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今日運命のキックオフ 日本代表戦の見どころは

10・06・14
 グループEに入った日本代表は、14日、日本時間23時から、リーグ突破の命運を賭けカメルーン戦を迎える。
 
 第2戦は、19日(同20時30分)オランダ戦、第3戦は、24日(同27時30分)デンマーク戦をそれぞれ戦う。

  
6月14日、カメルーン戦
 会場はフリーステートスタジアムで1,400メートルの高地(都市ブルームフォンテーン)。
 
 カメルーンの基本データは、過去6度のワールドカップに出場し、最高成績は、1990年のベスト8。5月時点のFIFAの世界ランキング19位。監督はポール・ル・グエン氏。
 
 まずは、海抜1,400メートルの高地で戦うということが試合のポイント。空気の薄い中、日本の相手よりも走るサッカーがどこまで通用するかが勝敗を分けそう。しかし、平地でも守備のプレッシングを90分間かけ続けることは、不可能に近く、その試合運びが見どころ。有効に体力を使うためにも、ボールを自チームで保持する、ポゼッションの時間を多くすることも大事。この試合は特に遠藤、本田の時間の使い方に注目したい。対人に強い森本の投入など、早めの選手交代もかぎに。
 
 カメルーンは、アフリカ系の驚異的な身体能力を生かし、ほとんどの選手がヨーロッパの主要リーグで活躍している。しかしチームとして守備の戦術が徹底されているとはいい難く、日本も付け入る隙が十分にありそう。ここでの勝ち点が、今回の日本の命運を左右するのは間違いない。

  
6月19日、オランダ戦
 ダーバンスタジアムは港町で平地(都市ダーバン)
 
 オランダの基本データは、過去9度のワールドカップに出場し、最高成績は、1974年と、1978年の準優勝。5月時点のFIFAの世界ランキング4位。監督は、ベルト ファン マルバイク氏。
 
 オランダは、伝統的にサイドアタックからの攻撃を得意とする攻撃的なチーム。現在スーパーカルテットと呼ばれる、スナイデル(チャンピオンズリーグ優勝のインテル)、ロッベン(同準優勝のバイエルン)、ファンペルシー(アーセナル)、ファンデルファールト(レアル)が攻撃の中心。その他にもアクロバチックなプレーをするカイト、強力な突破のエリアなども怖い。
 
 日本は、攻め込まれるのは分かりきっているので、現実的には、攻め込ませてからのカウンターで一発を狙うか、セットプレーでなんとかチャンスを掴みたい。セットプレーでは、トゥーリオ、中沢のヘッド、本田の一発があるか。ここでは思いきりよくチャレンジャー精神で、失うものは何もないぐらいの戦いに期待したい。その結果、引き分けでも金星と言える。

  
6月24日、デンマーク戦
 ロイヤルバフォケンスタジアム、1,500メートルの高地(都市ルステンブルク)。
 
 デンマークの基本データは、過去4度のワールドカップに出場し、最高成績は、1998年のベスト8。5月時点のFIFAの世界ランキング36位。監督は、モアテン オルセン氏。
 
 デンマークは、ヨーロッパ予選でポルトガルを押しのけ、1位で本大会に進んだ実力のあるチーム。平均身長は185センチで、対する日本は178センチ。高さを生かした攻撃が驚異となる。特にアーセナルで活躍するベントナーは要注意。クロスやロビングに対しては、1回目の競り合いでは勝てなくても、2回目のセカンドボールを日本の特徴でもある俊敏さで奪いたい。そこで優位に立てれば、奪ったボールからの素早い攻撃で得点を奪える可能性は高い。小回りの利く、大久保、岡崎、玉田にチャンスがめぐってきそう。
 
  
 日本代表の基本データは、過去4度のワールドカップに出場し、最高成績は、2002年のベスト16。5月時点のFIFAの世界ランキング45位。監督は岡田 武史氏。
 
 日本の特徴は、攻めはセットプレーに武器があり、守りでは、前線からの組織的な守備を実行できる勤勉さがあり、身体的には俊敏さを持っている。それをどのように勝負に生かせるかがかぎとなる。
 
 今大会の結果は別として、日本はどのように戦って、何が足りないのかをこの世界一の舞台で示してくれなければ、底辺を支える指導現場に生きてこない。勝つにしても負けるにしても、ぜひ、「日本はこう戦ったんだ」という強いメッセージが残る試合を期待したい。
 
矢田 からす