季も全国の舞台で戦えることだろう。トップレベルを目指す全国の強豪と真剣勝負が出来るというのは、何事にも代えられない貴重な経験であり、選手、チームの逞しい成長が期待できる。
 
 国内の女子サッカー界は「なでしこジャパン」の活躍により、人気、実力ともに上がってきている。ノルディーアもその時流に乗り、環境面などの課題をクリアし、将来的には悲願でもある「なでしこリーグ」への昇格を果たしてもらいたい。このノルディーアの経験が財産となり、北海道女子サッカー界の未来と、女子選手たちの希望につながっていることは間違い無いのだから。
 
                               写真提供:ノルディーア北海道
 
以下、ノルディーア北海道、山田静監督のコメント
 
 今年度は、チャレンジリーグに参入することができた喜びでスタートしましたが、慣れないことも多くいろいろと学んだ1年でした。結果として2勝2分11敗。得失点差で5位となり次年度もチャレンジリーグに参加できることとなりました。
 初試合で初勝利をした後、9連敗しているころは実に苦しい時間を過ごしていました。しかしその時に多くの方に励ましの言葉をかけていただき、最後の5ゲームに勝負をかけ、なんとか勝ち点をあげることができました。アウエー戦は飛行機やバスで現地に移動し、到着直後にゲームをしたこともありましたし、本州の暑さを実感した時もありました。
 今年度悔やまれることとしてはホーム戦で勝ち点をあげることができなかったことです。次年度も厳しい試合ばかりとは思いますが、階段を一段一段上がるようにじっくりと成長していきたいと思っています。今後とも皆様に応援していただけるチームを目指していきますのでどうぞよろしくお願いいたします。
 
編集部