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シリアで教えある記 『みつおがメツォと出逢った〜(ウルルン風に)』

09・06・11
 先日、トルコ国境に近い町アレッポで、カタールとの親善試合が行われた。
 
 アレッポにはシリアで一番近代的なスタジアムがあり、国際試合では毎回ここを会場にしたい様なんですが、ダマスカスからバスで4時間。飛行機でも乗り換え回数やトランジット的な問題でアクセスがよろしくなく、国際試合会場としてAFCから認められていないみたいなのです。「じゃあ、なんでこんなところに造ってんだ〜」と思いますよね?そうです!それがシリアの醍醐味である不思議現象なのです!?
 
 あっ でも、アジアカップ対中国戦はここだったな〜どうして、許可が下りたんだろう!?
 
 今回のカタールは同じ中東ということで距離、乗り換え回数共に問題はなく親善試合ということもあってアレッポになったみたいなんですけどね。
 
 そんな、アレッポでの試合前日の公開練習で僕は憧れの人に出逢った!
 
 2002年日韓ワールドカップでセネガルを率いてやってきたフランス人監督ブルーノ・メツォ。いきなり、ベスト8まで勝ち進み、その後UAE、カタール、サウジアラビアのクラブの監督を務め、今回のワールドカップ予選ではUAE代表の監督で指揮を執り、最終予選に入ると電撃移籍でカタール代表監督になっていたんです!
 
 彼ったら、アラブ世界で活躍しちゃってるし芸術肌を感じさせるオーラを放っちゃってるしバッハみたいにバロック調な髪型だし・・・大好きなんです!あの監督です!
 
 前日公開練習でカタールが終わりかけの時間にスタジアム入りしたため、憧れの彼はそこにいました。ウチの(シリア代表監督ファジョル・イブラヒム)監督が挨拶に行ったときに「ぼくも・・・」と思ったんですが、その時、ウチの監督から絶対!!「彼は日本人のテクニカルスタッフで・・・」と紹介されてしまうと思い敬遠。
 
 というのも今回シリア代表のフォーメーションを確認するために、ビデオカメラを担いでいたので、なお怪しい。“日本人+ビデオカメラ=スパイ!?”と連想されそうだったので監督は「挨拶行くぞっ!」って促してくれたんですが、憧れのメツォにそんな風に思われるのはあまりに悲しすぎるのでやめておきました(涙)。
 
 公開練習も1時間ほどで終わりホテルに戻り、シャッターの下りた商店街を「どっこも、あいてね〜や」なんて思いながらプラプラしていると、な、なんと、葉加瀬太郎じゃなかった憧れのメツォがこっちに向かって「ドッコモ、アイテネ〜ヤ」みたいにキョロキョロしながら歩いてくるではないですか!!
 
 ちょ〜ど、カメラも持ってる!ここしかチャンスはない!思い切って声を掛けると、笑顔で写真を撮ってくれました。別れ際、「明日の試合頑張って下さい!」なんて縁起でもないことを言ってしまったせいかシリアは1対2で負けてしまった!
 
 ちなみに、僕の本名はMITSUTOSHIなんですど、シリア人にはどうも、言いにくいらしく何故か“みつお”って呼ばれています!憧れの彼の名前と似た響きです。ちょっとうれしいです!
                                            みつお
 
ロベルト・屋良っティーニ