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流経大が岩教大を一蹴 気温30度の攻防 第99回天皇杯開幕

19・06・11
 上写真/天皇杯1回戦、北海道教育大岩見沢校(岩教大)対流通経済大(流経大)、前半28分、岩教大FW下田(33番)が左サイドを駆け上がりシュートするが、流経大GKオビ・パウエル・オビンナ(1番)に止められ、絶好の先制機を逃す、左流経大キャプテンDF本村(3番)。写真はいずれも5月26日、札幌厚別公園競技場、撮影・石井一弘


 令和初の『天皇杯JFA第99回全日本サッカー選手権大会』は5月25日に全国各地で開幕。翌26日の北海道では異例の気温30度のピッチで、北海道教育大岩見沢校と茨城県代表の流通経済大が、午後1時から札幌市の厚別公園競技場で対戦した。前後半それぞれで「飲水タイム」を設けての熱戦は、関東大学リーグの雄・流経大が2−0で勝ち2回戦に駒を進めた。

 試合は、異常高温注意報の出る中で行われ、「中」くらいの風のグラウンドコンデションで、風上を取った流経大が押し気味の展開で進んだ。岩教大のゴールラインぎりぎりまで切り込んでのリターンは、風に浮かんで流され、ポイントが定まらない。スタンドに陣取ったのは大半が岩教大の応援で、ハラハラの連続だったが、無得点に終わった。

 後半は岩教大のロングパスが見られると思ったが、芝を這うようなドリブルとショートパスで、「風を気にしない」展開。両サイドを駆け上がった攻撃は、CK(コーナーキック)を呼び込み、チャンスをつかむ。流経大ベンチは正確なキックを見せるFW金原朝陽を後半15分に投入、FKのターゲットを絞る。

 「いつ入ってもの状況に」岩教大・越山賢一監督はGK武村優希を鴨川寛也に交代(後半19分)。直後の後半21分、流経大26番金原のパスをFW齋藤聖七がゲットした。さらに15分後にFW山口大輝のシュートをGK鴨川がはじいたところを再び齋藤が決めた。

 岩教大は、後半39分、DF佐藤隼を小山泰成、さらに同42分にMF鈴木理久を河合悠人に交代出場させたが、流れは変えられなかった。


■流通経済大・中野雄二監督の話
 岩教大との対戦は、大学選手権(2009年)から10年以上経っていますが、やったことがあります。2−1で勝った記憶があります。
 今日は勝てて良かったのですが、帰ったら、関東大学1部リーグがあります。今、最下位で早稲田大と争っています。次は筑波大(現在2位)があります。この調子でいけば―頑張りますよ(1998年から21年目の監督、総理大臣杯優勝3回、大学選手権優勝2回。関東1部リーグを2回優勝している。高校サッカーの名門・流経大柏は付属高校)。

 
■北海道教育大岩見沢校・越山賢一監督の話
 後半に力の差が出てしまった。チームは成長しているが、暑さで関東のチームには負けてしまった。次の総理大臣杯(全日本大学トーナメント)は5年連続出場を懸けて6月上旬に準決勝、決勝があります。(流通経済大と対戦したころは岩見沢分校としていた時代。越山監督の記憶では、1得点入れて1−2に迫って、もう1点というところだった―という。コンサドーレ札幌のU−18出身の選手も多い。もう少しだ)


■あれれの秘話
 25日の札幌ドーム・北海道コンサドーレ札幌対ガンバ大阪戦で「審判アセッサリー」を務めた柳沢和也氏(兵庫県出身)に厚別競技場で、再会した。「実は、越山監督がこの日のアセッサリー役だった」。慌てたJFAの「頼む」だった。(逸話アリ=1級審判時代が同じ時代。柳沢氏は兵庫県連で活躍、当時の「越山審判論」に感銘した―と書いている。「これも何かの縁でしょう」には、私も感銘した。ちなみに越山先生は2002年に「1級審判の役」を辞任している。


 上:上段写真/後半23分、流経大右CKからDF野々村(4番)の攻撃を懸命に守る岩教大の選手たち、左からDF泉山(40番)、原(37番)、FW橋本(25番)、MF鈴木(35番)、GK鴨川(1番)、DF忠政(GKの後)、DF佐藤(3番)
 上:下段写真/後半26分、先制ゴールを決めガッツポーズをして喜ぶ流経大FW齋藤(9番)と左へDF河西(2番)、MF宮本(5番)、FW山口、左端岩教大GK鴨川(1番)、DF遠藤、石谷(19番)らはガックリ、右端DF佐藤(3番)


 上:上段写真/後半30分、岩教大FW下田(33番)はシュートを決めきれず思わず「しまった」と頭に手をやる、左へDF忠政(4番)、泉山(40番)、右端流経大MF安居(14番)
 上:下段写真/後半42分、流経大FW齋藤(8番の後で手を上げている)にダメ押し点を決められピッチに頭を付けて悔しがる岩教大GK鴨川(1番)、8番はDF遠藤、右FW下田(33番)

池田淳 写真はいずれも石井一弘撮影