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J2全19チームの分析「千葉、柏、甲府、横浜Cが充実」

10・02・11
 今季も激戦必至となるJ2の19チームの内容を分析してみた。必要とする選手を獲得できたところや監督の交代が最大の戦力―というところなど、今季に向けた各陣営の反応は様々。

 降格組の柏、千葉はほぼ充実の域だが、大分は運営の行き詰まりもあって、我慢を強いられそう。
 
 わずか勝ち点1差で残留となった甲府は得点力を強化、札幌はどちらかというとDF陣の充当、鳥栖は岸野靖之監督が選手4人を引き連れて横浜Cに、ここで横浜が、今季こそはと大改革をした。
 
各チームの陣容を紹介しよう

【柏レイソル】 09年途中からのネルシーニョ監督(59)が引き継ぐ。FWのフランサの相手に林(東京?)を入れ、MFにブラジルからレアンドロを獲得、攻守のバランスが取れた。
 
【大分トリニ−タ】 再び皇甫官監督(44)を迎えた。FW高松、森島は残ったが、GKの西川周作ら有力選手を放出した。
 
【ジェフユナイテッド千葉】 09年途中からの江尻篤彦監督(42)が采配。初のJ2落ちを1シーズンで復帰宣言。オシム監督時代の全員攻撃、全員守備を貫く。FW巻を中心に林(京都)青木(岡山)山口(名古屋)を加え、CBボスナ―の穴は茶野(磐田)が入った。
 
【ヴァンフォーレ甲府】 コーチから内田一夫監督(47)が登用された。勝手知ったる−だが、わずか1差の残留はショックだった。得点力というより得点源を集めた。ブラジルのスポルチ・レシフェからFWパウリーニョ(元京都)、鳥栖からハーフナ―・マイクを獲得。GKは阿部が引退し、札幌の荒谷が呼ばれた。
 
【サガン鳥栖】 松本育夫監督(68)が再び引き継ぐ。尹晶煥コーチとは06年の再来で韓国選手の獲得に貢献した。FWの豊田(京都)萬代(磐田)や呂成海(漢陽大)文周元(カンウォンFC)が加わり、形は整った。
 
【コンサドーレ札幌】 石崎信弘監督(51)が継続する。試合数が少ないので得点力が物を言う。ゴン効果で若手の得点パターンが出来てきた。平均1試合2点はほしい。DF陣にけが人が多いが、失点を最小限に今季は得点力で勝ち進む。
 
【東京ヴェルディ】 川勝良一監督(51)がアドバイザーから就任。FWの大黒は横浜Cに移籍し、即戦力は少ない。高木(東京ユース)はプロ野球選手を父に持つ逸材。阿部(法大)ら成長株をどう仕上げるか、采配が注目される。 
 
【水戸ホーリーホック】 3年目の木山隆之監督(37)。育成型クラブの特徴で今季も大卒4人などと、即戦力としてFW小池(浦和)を取った。2トップの荒田(磐田)高崎(浦和)が得点力(2人で33点)を買われて移籍した。
 
【徳島ヴォルティス】 3年目の美濃部直彦監督(44)が、J2最大規模の33人の選手を抱える。昨年は大幅に選手を入れ替え今季にかける。J1昇格の悲願を抱えて昨季の9位以上を目指す。
 
【ザスパ草津】 副島博志監督(50)が今季から采配を握る。得点源だった都倉(神戸)と小池(水戸)が抜け、G大阪から前田を迎えた。また札幌からDF柴田、元日本代表の戸田(Kリーグ)を獲得、守備の要を得た。
 
【アビスパ福岡】 3年目の篠田善之監督(38)が采配を振るう。7人の新加入のうち4人が大学出の新人。学生ナンバーワンの福岡大からMF末吉とDF宮路がはいった。練習試合などで顔なじみという。「3年計画でJ1復帰」を目指す。           
 
【FC岐阜】 加入3年目のチームに初経験の倉田安治監督(47)が挑む。コーチ経験は福岡、神戸などで豊富。藤枝東高−筑波大出で、1985−87年まで日本代表。チームは新人ばかり6人を獲得した。
 
【カタ―レ富山】 2年目は中位確保と楚輪博監督(53)。しかし、選手獲得は目を見張るものがある。FWの元日本代表の黒部(福岡)や苔口(C大阪)、DF江添(C大阪)など7人を獲得した。
 
【ロアッソ熊本】 3年計画の初年度に高木琢也監督(42)が就任した。高木氏は長崎県出身で国見高−大商大で、ヴェルディ川崎などでプレー、00年に札幌を最後に引退した。その後指導者の道を歩み横浜FCをJ1に昇格させている。熊本のオーナーは選手獲得よりも監督の入団を喜んだという。
 
【愛媛FC】 昨年9月にクロアチアのバルバリッチ監督(48)を迎え、継続が決まった。ユーゴスラビアやスペインでプレー、その後指導者の道へ。札幌にFW内村を出し、石井謙伍を迎えた。昨年からのジョジマールとアライ―ルに今季はドウグラスがブラジルから加入、中央ラインがしっかりする。
 
【横浜FC】 鳥栖から教え子を連れてやってきた岸野靖之監督(51)。熱血漢で知られるだけに「横浜を再びJ1へ」との意気込み。MFの三浦淳宏、DFの早川知伸とGKを除いて8人を新加入で置き換えられる陣容だ。熱血漢の熱で内部の燻ぶりが出ない限り、ベスト3は狙える。
 
【栃木SC】 2年目の栃木はベテラン松田浩監督(49)が結果を出したい。神戸、福岡と02年から監督業。昨季は38得点とJ2の最低点。得点源を昨年1人獲得、今季はブラジルからロボを得て2トップが出来上がった。
 
【ファジアーノ岡山】 シンガポールから帰ってきた影山雅永監督(42)。福島県出身で筑波大で井原正巳や中山雅史と同期。市原−浦和−仙台でプレー、JFAの派遣でシンガポールなどのユース代表監督を務める。09年帰国、岡山のヘッドコーチから昇格。昨年ワースト1の84失点にDF出身の監督らしく守備の強化に取り組む。後藤(鹿島)近藤(浦和)キム・テヨン(水戸)らを獲得、充実を図った。
 
【ギラヴァンツ北九州】 サンパウロ出身の日系二世・与那城ジョージ監督(59)は 日本国籍。北九州市小倉北区に本拠を置くチーム。JFL時代の2007年から監督を引き受け昇格した。だから選手はあまり換えないが、J2のチームから5人を入れた。9人がチームを去ったから24人で乗り切る。
 
与野あつし