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屋良っティーニの教えある記『こんなサッカーにだれがした!?』

10・04・11
 先日、僕の指導しているチームが加盟するサッカー連盟の卒業記念大会なるものが行われた。僕自身シリアにいたので2年ぶりに参加しました!
 その大会のメインイベントとして前期リーグと後期リーグの勝者でのチャンピオンシップが行われたんです。ゼロックススーパーカップみたいでしょ?
 両チームとも身体の大きな選手が揃い、見ていたうちのチームの子供たちは口々に「デケェ〜 デケェ〜」を連発!!(うちの選手はちょ〜チャイチ〜ですから・・・)
 
キックオフ!!
 両チーム中盤でポゼッションを続けサイドを走らせ、そこにボールを集め広くピッチを使おうとしているみたい。みんな少ないタッチでポンポンとボールが動く!2列目の選手がどんどん追い越してチャンスをつくり素早くボールが動く!「ん〜でも面白くない!! 無機質 ん〜気分が悪くなってきた・・・ うううゥ〜〜」
 
 これはこの年代のサッカーなの!?そこで見えてきたものに異常な違和感を感じ。。。寒くもなってきた。。。中央から攻められる場面でもサイドを経由しようとしたり・・・ 大柄なトップの選手は淡白な落としばっかりだし・・・ サイドは縦に抜けてなんとな〜く精度の低いクロスを入れようとすることばっかりだし・・・
 
 一見巧く見えるが、それしか出来ないの。子供たちのアイディアも乏しいし、無理に仕掛ける場面とか、ゴリゴリドリブルなんて全くなし。遊戯的な駆け引きなんて一度もない。監督も静かにスマートな感じで戦況をうかがう『草食系サッカー!?』。やってる本人たちは面白いの!?
 
 案の定うちの子が気づいた。「なんか、おんなじことばっかりやってねー?」そう、同じことしか出来なくしてしまっている。子供には子供のころにしか出来ないサッカーがあるはずなのに、これじゃあ、大人の考えを擦りこまれた駒以外の何でもない!!
 
 JFAから多くのものが発信され、色々な指導が伝えられ、トレセンが確立され・・・。やっぱりこうなってしまった。指導も、真似ばっかり・・・ そして、プチ日本代表くずれみたいな大人の真似ごとサッカーに喜ぶ父母たち・・・。
 
 もしかしたら、日本サッカーが勝てない時期がつづくかも・・・。
今回は、『・・・』ばっかりでした・・・。
 
                            
◆筆者プロフィル
屋良 充紀(やら みつとし)
現役時代はブラジル、エクアドル、コロンビアでプレー、コロンビアではコーチも兼任。
帰国後、横浜FC泉Jrユースの監督として7年間指導。その後『JFAアジア貢献プロジェクト』で中東のシリアで未来のシリア代表選手を育成するべく、SFA(シリアサッカー協会)フットボールアカデミーを開校しヘッドコーチを務めた。アラビア語で『サッカー指導指針』をつくり、シリアは勿論のこと海を越えてアフリカ・スーダンでも高い評価を得ている。現在は横浜市でブラジルのストリートサッカーをヒントに遊び心をくすぐるサッカースクール、『エスコリーニャFC』に力を注いでいる。
 
ロベルト・屋良っティーニ