地域のサッカー情報

一覧に戻る

札幌大谷が全国高校選手権へ初出場 道大会決勝PK戦で帯北を下す

13・11・11
 上写真/前半5分札大谷左CKからFW村松(20番)が帯北DF喜多(2番)に競り勝ってヘッドで合わせて先制ゴールを決める。帯北GK稲葉(1番)


 第92回全国高校サッカー選手権大会の出場をかけた北海道大会決勝は10月27日、札幌厚別公園競技場で札幌大谷高校と帯広北高校の間で行われた。創部5年の札大谷が3−3のまま延長でも決着がつかずPK戦5−4で制し、年末から来年正月にかけて国立競技場など関東一円で行われる選手権への出場権を得た。札大谷は初出場。

 前日行われた準決勝では、帯広北が北海道大谷室蘭を2−1、札大谷は札幌創成を1−0で破り決勝に進出した。順当といえば順当だが、準々決勝で旭川実業が札創成に0−0のPK6−7で敗れたことや道大谷室蘭が3年連続でこの選手権を逃していること。さらに今季の高円宮杯U−18プリンスリーグ北海道を制した帯北が、この決勝をいかに戦うかが、見所だった。

 その決勝は、前半5分に札大谷がCKからFW村松がヘディングを決め、先制。さらに33分にMFの高橋が決めて2−0で折り返した。強風―豪雨の前半だったが、徐々に上がり、ピッチコンディションはまずまずになった。

 こうなると帯北のパス回しが決まってきた。後半5分、札大谷ゴール前に走り込んだMF吉住が決め、18分にCKから札大谷に3点目を取られたが、28分、39分に吉住、山口が決め3−3の同点。延長は攻め合いながらも、中盤での攻防が繰り返され、PK戦に入った。帯北が先蹴で始まり、2番目のキャプテン吉住がクロスバーに当てノーゴール。4−5で僅差のゲームが終わった。

 勝った田部学監督(39)は「今年インターハイに出て大敗した。このままでは終われないと思う気持ちがチームを一つにしたのでしょう。全道の代表として、北海道のレベルアップのために闘ってきたい」と語った。また、帯北の岩見卓監督は「後半の動きが、早くから出来ていれば、結果は違った」と。

 2009年に札幌大谷高校の監督になった田部学先生は、釧路出身の札幌育ち。子どものころからサッカーをはじめ、札幌南高から筑波大へ。元コンサドーレ札幌の曽田雄志君(35)の先輩ということになる。サッカーのコーチを目指し、大学院まで極めた。JリーグのFC東京でコーチを務め、その後、札幌大谷のサッカー部創設の話に「北海道のサッカーを求めて」やってきた。今年の2月に筑波のOB会で、最長老になった本紙の池田淳も出席したときに田部君に会った。「会の模様を本部の会報に書く」と何事にも前向きな人だとの印象を受けた。09年に札幌に赴任したころは、筑波の先輩たちから「田部は元気でやってる?」の問いもあったが、これからは「見てやってくれ」と、楽しみな返事ができる喜びを感じている。

 (写真はいずれも10月27日、札幌厚別公園競技場、撮影・石井一弘)


 上:上段左側写真/前半15分帯北MF吉川(左端)が札大谷DF葛西(6番)のマークをかわしながらシュートするが惜しくも外れる
 上:上段右側写真/決勝戦は時折激しい雨が降る悪コンディション、後半11分札大谷FW村松(20番)の突破を帯北DF深瀬(3番)がスライディングタックルで阻む
 上:下段写真/後半18分札大谷左CKからの混戦で、MF高橋(18番)が押し込んでゴールを決める。帯北GK稲葉


 上:左側上段写真/PK戦にまでもつれ込んだ接戦で帯北を破り、優勝を喜ぶ札大谷の選手たち
 上:左側下段写真/優勝してガッツポーズする札大谷のDF葛西(左上)ら、札大谷の選手たちの横で悔しさをにじませる帯北の選手たち
 上:右側写真/帯北との大接戦を制して優勝しインタビューに答える札大谷の田部学監督

池田淳 写真はいずれも石井一弘撮影